■眠れない結婚式で花嫁誘拐! 2006.7.3 update

6月は万国共通の結婚式シーズン。ルーマニアもその例にもれずこの6月を中心に秋まで結婚式のオンパレードです。なぜオンパレードと分かるかというと、風船や花をつけた結婚式恒例の車の列がクラクションを鳴らしながら走ってゆくからです。

ルーマニアの結婚式の行事は2つに分けられます。1つは教会での式、そして2つめは宴会。それぞれ意味合いも雰囲気が全く違うものです。

まず教会での式。信仰深いルーマニア人にとって「神の前」以外では結婚は成り立たないのです。神の前で結婚誓いは他の国でも見られますが、ルーマニアの「神の前」は重みが違う、式のすべての行事は「神」と共に行なわれるもの、「夫婦の絆」というより「神との絆」 なのです。例えば式の中心は新郎新婦よりも祭司さま。長い祭司さまのお話と聖書の朗読・歌が続き、神聖な煙を持ちながら新郎新婦の周りを清める、指輪もルーマニアの宗教・東方正教会のシンボルでもあるイコンの上で神の言葉を唱え祭司が新郎新婦につける、またイコンに触れたパンを新郎新婦に食べさせたりと、非常に宗教色の濃い厳格なものです。

しかし次の宴会。教会での式とはうってかわり、それはもう楽しむ、「歓喜の祝宴」という言葉がふさわしいとはまさにこのことです。宴会メニューはルーマニア伝統料理が含まれることが多く、前菜ではチーズやサラミ、お肉料理、お魚料理、チーズ料理、新郎・新婦が選んだメニューが次から次へと出されます。もちろんお酒はルーマニアの強いプラム酒の「ツイカ」から始まり、家族が作ったワインやお客さんもそれぞれ自慢のお酒を持ち込んだりと、もう飲んで飲んで飲みまくる! 夜もしくは夜中から始まった宴会で延々と飲み食べ続けるのですが、さらにルーマニア流、延々と踊り続けるのです。1品終わると踊る、1杯飲むと踊る・・・とても消化に悪そうですがこうして老若男女問わず楽しむのがルーマニアの結婚式なのです。

日本人と結婚したルーマニア人の家族で日本の披露宴に出席した人が言っていました。日本の披露宴はまるで「劇」のようだと。ルーマニア人にとって教会式のあとの宴会はもう食べて踊って、騒いでと成り行きで楽しむもの。それに比べ日本の披露宴は、親や友達の挨拶、お色直し、キャンドルサービス、順序が決まり時間通りに進んでいる、びっくりしたようです。

でも成り行きで進行するルーマニアの宴会でもよく行われるイベント・習慣はあります。例えば「花嫁誘拐事件!」。新郎の友人達が花嫁を誘拐してしまうのです。宴会も架橋に入った頃にそのことが発覚し(行われ・笑)ます。慌てる新郎に友人達は「身代金(品)」を要求、だいたいウィスキーやシャンパン、ワインといったお酒が多く、そのお酒も当然続く宴会で飲まれるわけですが、そうしたアルコールと取引でようやく連れ戻された花嫁。2人は再び愛を誓うというわけです。

こうした結婚式の習慣は地域や家族により色々あるようです。先日道でちょうど式に向かう花嫁さんたちに遭遇しました。ルーマニアではお客を迎える時の伝統的な歓迎方法はパンとツイカ(お酒)を振舞いますが、同じように結婚でも教会の式でパンを新郎新婦が食べたようにパンを使った儀式をすることが多いそうです。ここでは花嫁が家を出る際にパンを一口かじり、そのパンを親族・ゲストが分け合っていました。その後は道の真ん中で踊る踊る・・教会での式以外はとにかく食べて踊ってというのが基本みたい・笑

結婚シーズン中のレストランや道での踊りの音楽、クラクションに近所迷惑なんて言う人はいません。うるさくて眠れない週末の季節はこれからが本番です・・

画像右上:伝統衣装を着た演奏グループを呼んで教会前にて
画像左上:「嫁いでいく花嫁」を見送るため、花嫁の家の前に皆集まる
画像右中:偶然遭遇した面白い習慣、家を出る前にパンを食べる花嫁
画像左下:そのパンの残りをゲストへ、通りがかりの私にも! 一切れでは判読できないが、パンには何て書いてあったんだろう?
画像右下:道の真ん中で踊りだす新郎新婦とゲストたち。ルーマニアの結婚式はとにかく踊る!


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