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チリの道路には、現在地から主要都市までの距離を示す案内標識があります。また、首都サンチャゴから始まる国道には、これとは別に“ゼロキロメートル地点”からの距離が書かれている標識も見かけます。東京の日本橋起点標識に相当するのが、サンチャゴの「アルマス広場」です。今月はアルマス広場についてレポートしたいと思います。
  
アルマス広場はスペイン語でプラサ・デ・アルマス(PLAZA DE ARMAS)と言います。プラサは広場、アルマス(ARMAS)は「兵器」の意味、直訳すると「武器の広場」、なんとなく物騒な響きになってしまいます。それもそのはず、かつて植民地時代、「武器の広場」は暴動や敵の攻撃に備えて兵士が警備していたため、有事の際は市民の避難所となったからです。
もっとも、避難所としては、いつ鉄砲の弾が飛んでくるかわからない広場ではなく、広場に隣接して建てられた教会の方だと思いますが、元来こうした目的で造られた広場ですから、サンチャゴに限らず他の市町村にもアルマス広場というのがあります。
画像左:サンチャゴを現在の場所に建設したペドロ・デ・バルディビアの銅像。
画像中:アルマス広場駅である事を記す地下鉄の表示。
画像右:憩いの広場でチェスを楽しむ人達。
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さて、首都サンチャゴのアルマス広場は、1541年2月12日に市制がしかれた当時から市のメイン広場であり、政治・経済はこの広場を中心に動いていました。1845年に政治経済の中心がモネダ宮殿に移ってからアルマス広場は、市民の憩いの場所となり、また文化の発信地にもなっています。2001年に全面リニューアルされ、それまで暗所が多くて危険だった広場は、、コンクリートブロックとチリ椰子ですっきり明るく統一されました。
現在、アルマス広場で芸術活動ができる人は、サンチャゴ市当局から認可されたアーティストのみで、主に画家たちです。しかし、以前に比べて全体数が圧倒的に減ってしまったのは残念です。これは安全強化のために講じた苦肉の策とされていますが、運良く認可をもらった画家たちからも、自由な芸術活動に制限を加える不適切な措置として批判されています。チリは、ノーベル文学賞作家*を二人輩出しており、芸術的レベルも高く、人々は表現の自由と情熱を大切にしているからです。お金を稼ぐことより、芸術性の追求に重きを置きながらも、いつか認められ、スカウトされるのを夢見てやってくる場所がこのアルマス広場だったのです。
画像左:アルマス広場に掲げてある“文化のない国は希望のなくなる国だ”と、現在の自由な芸術活動に制限を加える不適切な措置を批判した横断幕。
画像中:広場にある人の顔をモチーフにした彫刻。
画像右:人気のある大道芸人にはたくさんの観客が集まります。
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夢を見るといえば、私は小さい頃、本物のサンタさんを探したいと思っていましたが、以前このアルマス広場には12月の1日から多くのサンタさんが出没して、子ども達の話相手になる微笑ましい姿がいたる所で見られました。
しかし、今年はニュースになる程サンタの数が少なくなり、目立つのは大企業のスポンサー付きのサンタで、パフォーマンスには富んでいますが、コマーシャル化されて、素朴さが失われてしまったような気がします。
画像左:アルマス広場で一番目立つパフォーマンス性を持ったサンタさん。
画像中:今も少し見かける許可をもらえたサンタさん。撮影した写真を展示してあり賑やかです。
画像右:良く目を凝らすと独り木陰にたたずむサンタさんもいます。
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以前、アルマス広場一帯は海賊版の宝庫でしたが、今年はクリスマスシーズンに向けて海賊版の取締りが強化され、売る人だけでなく買う人に対しても罰金が科せられるようになり、海賊版の売買が減りました。これと合わせて、スリや詐欺の被害も減るという相乗効果があったのは良いことだと思います。
いずれにせよ、ノンアクセサリー、ノーバッグで小銭をポケットに入れて地下鉄のアルマス広場駅(Plaza de Armas)からプラリと旧市街の雰囲気の凝縮したアルマス広場へ散歩されてはいかがですか。
画像左:ゴミ箱に貼られた、“道端で買う事は結局高くつく”という事を書いた、海賊版取締りポスター。
画像中:夏になるとアルマス広場の噴水で遊ぶ子供たちを良く見かけます。
画像右:広場では、人だけでなく犬も水を飲んで涼みます。
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(*)チリのノーベル文学賞作家:
1945年…ガブリエラ・ミストラル(Gabriela Mistral、1889-1954)
1971年…パブロ・ネルーダ(Pablo Neruda、1904-1973)
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