■ルーマニア広告事情:進歩してきて、して欲しくない!? 2006.12.5 update

今年も残すところあと1ヶ月を切りました。来年からのEU加盟を控え色々な分野でルーマニアも西欧諸国に合わせようと日々進歩しています。いや、EU加盟に関わらずチャウセスク政権が崩壊した89年から毎年変わりつつあるルーマニア。その背景にはお金を出せば欲しいものが揃う店舗が増えたとか、銀行ATMが使えるようになったとか、インフラが少しずつ整備され始めてきた、など西欧諸国や日本では当たり前のことも多い、いまだ未開拓な部分が多いこともあります。

そんな中、今年見られた進歩のひとつとして私は広告分野をあげたいと思います。もちろんルーマニアにも以前から広告はあります。ただ今年になり街を走るバスや路面電車、さらには国鉄電車車両の車体に広告が目立つようになりました。また地下鉄の改札口にも広告が張られるようになり、地下鉄車両内にも初めて広告が出てきました。この車両内の広告で驚いたのは、1列車に対して1社が広告を占めているところ。広告主は外資系食品会社や電話会社、そして私立大学などルーマニア社会の中で潤っていそうな団体ばかり。広告料にいくらかかるのか尋ねたところ正確には分からなかったのですが、広告を扱う際の額はルーマニア水準では考えにくい額であるということ、そして色々公でないお金が動くようだ、、、とごにょごにょ説明されました。

街の中の広告ではバス停留所のポスター、道路脇・駅入り口にある広告掲示板、やはり外資系企業が力を入れています。しかしその中でタバコの広告が多いのは人々の意識が低く進歩がないのか、と。いまどきタバコのオブジェを堂々と掲げるとは禁煙・分煙が法律で規制されているところが多いヨーロッパにおいて遅れているというしかありません。この秋。首都ブカレストではF1カーの市内走行イベントがありました。たった2kmという短いコースを宣伝のために実行ものでしたが、F1のような広告やスポンサーが多く関わる業界がルーマニアにも進出してきているのも最近の兆候、特にF1ではタバコ会社のスポンサーも多いため、タバコ規制の少ない国へのアプローチが今後積極的になるらしいという噂もあります。このあたりは今後EU加盟に関して変わってくるかもしれません。

テレビのCM広告に関しては、外資系製品のCMはヨーロッパ各地で同じものを使用することがよくあります。明らかにルーマニアの平均的生活水準とは異なる生活シーンが展開されていているCMはおかしいと感じるのですが、外国製品を抵抗なくどちらかというと憧れをもって取り入れるルーマニア人にとってアピール力はあるようです。もちろんルーマニアで作られるCMもあり、それはイタリアのCMの傾向にとても近くラブシーンを自然に使います。アジア人がエキストラで出てくるCMでは首都在住の日本人に声がかかることや、また人件費の節約のためヨーロッパ各国に流されるCMが実はルーマニアで撮られることもあるなど、CMも昔と比べ随分変わりました。 

  「広告がありすぎる風景」に見慣れている日本人には、広告が増えてきたルーマニアといってもシンプルに見えます。EU加盟後はますます外国製品が市場に溢れ広告も更に増えるでしょう。広告によってルーマニアの消費社会が活性化されることは嬉しいことです。しかしどこへ行っても景観を損なう広告、じっくり考える一瞬さえもさえぎるような広告の多い日本を思うと、そうなって欲しくない、進歩しすぎないで欲しい、とも思う最近のルーマニア広告事情でした。


画像右上:首都大通りの交差点に立つデパートは、広告ポスターが以前から目立つ
画像左上:コカコーラの瓶(ビルの屋上)と、注がれるコーラが登場した首都の交差点
画像右下地下鉄車両内広告が始まった頃。ポスターが1枚ずつ間隔を空けて貼られていた
画像左下:ビルの上に立つタバコのオブジェ広告。ルーマニアの喫煙率は女性や若者を含め高い


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