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パラグアイ人は「食」に対しては伝統を重んじ、かなり保守的です。食事の基本は肉とマンジョカと呼ばれる芋が中心で、肉もほとんどが牛肉で鶏肉と豚肉は食べますがどちらかと言いますと脇役です。牛肉を焼いてマンジョカ芋と食べると言うのがよくあるパターンのようです。隣国のアルゼンチン等と同様に肉を動かさず遠火の炭火で塩味だけでじっくりと焼くアサードと呼ばれる料理法が一般的な食べ方で、部位などの名称などもアルゼンチンと共通です。
肉を食べに行くのは「パリジャーダ」と呼ばれるレストランです。食べたい部位を注文しますと炭火を小分けにし、その上に鉄板を乗せ更に肉を乗せて来ます。ただ近年ブラジルの「シュラスコ」と呼ばれる肉を串に刺して回転して焼き、バイキング方式でいただくレストランが増えています。
牛肉の肉質については、以前は非常に硬く、「靴の革」のようと評されていましたが、近年改良が進み最近ではかなり柔らかいものが出て来ています。また最近では和牛と交配した牛が飼われており、日本の和牛肉とほとんど変わらない肉質のものまで売られています。これは「すき焼き」にしていただくと最高です。
肉は部位毎に分けて焼きます。その中で人気があるのが骨付きのあばら肉、コスティージャと呼ばれる部分です。肉に油身が適度に付いていてなかなか味が深く美味しいですね。また、南米ならではのものとしては「クッピン」というものがあります。当地では暑さに強い白い色をした品種が多く飼われていますが、これらの牛には「こぶ」が付いており、このこぶの部分を調理したものです。柔らかく油が細かく肉の繊維の中に入り込んでおり、コンビーフのような味わいです。当地に来ましたら是非試していただきたい珍味です。
焼き方は至ってシンプルで、肉に岩塩を刷り込み、炭火でじっくりと焼きます。時間を掛けて焼くのがコツで、急ぐと表面だけがパサパサになって美味しくありません。お客が来ますと大体どの家庭でもアサードを準備しますが、調理するのはほとんどの場合は男性でパラグアイの男性はアサードが上手に焼けて一人前と看做されます。普通は肉と一緒にソーセージを焼き、最初にこれを細かく刻んでおつまみとしていただきます。また、日本人は一緒におにぎりを用意するのですが、個人的には塩味のアサードと握り飯は絶妙のコンビネーションであると思っています。
大きなパーティーの場合でもアサードを用意するのが一般的です。アスンシオン市の郊外に「セントロ日系」と呼ばれる日系人の大きなクラブがありますが、ここでは年に一回大規模な「アサード昼食会」が開催されます。会員はもとより友人・知人に声を掛けて前日から用意したアサードをいただきます。用意する肉の量は何と700キロという途方も無い量で、大きな肉塊を串に刺して遠火で半日かけて焼きます。来場者は大体千人、焼いた肉を皆でいただきます。来場者に肉を切り分けて配りますが、長い行列が出来、これだけで軽く1時間はかかります。
また、肉を焼いている横では臓物の煮込みが振舞われていました。丁寧に油を取り、気味の悪いような物は入れずに日本人好みに味は薄味の仕上げになっており、癖も無く美味しくいただきました。用意する人達は泊り込み、仕込みは明け方から始めるのだそうです。普通サラダはシンプルなものが多いのですが、セントロ日系では女性会員の担当で豪華版のものが用意されていました。
さて、アサードを食べ終わりお腹が一杯になりますと皆さんはサッカーに興じます。肉を食べてサッカーを楽しむのがパラグアイの人にとって最高の休日のようです。皆さんも美味しいアサードを食べに当地へ来てみませんか?
画像右上・画像左上:セントロ日系の大アサード
画像右中:綺麗なフルーツの飾り付け
画像左中:アサード会・会場の様子
画像右下:パリジャーダ 。焼いた肉とチパ・グアス(先住民の食べ物だったコーンのケーキ)
画像左下:レストランでのアサード
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