■秋の味覚・フルーツを楽しむ 2006.10.3 update

野菜が一番美味しかった夏が終わりました。真っ赤に熟したトマト、ハムやサラミと一緒に食べるとどれだけ美味しいか教えてあげたいほどの黄緑ピーマン、芯まで甘いキャベツ、そして風味が増したナス。どれをとっても「自然の最高の味」を味わえ、その味を最大限に活かした料理が食卓に並んでいた夏は、短いながらまた美食の季節である秋へとバトンタッチ。「収穫の秋」である秋には穀物はもちろんですが、今度はフルーツの美味しさがたまらない時期になります。

この時期の田舎の畑を歩いてみると、熟したメロンがゴロゴロ転がっています。メロンの横を元気に走り回る鶏やダチョウ(!)もいて、メロンはなんだか楽しそう! そんな楽しさが伝わるようなじわっとした甘みを畑でかぶりつく時は最高です。

もちろんぶどうは今が旬です! ワインにするのはもちろんですが、ワイン前の発酵酒もまたお馴染み、さらにぶどうの実をピクルスにします。このぶどうのピクルスはルーマニアの冬、クリスマスのご馳走と共によくサーブされるものです。もともと肉料理が多く、また脂分も多いお祝い料理の中で、まさに「甘酸っぱい」このぶどうのピクルスは本当に美味しいものです。

さて「そのものの味を最大限に活かす」というのはフルーツでも同じ。あるお家で頂いた秋のドルチェ(お菓子)をご紹介しましょう。作り方はいたって簡単です。今が一番美味しいプルーンをそのまま小麦粉ベースの生地(パン風でもパイ系でも可能)に包みオーブンで焼くだけ! 熟したプルーンが熱々になりとろりと溶け出てきてまさに秋の味覚です。こんな風に飾らず気軽に、素材の味を丸ごとそのまま使うスタイルは、ルーマニア人の自然体の生活スタイルそのままだなぁと思ったりします。

フルーツではありませんが、秋には市場に色々な形や色の種類が並んで楽しいカボチャ、ペーストにしてパイやパンの中身したものもルーマニアの家庭でよく頂きます。それから春から夏に真っ赤な大地で感激したケシの花、その実をぎっしり乗せたスポンジケーキもこの頃よくサーブされます。栗ももちろんありますよ。栗のピューレをかけるデザートがレストランで出てきます。

  またクルミの木がとにかく多く、その活用法が多いルーマニア。夏の若いクルミは白くて柔らかく、その時期のクルミを甘く煮付けてジャムのようにしたものはルーマニアや東欧でよく見られます。そのクルミも秋になり実がしっかりしてきて香ばしさを感じる時期、ワイン片手におつまみとして食べるのが一番合います。とにかくクルミの収穫の時期なので、ルーマニア人の家庭の台所や部屋の隅にびっくりするほど大量のクルミが広げられている光景をよく見ます。乾燥させて保存しておき、冬の間ケーキやお菓子に使ったりもするそうです。

  ルーマニアに来て何が一番良かった?と聞かれると、私は迷わず「食の充実」と答えます。それは私が食いしん坊だからではなく(笑)、きっと多くの人がそう答えると思います。ルーマニアはまだ発展途上の国。整備されていない分野を挙げるときりがなくイライラするのは日常茶飯事、長い共産主義の時代から資本主義への切り替えにうまく乗れず、貧困に苦しみ心まで貧しくなってしまった人も多くいます。人の気質が温かいラテンの国と言われますが、一方でまだ外国人(特にアジア人)に慣れていない人が多いために、人種差別的な言動にもよく直面します。

そんな現状でも「食」の話題になれば人々は笑顔を見せ、そして自国の食の豊かさに自信を持ち、周りにいる人達を幸せな気持ちにさせてくれる、ルーマニアの食生活にはそんなパワーがあると思うのです。そんなことを感じつつ、今日も秋の味覚を求めに市場へ向かいます!

画像右上:もうすぐワインになるぶどう。ピクルスにするのも熟れた秋のぶどうが一番!
画像左上:『秋のプルーン丸ごと焼き菓子』。今回作ってくれたのは、なんとルーマニアのパパ
画像右中:熟したプルーンをそのまま包むだけ
画像左下:こんがり焼き色の焼きたてからはすでに甘い香りが・・
画像右下:中からとろ〜りと溶け出すプルーン。


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