■南米の“秋葉原”かつ“香港”、エステ市 2006.7.18 update

第二の都市である「エステ市」はパラグアイの東の端にあり、ブラジルとの国境となっているパラナ川に面して発展しています。ここはイグアスの滝に隣接して、ブラジルとの国境に架る「友情の橋」が完成して以来、この30年位に急速に発展して出来た商業都市で、現在では、パラグアイ第二の都市となっています。

現在でも急激な膨張は続いており、市内には建築中の建物が数多くあります。比較的新しい街ですから、皆さんの持っている地図によってはこの街の名前が無いこともあるでしょう。40年程前に市が創設された時には数戸しか無く、今日の大都市に発展するとは誰も予測出来なかったそうです。

「エステ」と言いますと日本では「エステサロン」を意味しますが、スペイン語では「東」の意味です。この名称は比較的新しく1989年に付けられた名前なのです。それ以前はこの国の独裁的な大統領(ストロエスネル)の名前が付けられていましたが、同年の革命によりこの大統領は国を去り、それを機会にこの街の名称も変更となりました。なお、中国人はこの街を「東方市」と呼んでいます。

この街は、アルゼンチン、ブラジルとの三国国境に位置しており、河を挟んでブラジル・フォス・ド・イグアス市、アルゼンチン・プエルト・イグアス市と向き合っています。この3つの都市は一体となっており、実質的には一つの経済圏となって機能しています。3市を合わせますと50万人以上が住んでいてかなり大きな都市圏を形成しています。最近までは寒村に過ぎなかったのですが、「イタイプ」ダムの完成で一気に人口が増えたのです。世界遺産に指定されているイグアスの滝(ブラジル・アルゼンチン国境)、イタイプ発電所(パラグアイ・ブラジル国境)の2つの世界一を有する世界的な観光地として、一つの地域を形成しています。この中でエステ市は商業都市として発展を遂げております。

ブラジルとアルゼンチンの国境に位置しており国境を活用した取引が盛んになっています。「国境貿易」というと、何か聞こえは良いですが、何やら怪しげな商売人も沢山住んでいるようです。ブラジルから「友好の橋」を越えてパラグアイ側に入ると、すぐに大きな商店街があります。露天商も多く、歩くのも大変な程です。「友好の橋」はいつも混みあって大渋滞になっており、自動車、担ぎ屋さんが沢山往来して混雑しています。徒歩で橋を越える場合にはほとんどノーチェックです。ブラジルやアルゼンチンの人は滝観光と買い物を楽しむのを目的として、この地を訪れるようです。

エステ市内で商売をしているのは主にアラブ人、中国人、韓国人、ブラジル人、アルゼンチン人等の外国人です。パラグアイは言わば場所貸しといった感じですね。店の看板を見ているとポルトガル語、中国語やハングル文字が沢山あり、世界各地の言葉が飛び交い、一体ここはどこなのだろう?と考えてしまいます。商品の値段は米ドルで表示されており、ブラジル、アルゼンチンのお金も通用します。ドルで支払いをしてもお釣りがブラジルの通貨で返されるような事もよくあります。

ブラジルとパラグアイを繋ぐ「友情の橋」は片側一車線の狭い橋で今から20年以上も前に架けられたもので、完全に飽和状態となっているので、「第二架橋」の計画があるのですが、政治家達の思惑や利権が絡み、なかなか話が進みません。 世界各地から富を求め、一攫千金を夢見て人々が集まり、「南米の香港」とも言われているこのエステ市、世界の文化が交差するこの街は必見です。

実際、中国人が集まる食堂等は香港の町角の食堂そのものです。またブランド品が安く買える魅力もあります。品揃えはたいしたものです。数年前までは雑貨を取り扱う店が多かったのですが、電化製品、更にはコンピュータ関係を扱う店が急激に増加しており、さながら南米の「秋葉原」状態になっています。

また、「露天商」 が売っている商品には偽者、コピー商品、海賊版が多いようで、さながら偽者見本市のようです。確かに安いのですが、商品はかなり怪しいのが多いのも事実です。当局も取締りを行なっているのですが後手に回り余り成果は出ていないようです。

ブラジルのイグアスの滝を訪問する機会がありましたら、是非とも足を延ばして国境を越えていただき、この不思議な都市に探検旅行に来ていただきたいものですね。

画像右上:商業都市として発展を遂げているエステ市。道路の整備もかなり進み、きれいになっています。
画像左上:「友好の橋」を越えてパラグアイ側に入ると、すぐに大きな商店街があります。道路の両側には数多くの商店が並びます。
画像右中:露天商も多く、歩くのも大変。
画像左下:建物の中。数年前までは雑貨店が多かったが、今は電化製品を扱う店などが増加しています。
画像右下:“南米の秋葉原”と言われるエステ市。情報機器が集まっているのが「来来」です。中央は吹き抜けになっており、小さな店がびっしりと入っています。


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