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5月も半ばの16日、私の住むポズナンでよくイベントが催されるミツキェヴィチ広場(詩人アダム・ミツキェヴィチ[*1]の像と、ポズナン暴動[*2]記念碑がある)のそばを通りかかると、にぎやかな音楽と共に大勢の学生らしき人達の姿が見えました。その広場まで行ってみると、『Juwenalia』と書かれたチラシを渡されました。
ポーランドの大学は10月に始まり、6月に終わります。そして年度末の5月にポーランド各地で催されるのがこの『Juwenalia(ユベナリア)』と呼ばれる大学祭。この時期に催す『意味』もきちんとあるのです。6月になると各大学では試験シーズンとなります。試験に落ちれば単位をもらえず大変なことになるのはポーランドでも同じこと。そのため、学生達は6月に遊ぶことなどできません。それで、その試験シーズンが始まる前の5月に、何もかも忘れて学生も先生も皆一緒に大騒ぎしよう、というのがこのお祭りの意味のようです。
余談ですが、似たような催しが他にもあります。それは『ストゥドゥニュフカ』と呼ばれるパーティーで、『マトゥラ』という高校卒業試験の100日前に催されるものです。この日を境に卒業試験まで頑張って勉強して一緒に笑顔で卒業しよう、ということなのでしょう。
広場には仮装をした学生達もたくさんいました。中には女装している男子学生の姿も! ブロンドのマリリン・モンロー風のかつらをして、ちょっぴりセクシー(?)です。実はこの日、この広場に来る前に別の場所で、ギリシャのパルテノン神殿から出てきたような格好をした若者3人を見かけました。ユベナリアのことなど知らなかったので、その時は「変わった格好をしている人がいるものだな」と思っていましたが、この場所に来てようやく納得しました。駐車されたトラックはサイドが開いており、皆音楽に合わせて楽しそうに踊っていました。
帰宅してからもらったチラシを見てみました。ポズナンのユベナリアは5月16日〜19日の4日間。日本のように大学別ではなく、ポズナン中の大学が国立も私立も一緒になって主催しています。ポズナンにあるあらゆる施設を使って様々な催しが繰り広げられるとのことでした。ポズナンの人工湖マルタ湖岸では野外コンサートなどが行われるようで、水曜日、木曜日、土曜日は夜中の2時まで、金曜日は明け方5時まで続くと書かれているのには驚きました。もちろん、夜中でも帰ることができるように、バスやトラムも特別に運行されるとのことでした。
楽しいパーティーにはアルコールも必要、ということでもちろんビールも売られています。安全についても書かれていましたが、臨時救急施設はもちろん、警備も完備されているとか。マルタ湖岸の野外会場には、未成年(18歳未満)は入れず(といっても主役の大学生は皆18歳以上ですが)、ビンや缶、先のとがったもの(例えば傘など)は持ち込み禁止とされていました。マルタ湖からそれほど遠くない場所に位置する映画館では、夜11時以降特別に学生用に映画を2本ずつとコンサートフィルムを1本ずつ上映予定とありました。本当に楽しめる催しでいっぱいです!
ところでチラシを見ていて、広場で仮装をしている学生がたくさんいた理由が分かりました。私が通りかかった少し後に、広場から旧市街広場へと続く仮装行列が始まるところだったのです! 仮装行列に参加する学生は夕方5時に集合と書かれていたので、やはりお祭り騒ぎは夕方から始まり、夜が本番なのだなと思いました。
せっかくのお祭りですが、残念ながら最初の3日間は今の時期にしては肌寒く、時折雨もぱらつくというあいにくの天気に見舞われてしまいました。気持ち良く晴れたのは最終日だけでしたが、学生達はそんな天気などものともせず、思い切り楽しんだことでしょう!
[註1]:ポーランドを代表する国民的ロマン派詩人であり、政治活動家(1798年 - 1855年)。
[註2]:1956年6月の「ポズナン暴動」をきっかけに、ポーランド国民の民主化要求が高まった。
画像上右:4日間にわたって行われるユベナリアのプログラムが書かれたチラシ。広場で学生達が配っていました。
画像上左:道端で見かけた学生達のパレード(?)。何か叫びながら歩いていたので、最初はストライキか何かかと思いました!
画像中:遠くから広場のお祭り騒ぎが見えました。
画像下左:広場の中はとてもにぎやかでした。サイドが開いたトラックの中で踊っている学生達の姿が見えます。手前にはミイラに変装した学生が立っていました(中央)。
画像下右:アダム・ミツキェヴィチの像と、ポズナン暴動記念碑をバックに踊る学生達。 |