■占い・迷信も農業国らしく! 2006.11.7 update

ワイン作りで忙しい秋の時期によく聞くのが、「ワインは果汁100%ジュースだから子どもの成長に大事な飲み物!」ということ。少量のワインは健康にも良いでしょうが、「成長に必要」とは単なる子ども達の飲酒の容認かなと、クリスマスやイースターなどイベントの席でいつワインを飲んでいる子ども達を思い出しました(笑)

お酒が人々の生活に欠かせない文化のためか、お酒容認は思想作りというべきか? 「ビールが一番健康に良い飲み物」とはルーマニア有名大学農学部教授の教え。もちろんビールの美味しさの決め手である水がクロール(Cl)を含まず臭わない山の水であるべき、という補足付きですが、「本当に綺麗な水で作るビールは“水よりも”健康にいい」と言うのです。また60度以上ある場合もある蒸留酒ツイカが風邪に一番というのは処方箋よりも信じられる常識! 口内炎にもツイカでのうがい処方が利くらしいのです。

このようにルーマニアには信憑性は謎の習慣や迷信、占いのようなモノ判断がたくさんあります。そしてそれらは農業国らしく食べ物や自然に関わるものが多いよう、今日はそんなルーマニアの占いや迷信事情をご紹介します。

ワイン作りの話に戻りますと「自家製のワインの発酵時期を予想できた年は家族が増える」とか。身内の結婚や出産などおめでたいことが重なるそうです。ブドウ自体が運を呼ぶもので大晦日にブドウを10個食べながら願いごとを唱えると叶うとも言われています。

雨の降る時期は玉ねぎで占います。こちらも大晦日の夜の行事で、玉ねぎの皮をむき一番外側の白い部分を12個(12ヵ月分)用意し塩を1つまみずつ乗せ、大晦日の晩に置いておいて新年の翌朝、どの玉ねぎに一番水が多く溜まっているかで、雨が一番多く降る月を予想するのです。ここ数年夏季の洪水が深刻だったのですが、友人はこの占いの通りだと言います。

冬の長さはクリスマス前に絞められる豚から予測します。クリスマスのご馳走になるソーセージ作り用の豚の腸。その腸が長ければ冬が長い、太ければ冬は厳しい。ソーセージをヒタヒタの油で揚げるよう調理するのですが、破裂してしまうと悪いことが起きるので、美しい食卓のためだけでなく穏やかな冬のために、各家庭のママは慎重にソーセージを調理するとか。習慣になっている行事や作業の裏には何かしら意味や言い伝えがある、と感じる一面です。

クルミのちょうど熟れ頃には、実と皮の部分の色の差がはっきりして十字架に見えるのですが、その頃のクルミを食べると天罰があるといいます。クルミの木がルーマニアに多くあり食文化に欠かせないということプラス、教会の前を通るだけで十字をきる人が多いルーマニアですから、十字架に対して敬意からでしょう。有名な教会や修道院ではその聖人の名をつけられたワインが作られるのですが、それを頂けるとその年はいつになく穏やかだとか。そういって神父さんもワイン作りを奨励しているのね、と微笑みたくなります。

それぞれ文化色が出ていると思うのですが、最後に私がいまだ納得できないのが、「隙間風」の迷信です。風が通り抜けること、風に当たることが身体だけでなく頭や精神にも害だと考えられており、夏でも子どもにしっかり耳まで覆う帽子をかぶらせたり、綿を耳に詰め風を身体に入れまいと必死な人達。暑い夏で蒸し風呂状態、喚起が必要な冬のもわ〜っとした部屋で、我慢できずとも頑として譲らないルーマニア人を見ていていつも疑問に思う私なのです。


画像右上:ワインになりきる前の発酵段階は、確かにブドウジュースのようで子どもも大好きなようだが、やっぱりお酒には変わりない!
画像左上:「雨の日」関連では、雨の日に結婚式を挙げたカップルは子だくさんといわれている。
画像右下:豚の腸で冬の長さ・厳しさ占い。クリスマスに豚を締める習慣のため豚の超え具合を今頃報告しあうことは田舎の日課。
画像左下:夏でも耳までしっかり覆った帽子をかぶり「風」をふせぐ。汗で蒸れないかと逆に心配だが・・・。


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