■ポーランドのお盆〜万聖節と死者の日〜 2007.11.6 update

日本では暑くなるとお盆の季節になり、お墓参りのことを思いますが、ポーランドでは寒くなってくるとお墓参りの季節だと感じるようになります。というのも、ポーランドでは11月1日が「全ての聖人の日(万聖節)」、2日は「死者の日」だからです。そのうち1日の方は祝日となっていて、日本での「お盆」のように、皆お墓参りに出かけます。そして亡くなった身近な人々を思い出して祈る日なのです。

日本ではほとんどが火葬ですから、お墓も小さく、また「先祖代々の墓」のように何人かが同じお墓で眠っている場合が多いですが、ポーランドではまだまだ土葬が多いので、ひとつひとつのお墓がとても大きく、しかもそれぞれが家族単位というより個人単位の方が多いように思われます。この万聖節や死者の日が近づくと、その墓石のひとつひとつにお花やろうそくがいっぱいに飾られ始め、本当に見事です。また、こちらで飾るろうそくはむきだしのろうそくではなく、カラフルなプラスチックやガラスの瓶の中に入っており、夜になると幻想的な景色を作り出します。普段は怖くて夜に墓地に行くことなどできませんが、この時ばかりは夜でも多くの人が墓地を訪れ、ろうそくに新たに火を灯していくのです。

私が初めてこの季節にポーランドの墓地を訪れたのはまだ結婚する前で、5〜6年前のことでした。ポーランド人の友人一家に連れられ、昼と夜にお墓参りに行きました。その日はとても寒く、雨がぱらついていたかと思えば、雪まで舞い散るほどだったのをよく覚えています。後から聞いた話によれば、11月1日は必ず雨や雪で天気が悪いと言われているそうです。

結婚してからは、夫と夫の両親と一緒にお墓参りへ行っています。義母は毎年この日のためにきれいな花飾りを作ります。お参りすべきお墓が何箇所かに点在しているので、そのお墓の数だけ作るのでとても大変そうです。でも義母は花飾りを作りながらいつも「おばあちゃんはこのお花が好きだったから」、「お父さんにはこのお花かな」と言いながら、今は亡き家族のことを懐かしく思い出しているようで、そんな義母の姿にポーランドの「死者の日」の意味を垣間見たような気がしました。

ところで、ポーランドの「お盆」にあたるこの2日間はポーランド中の人々が家族そろってお墓参りに出かけるので、道路は渋滞、市電やバスも大混雑となります。しかもそれぞれの人が大きなお花やお墓掃除の道具を抱えているので、乗り込むのも一苦労です。それでも墓石の前に立てば、皆穏やかな顔で祈りを捧げ、集まった親戚一同で故人の思い出話をする姿を見かけるのも、この日ならではのことでしょう。

ポーランド旅行に行って、墓地へ行くことなどはないと思いますが、11月のこの時期だけは、少しだけでも墓地をのぞいてみる価値があるかもしれません。

画像上右:どのお墓もきれいな花々やろうそくで埋め尽くされています。飾るお花で多いのは日本同様、菊の花のようです。
画像上左:ポーランドでも最近増えてきているといわれる火葬墓地です。火葬されているのでそれぞれのお墓も小さいですが、やはりきれいなお花でいっぱいです。
画像下右:こうして家族でお墓の周りに集まって話をする姿が、墓地のあちこちで見られます。
画像下左:夫の家のお墓です。中央辺りに見えるのが、義母が作った花飾りです。

【短信】結婚して以来毎年この時期に義両親とお墓参りに行っていたので、今年は義両親だけであのすごい人ごみの中を無事にお墓参りに行って来られるのかちょっぴり心配です(現在、日本に一時帰国中)。飾るお墓の数だけお花やろうそくを持っていかなければならないので・・・。(10/24)


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