|
今年もまたクリスマスの季節がやって来ました。ポーランドでも日本同様、デパートなどのクリスマスイルミネーションや飾り付けが11月頃から始まるようになりました。以前は12月になってからだったようですが、年々早くなっているようです。
ポーランドは国民の90%以上がカトリック教徒の国ですので、クリスマスは復活祭と並ぶ重要な宗教的行事になります。そのため、楽しいイベントといった感じの日本とは違い、とても厳粛な雰囲気が漂っています。とはいえ、ポーランドでもやはり「クリスマスプレゼント」は存在するので、どこのお店もクリスマスカラー一色です。
面白いことに、ポーランドでは子ども達はプレゼントを2回もらえます。というのも、ポーランドでは「サンタクロースの日」というのがあるのです。それが12月6日です。その日は「ミコワイキ」といい、ミコワイという名前の「名前の日(ポーランドでは365日、諸聖人の名前があてはめられており、自分の名前と同じ日を「名前の日」としてお祝いします)」です。聖ミコワイは英語ではSt. Nicholas、つまり、サンタクロースの語源になった聖人のことです。ポーランドでは聖ミコワイ(=サンタクローはクリスマスイブの夜ではなく、12月6日に来るのです! そして、子ども達はこの日、聖ミコワイからプレゼントをもらえます。
クリスマスイブの夜にもサンタクロースはやって来るといいます。しかし、イブの夜にやって来る「人物」は地方によって違うということを最近知りました。私の住むポズナンを含むポーランド西部・ヴィエルコポルスカ地方では、グヴィアズドル(星からやって来た人)がプレゼントを持ってきてくれます。その他の地方では、天使やお星様、子どものイエス様がやって来たりもするようです。
さて、クリスマスイブの夜に一番星が出たらイブのごちそうの始まりです。日本のクリスマスのごちそうといえば、チキンなどの肉類が多く、シャンパンなどで乾杯するように思われますが、カトリックのポーランドではクリスマスイブに肉類を食べることもアルコールを飲むことも禁じられています。その代わりメインディッシュとなるのは、鯉料理です。日本ではあまりなじみのない食べ物ですが、ポーランドでもクリスマス頃にしか見られません。クリスマス前になると、スーパーなどでも大きな生け簀(いけす)が用意され、たくさんの鯉が所狭しと泳いでいる様子が見られるようになります。その鯉を買うために長い長い行列ができるのです。
私はポーランドのクリスマスで初めて鯉を食べました。鯉はムニエルにしたり、スープにしたり、と家庭によって調理法は様々ですが、私が食べたのはムニエルです。鯉は骨が多いのですが、ポーランド人はフォーク2本を器用に使いながら食べていきます。私は箸が欲しいと思いながらも、皆の食べ方を真似して何とかフォーク2本で鯉を食べることができました。とてもおいしかったです! それ以来、もう何回もポーランドでクリスマスを過ごしましたが、やはり鯉は箸で食べたいなと思ってしまうこともしばしばです。
イブの夜はごちそうだけでは終わりません。夜中の12時、まさにクリスマスに日が変わる時間にポーランド中の教会でクリスマスのミサが始まるのです。夜中のミサに多くのポーランド人が集う光景は、大晦日から元日に日が変わる夜中に日本人が神社やお寺に初詣に出かけるのに似ています。
イベント化した日本のクリスマスとは違った、宗教に根ざしたポーランドのクリスマス。機会があれば是非体験して頂きたい素敵な行事です。
画像上右:素敵なイルミネーションはやはり暗くならないと楽しめませんよね。クリスマスの時期、ポーランドでは午後3時頃からもう暗くなるので、イルミネーションを楽しむ時間もたっぷりあります。
画像上左:私達の住むポズナンのシンボルは、毎日正午になると姿を現す旧市庁舎時計台のヤギですが、そのヤギもクリスマスの時期にはサンタクロースのような赤い衣装を着てご挨拶してくれます。
画像下右:クリスマスの時期に飾られる「ショプカ」と呼ばれる、キリスト誕生の様子を表現した馬小屋の模型がありますが、旧市街広場に登場したのは等身大の模型でした!
画像下左:クリスマスのメインディッシュ、鯉のムニエルです。我が家ではサワークラウトという酸っぱい発酵キャベツを茹でたものとマカロニを添えて頂きます。
【短信】日本にいると関係ないのでつい忘れてしまいますが、ポーランドでは10月28日から冬時間に変わりました。これで日本との時差は8時間になりました。(11/22) |