チリ

■Quinta Normal (キンタ・ノルマル公園) 2008.2.19 update

去る1月26日に、サッカーの日本代表VSチリ代表の友好親善試合が東京国立競技場で行われました。日本は世界ランキング34位、チリは45位で、お互いそれなりに負けたくない気持ちが高かったようですが、結果は0 ‐ 0と引き分けでした。両チームを応援していた筆者としては、今回、互角の勝負だったと思いますが、次回はシュートがいくつも決まる攻撃的な試合運びでの同点を期待しています。

さて、只今チリは、強い日差しの下、学校は夏休みの真っ最中です。12月中旬から3月中旬にかけて、幼稚園から大学まで約3ヶ月間、一斉に夏期休暇に入ります。社会人は、1月か2月にまとめて1ヶ月くらいの夏休みを取る人が多いようです。こちらでは、有給休暇を小出しにとってはならないとする労働法規定があり、また病欠を有給に替えることもできません。有給をほぼ一度で消化しなければなりませんから、長い休暇を利用して海外旅行をしたり、国内旅行なら田舎の親戚の家を訪ねて歩くのが、チリ式休暇の過ごし方の主流です。

夏季シーズン、首都サンチャゴの人口はおよそ三分の二に減ると言われています。この時期、観光・リゾート地に向けて民族大移動が起こり、観光地の物価はオフシーズンのほぼ倍に膨れあがるため、休暇を取る時期をズラす人もいます。

さて、人口の少なくかったサンチャゴで、のんびりと一日を過ごしたい人にお勧めのスポットが、今回のテーマ、キンタ・ノルマル公園です。

この公園は、面積40ヘクタールの広大な敷地で、2004年に開通した地下鉄5号線キンタ・ノルマル公園駅を上ると、すぐ目の前にあります。この名前の由来ですが、Quinta(キンタ)は、スペイン語のquinta parte、即ち、五分の一を表しています。これは植民地時代、収益の五分の一を税金として納めていた大農園に対して使われた呼称で、転じてキンタが大農園の意になりました。Normal(ノルマル)は師範学校の意味で、以前この場所に農学校があり、ブドウや野菜の品種改良及び品種保存の研究・指導が行われていたことがその由来です。また、この一角には1960年代まで、チリ大学農学部がありました。

キンタ・ノルマルが大きく発展し、注目されたのは1870年代のことです。ここに本格的な公園を造成してサンチャゴの文化の中心地とするキンタ・ノルマル公園プロジェクトが発足したからです。1875年にはここで国際見本市が開催され、公園内に建設された白亜の新古典様式の建物は、その本部となりました。見本市の終わった翌1876年、この本部建物に、市内の別な場所にあった国立自然史博物館がそっくり移転してきます。

中に足を踏み入れると夏でもヒンヤリとした涼気が感じられるこの国立自然史博物館には、名前の通り、自然科学に関する膨大な資料が展示されており、鉱物学、植物学、動物学、人類学、古生物学などが網羅されています。チリに生息していたとされる恐竜の化石や、約100万年前のものと言われる「世界最古の岩」が目玉です。

子供たちに人気があるのは、科学技術博物館です。私が写真を撮りに行った日も、屋外に2台設置されたパラボラアンテナ型の電話で子供たちが遊んでおり、お互いの声がエコーとなって聞こえるのを試していました。

この他にも、鉄道博物館、こども館、現代美術館などがあります。また、敷地内には大きな人工池もあり、水鳥たちが羽を休めに飛来します。キンタ・ノルマル公園はさながら日本の上野公園のようで静かにバード・ウォッチングができれば幸いです。キンタの人工池は水鳥保護のため遊泳禁止となっていますが、猛暑の日は子供たちが池に飛び込んで水に興じる光景をよく目にします。これもチリらしい風物詩の一つかもしれません。

-文中の画像-
画像上右:市内の別な場所から移転してきた国立自然史博物館。
画像上左:子供たちに人気の科学技術博物館の入口。
画像中右:パラボラアンテナ型の電話で話をする子供たち。
画像中左:水色の二階建ての建物がこども館。
画像下右:現代美術館。
画像下左:池で泳いでいる子供たちにカメラを向けると、遊泳禁止の標識の前でポーズをとってくれました。
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画像左:地下鉄を出て、このエスカレータを上り、矢印の方向に進んで行くとキンタ・ノルマル公園出口です。
画像中:地下鉄5号線、キンタ・ノルマル公園駅。
画像右:地下鉄から地上に出ると、お菓子やジュースを売っている出店があります。
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画像左:キンタ・ノルマル公園入口。奥に警備室兼インフォメーションセンターが見えます。
画像中:黒く塗って隠れ家風にアレンジされたバス。中には音楽に関係する物が置いてあります。
画像右:公園内の豪快な散水。もしかしたら配管パイプが壊れてしまっただけかもしれませんが。
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画像左:キンタ・ノルマル公園の中にある人工洞窟は、子供たちの探検ごっこにもってこいの場所です。
画像中:公園内には石橋もあります。
画像右:上の看板は、科学技術博物館を表示。下の看板は、矢印の方向に鉄道博物館があるのを示しています。
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