■水事情・なかなか出ず、なかなか止まらず 2006.8.1 update

毎日が40℃近くにもなる暑い夏。そんな夏の7―8月にかけて水道管修理で1週間お湯が出ないという話を聞きます。田舎の地方ではなく首都での話です。体験した人(外国人)の話を聞くとあり得ない!と憤慨。幸い私は今までその機会に遭遇したことがありませんが、こうした話を聞くと私もその苦労が分からないでもありません。今まで色々な国に住んできて なぜかどこでも引越しがとても多いのですが、ルーマニアで“お湯が出ない!”理由で引越しをしたことがあるからです(笑)。笑い事ではありませんでした。

ルーマニアにはブロックと呼ばれる大きなマンションのような住宅がたくさんあります。その多くは70〜80年代、共産党時代に一般市民向けに建てられたものです。「最もシンプルに最も経済的に」とその当時建設されたブロックはなんの飾り気もない、必要最低限の機能を備えたのみのもの。外国人向けに現在賃貸されているものは内装が改装されていることが多いですが、それでも水道管やブロック全体の内部の機能は古いままです。

ブロック全体のボイラーから各部屋にお湯が回るまでに時間がかかるだとか、周りの家がお湯を使っていないと時間がかかるだとか、、いろんな説があります。ともかく蛇口をひねって最後にお湯が出てくれば良いほう、出るまでにも平均10〜20分は水を出しっぱなしにしていなければならず、待ちきれずお湯を沸かして浴槽に張った経験をしました。真冬だったので水道管が凍っていたのかもしれません。部屋にボイラーをつけることはしてもらえないようで結局引っ越すことにしたのです。

それからは住宅を見る際ボイラーは必須ですし、また共産時代以後の近代的な設備が気になります。最もルーマニアもヨーロッパ、古い建物の方が価値はあり、首都内に見られる旧邸宅などはルーマニアでも信じられないくらい高値で売買・賃貸されています。

さて水道の話に戻りますが、古い設備の水道管、なかなか出ないだけでなく、「なかなか止まらない」こともあるようです。蛇口を閉めても ぽと・・ぽと・・・と垂れるのではなく細くずっと水が出ている水道を見ます。ある家の台所では、水道蛇口を閉めるのではなくいつも水道の元栓の開け締めで水道を利用していました。そうすると蛇口の機能が益々衰えてしまうのでますます水が止まらない、そういう時はぽとぽと水が落ちる蛇口下に洗面器を置いておいて、その水はお掃除用バケツへ、洗濯水へと工夫しているようです。修理しないのか?と尋ねると経済的に出来ないと切ない答えが返ってくることも・・

いやはや、「なかなか出ずなかなか止まらない」ルーマニア旧式ブロック水道事情。ルーマニアで多くの人達はこのようなブロックに住んでいるので同じような経験をしているのでしょうか。

首都内は最近建築ラッシュで現代的な機能(日本でいう一般的な)を備えた住宅と旧式の住宅の違いをどうしても比較してしまいます。しかし旧式の住宅しかない地域では使いにくさは当たり前です。また少し郊外の田舎へ行けば今でも井戸利用の村がたくさんあります。その数は日本の田舎とは比較にならないと思います。お湯は大きな鉄の洗面器を薪のコンロの上に置き沸かした分のみ、そんな生活をしている村が首都からも車で30分もするとあるのです。

チャウセスクの共産主義の時代には水を使える時間は限られていたり、お湯に関しては週に2回、たったの2時間のみという生活だったそうです。それを考えると「止まらなくても水が出る、待てばお湯が出る」というのは苦にならないのかもしれません。蛇口をひねればお湯が出る生活、水を思うだけ使えるというのは日本人にとっては当たり前かもしれません。でもルーマニアの不便な水生活を見ると、世界の観光地でも「特に水消費量が多い日本人」とクレームがあるのを素直に反省したい気持ちになります。

画像右上:集合住宅・ハンガリー系統の街の住宅で外観も手入れされ綺麗な方
画像左上:ベスト・シンプルの集合住宅
画像右下:一般住宅でシステムキッチンのある家は少ない
画像左下:去年新築改装された首都近郊都市ホテル内バスルーム。一応市内で一番のホテルだが、日本や西欧で言えば一般住宅のバスルームかと


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