チリ

■“酔っ払い注意報発令”月 2007.10.16 update

チリの独立記念日は9月18日で、9月に入ると街のあちらこちらにチリの国旗が掲げられ、通りやビルに国旗と同じ三色の赤・白・青のリボンが飾られて町中がチリ色に染まります。

チリの独立記念日は9月18日で、9月に入ると街のあちらこちらにチリの国旗が掲げられ、通りやビルに国旗と同じ三色の赤・白・青のリボンが飾られて町中がチリ色に染まります。

毎年、この独立記念日の9月18日と、軍事パレードが催される翌19日が2日間の連休となりますが、今年は19日が日曜日、17日が月曜日、そして18日と19日が祭日で休みとなったため、17日は休日にはさまれた平日でした。それならいっそ17日も休日にして、五連休になったらいいのにという国民の思いを汲んでか、8月の議会で、今年に限り17日も休みになることが決まりました。

完全週休二日制のチリの週末は通常金曜日の夕方からはじまりますが、独立記念日間近の金曜日は、正午に仕事を切り上げて、まず職場でエンパナーダ(Empanada)をかじりながら、ワイン、もしくは祝い酒のチチャ(Chicha)で乾杯をし、ほろ酔い気分になってから街に繰り出します。今年は14日金曜日から賑やかなフィエスタ(Fiesta:お祭り)が始まりました。

フィエスタと言っても、チリが1810年にスペインから独立した記念を祝う特別なお祭りですから、伝統色が豊かです。チリの民族衣装を着る男女も多く、この時ばかりは皆、普通のバルやレストランではなく各地区の広場に設置されたフォンダ(Fonda)という仮設テントに家族や友人と連れ立って行き、チチャを飲み、アサード(Asado:炭焼きローストビーフ)やエンパナーダを食べ、チリ伝統の踊り、クエカ(Cueca)を踊ります。

チチャはチリの先住民がスペイン人のワイン造りを真似て作ったとされる発酵葡萄ジュースというか、甘いドブロクといった感じのお酒です。エンパナーダはオーブンで焼いた大きな餃子のようなもので、具としては粗引きの牛肉、玉ネギのみじん切り、干し葡萄1粒、ゆで卵4分の1、黒オリーブの実1個が入っています。

食後はカロリーを消費すべく、クエカを踊ります。クエカは鶏の求愛行動を真似た踊りで、男女ペアになり、白いハンカチを振りながら可愛らしく逃げる素振りを見せる女性を男性が追いかける踊りです。3曲続けて踊り、曲数が進むごとに男女の距離が縮まっていくのが情熱的なラテンの雰囲気をよく表しているのではないでしょうか。

今年、私はサンチャゴ(Santiago)市キリクラ(Quilicura)区のFondaの開会式に行ってきました。仮設テントといってもかなり大きく、会場にはフリルのいっぱい付いたカラフルな花柄のドレスを着た女性たちの姿が目立ちました。開会式は土曜日の午後6時半に始まり、キリクラ区長のスピーチの後、区長を始めとするVIPがクエカを踊り、それに続いて皆が一斉に踊り出しましたを。この時期、チリのVIPは大統領以下、必ずどこかでクエカを踊ることになっており、リズム感がないとニュースになってしまいます。

ともかく老若男女、誰もがクエカを踊るのが伝統なので、皆の前で見栄えよく踊れるように、8月頃から学校や職場で開かれるクエカの講習会に通う人もかなりいます。前奏が始まると、男性が女性を踊りに誘うのが“お約束”となっており、これを機にラブストーリーが生まれるのもこの時期が一番多いようです。日本でいうフォークダンスのようなイメージですが、日本ではフォークダンスから恋が芽生えたという話はほとんど聞きませんね。

仮設テントでは、踊りの他にも様々なイベントが繰り広げられます。キリクラではチリのロデオを見ることができました。ロデオというと、日本ではアメリカのカウボーイのロデオが浮かび、暴れ馬の上にまたがって何秒耐えられるかを競う姿が想像されますが、チリロデオは馬に乗った二人が一対となって、いかに少ない時間で、牛を定められた場所へ的確に挟み込むかを競う競技です。アメリカロデオでは人が馬を支配するのに比べ、チリロデオでは人馬一体となって行動するところに違いがあります。

仮設テントは、正午から明け方の3時頃まで開いています。日中は家族連れで賑わっていますが、夜も深まると友人・恋人同士が多くなり、踊っては飲み、飲んでは踊りが一晩中くり返されます。そして、明け方ともなると路上を千鳥足で歩く酔っ払いの数がぐんと増します。普段は安全のために路上での飲酒が禁止されている国ですが、9月18日だけはチリの誕生日とあって、道端で飲んだくれても警察の取締りを受けないというわけです。

平年より数日お休みの日が多かった今年の独立記念日をはさんだ連休は、お天気にも恵まれて、皆リフレッシュできたお休みでした。

-文中の画像-
画像上右:いたる所に飾られるチリの国旗。
画像上左:ウァソ(Huaso)と呼ばれる、チリの民族衣装をまとった筆者とルイスおじさん。男女共につばの広くて平べったい帽子を着用。
画像中右:まずキリクラの女性区長がクエカ踊りをご披露。
画像中左:音楽にあわせてクエカ踊りを踊る人達。手には白いハンカチを持って振り回します。
画像下右:チリロデオに参加する勇姿達の入場。
画像下左:葡萄のチチャ。独立記念日付近にしか店頭に並ばない幻のお酒。
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画像左:エンパナーダス(Empanadas)と、その中身(左)。
画像中:民族衣装をまとってクエカの生演奏をしています。
画像右:ギターとハープでチリ音楽を奏でるミュージシャンの人達。
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画像左:民芸品から、飲み物、食べ物など色々と屋台が並んでいます。
画像中:チリの昔の民家をイメージした屋台。休憩場所もあります。
画像右:特設会場の中にある飲み物売り場。アルコール類が多いのが特徴。
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画像左:チリロデオ会場での売り子達。風船、飴、スナック菓子、飲み物類。
画像中:移動サーカス遊園地も来ていました。
画像右:ラジュエラ(Rayuela)と言われる砂場に引かれた線を目指して蹄鉄を投げる遊びです。見事真ん中に落ちれば景品がもらえます。


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