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ルーマニアの生活に花は欠かせません。道は凸凹でも花壇や車道の中央分離帯内の植物の手入れは欠かさない町役場、大きな都市には必ず市の庭園があり、街のどこよりも管理が行き届いているのを見ると、ルーマニアらしいなと思います。でもなぜルーマニア人は花が好きなのでしょう。冬が厳しくグレーと雪に埋もれるルーマニアだからこそ、春から秋に強い太陽の日差しと共に明るい毎日を彩ってくれる花は人々を幸せな気分にしてくれるからでしょうか。
自然が雄大なルーマニアで山や高原地方の特殊な花を観察することを楽しみとする人もたくさんいます。また特別な機会には花を贈りあうという習慣も欠かせません。春の到来を祝う3月1日のマルティショールの祭り、そして同じく3月にルーマニアで母の日を兼ねている女性の日、春と言えでもまだ寒い3月には花の値段は本当に高いのですが、街には花束を抱える人で溢れます。
でも普段の生活の中でも花はとても身近です。ちょっとしたお礼に花を、花束でなくても花1輪でも華やかな気分になれる、そんなことをルーマニアの花を贈りあう習慣で思いました。オペラやコンサートにてたくさんの観客が花を1輪ずつ役者全員に配る光景がよく見られます。これなら花束をもらえなくて寂しい思いをする役者さんも減りますね(笑)。また首都内街には24時間営業(Non Stop)の花スタンドもありますから、夜中に急に花が贈りたくなった!というシーンもこの国にはたくさんあるのかもしれません。
自慢の花を披露してくれる家庭もいっぱいです。庭のある家庭はもちろん各季節庭の手入れには余念がありません。アパート暮らしでバルコニーしかなくても、狭いバルコニーいっぱいにプランターが並んでいる家ばかりです。プランターといってもヨーグルトやクリームの空きカップだったり(笑)。エコでいいじゃないですか! 肥料と土は田舎から直送、新しい花を育て始めたのよ、なんてヨーグルトカッププランターで苗のおすそ分けを頂いたことは何度もあります。
ルーマニア人の花好きはその文化にも関係しているのかもしれません。ルーマニアのイースター(東欧正教会)の1週間前には「花祭りの日」があります。これは花の名前を由来に名前を持つ人たちをお祝いしよう、というもの。ルーマニア人の名前の多くは聖人の名前からつける場合が多いのですが、その次の多いのが花の名前からなのです。例えば、男の子ならば Florin(フロリン)-まさに花ということー、スミレから、Viore (ヴィオーレ )、女の子の名前はもっとあり、同じくスミレから、Viorica (ヴィオリカ)、ユリから Liliana (リリア)、Lăcrămioara (ラクラミオアーラ) 、マーガレットから Margareta (マルガリータ)など。「生涯花と共に過ごす」とはこういうことでしょうか。
食文化にも花は大切な役割を果たしています。風邪を引いたらまずお茶を、というように薬よりも自然のお茶の効用を信じるルーマニア人が多いことは、市場に行くと数え切れられないほどの花(や葉っぱ)のお茶が売られていることころからも分かります。有機野菜と同じく、有機の花からのお茶をちょっと試してみるのは楽しいかもしれません。また春から初夏の時期には花をお菓子にして食べたり、ジュースにして飲んだりする伝統も残っています。花のお菓子でシンプルかつ感激したのはアカシア(Salcăm)のクレープ。花をそのままクレープ生地に漬けて焼くだけ。自然の甘みとはまさにこういうことなのです。またニワトコ(Soc)ジュースも名前は聞いていても作って飲んでみたのは初めて。爽やかさが伝わってくる透明感いっぱいのジュースで、洋ナシジュースを薄くして少し酸味をきかせたような味です。
花は世界のどこにでもあり、そして世界の誰もが花を愛する、それが花の魅力だと私は思うのですが、ルーマニアもその例外ではない、そして花を愛する心が色々なところから感じられる、花が咲き誇る今の季節特に思うことです。
画像右上:家庭のバルコニーには花がいっぱい
画像左上:道路沿い、中央車線(?)部分にも花のアレンジは多い
画像右中:バラにはルーマニア独特の種類もある。
画像左下:夏から秋はヒマワリの季節。道端で花束を売る人も良く見かける。
画像右下:花は食生活にも欠かせず、多くの花がお茶として市場に出回る
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