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□「飲料水は安全か」
市販されているボトルウォーターは、500ミリリットル、600ミリリットル、1リットル、1.5リットル、20リットル。複数の会社が製造/販売している。そのうち保健省の検査を通っているものとそうでないものとがある。病原菌や肝炎ウイルスに汚染された水が飲まれている可能性を否定できない。
容器の洗浄方法に問題があったり、転売を目的に搬送時にボトルの水が入れ替えられたりして、製造時には安全だったはずの水が手元にまで届かないこともある。ボトルのキャップに開けられた形跡がないか購入時にはチェックが必要だ。ラオ語が読める人はラベルに「コーオーヨー/ポーノー 以下6〜7桁の数列」(保健省の検査番号)がある水の購入を推奨する。ラオス語が読めない人はビアラオかペプシなど大手飲料会社が製造/販売する水を購入するのが無難。
□「水道水は安全か」
浄水場は市内に5ヶ所あり、各家庭、ホテル、レストラン、病院、工場、役所、軍関連施設、学校等に給水されている。ビエンチャン市の人口は64万人で、給水人口は約50%である。ラオス政府は2020年までに全国都市部の80%に安全な水道水を供給することを目指している。
水道水が飲み水として安全かどうかは残留塩素の濃度で決まる。塩素が残っていれば煮沸せずに飲むことができる。浄水場から離れるほど塩素は薄くなる。水道管が古いために送水途中で汚染されている場合は塩素が検出されない。塩素が検出されない場合でも、煮沸すれば飲むことができる。
□「井戸水は安全か」
特定の金属(カドミウム、鉛、ひ素、クロム等)や農薬が含まれる場合には煮沸しても飲用水として利用できない。水銀については煮沸すると大気中に飛散するため一度沸騰させれば飲み水として利用できる。
有機物や菌(大腸菌など)が含有していても煮沸すれば飲み水として利用できる。大腸菌の中には無害なものがある一方でO-157病原性大腸菌のように人体に有害なものがあるため使用前には必ず煮沸した方がよい。米をとぐのに問題なくとも火を通さずに直接口に入る生野菜を洗うのには不適。浅井戸には雑菌が混入しやすい。
□「水質検査」
チナイモ浄水場では水道水や井戸水の水質検査を随時受け付けている。一度みてもらっただけで暮らしに潤いと安心感とが広がった。井戸水の場合、検査時期は乾季がよい。乾季は汚染度が高まるためだ。検査には1.5リットル程度の井戸水が必要で検査結果を得るまで所要2週間ほどかかる。菌が出た場合は保健省等で有害な菌がないかどうかを検査する。有害な金属も菌もないことがわかれば生水のまま飲み水として利用できる。
水質検査ができる施設は市内に7ヶ所ほどある。チナイモ浄水場はタドゥア通りを友好橋に向かって7kmほど行った最初のロータリー(三叉路)を左折せずに500mほど直進して左手の建物。費用は検査項目数によるが1項目1ドル〜数ドル。50項目から選べる。水の使用目的に合わせて検査精度を決められる。チナイモ以外では首相府管轄のSTEA、保健省管轄の保健所、食品医療の関連施設、または灌漑用水の関連施設でも水質検査ができる。
□「氷は安全か」
氷で腹を壊したという報告はあまり聞かない。これは腹を下すときには他の要因(食べ物)の方が大きいからと思われる。市販されている氷は基本的に上記に記した水道水から作られている。塩素が残っている水道水を利用しているかどうか保証の限りではない。仮に塩素が残っている水を使用している場合でも、問題は業者が氷の運搬時に衛生面に配慮しているかどうか。シャベルや麻袋、保存用容器の管理の仕方にやや問題があると思われる。郊外では原水に井戸水を使用している場合がある。
□「水道料金」
水道料金は1m³あたり612キープ(一般)、2,151キープ(商用)、5,760キープ(外国人)とあり、これに2,000キープ(基本料金)が加算されて翌月から翌々月にかけて請求される(1ドル=9,500キープ前後)。2003年から2005年にかけて1m³あたりの一般料金が331→522→612キープと値上げされたのに対して、外国人料金が9,406→6,496→5,760キープと値下げされたことで格差は縮小している。これはビエンチャンの水道料金であり地方都市の水道料金はまた異なる。けれども外国人とラオス人との料金格差の縮小は近年の一般的な傾向と見てよい。
□「日本との関係」
日本からの専門家派遣は1960年代から行なわれている。この協力のもと、ラオス初の浄水場施設をカオリオに整備(1965年)、配水網と水道塔を整備、日量20,000m³→60,000m³に供給能力を拡張中(2009年完成予定)。
チナイモ浄水場の供給能力を拡張。日量80,000m³はラオス最大規模。取水口堆積土砂の除去施設、プラットフォーム築造、薬品注入施設、電気計装設備、送配水施設整備(1996年)。停電の際に取水や薬品注入等が止まるため配水が一時的にストップするが、停電や事故に備えて水道水を備蓄する水槽の拡張工事(供給1時間分→2時間分)が予定されている。
ドンマカイ浄水場を整備(2006年12月完成)、20,000m³/日量。またODA以外にもさいたま市水道局、名古屋市水道局、東京都水道局、福岡市水道局との交流、協力があった。
※ビエンチャン市水道局のチナイモ浄水場で水質検査の指導に携わる大越弘美さんに伺った話を元に一部ラオス人の友人の話を加えてまとめました。大越さんには忙しい中、施設の案内に加えてかなり専門的な話を伺いました。また、たくさんの資料を提供していただきました。ありがとうございました。
画像上:ビエンチャンで購入できる飲料水(一部)。左端のタイプ(1,000キープ)はキャップが簡単に取り外しできることもあり安全性に疑問あり。この中で保健省の検査に通っていないのは、左から3番目と右端の2本。
画像下:チナイモ浄水場。門を入って正面の建物に水質検査室があり、水道水や井戸水の検査を随時受け付けている。 |