|
ルーマニアの短い春から長い夏で毎日楽しいのが市場! 日に日に店頭に並ぶ色が増え鮮やかになるのを見ているだけでも楽しい、季節のものが出たと思ったらあっという間になくなるその展開の早さも楽しい、地元人の暮らしや食生活を見て楽しい、とにかく賑やかな活気で元気になれるのが市場です。
市場での買い物の基本はキロ単位。軽装で、そしてスリに気をつけて(!)どっさり買い物をしていくのがルーマニア流。西欧市場で定番のお野菜ごとに紙袋に入れてくれるということはないので、自分のビニール袋を持参、その袋を差し出して買ったものを入れてもらいます。みんな行き着けのスタンドがあって、スタンドのオーナーとおしゃべりをしながら値切ったり、おまけしてもらったりは他の国と変わりません。
ルーマニアの市場はまさに自然のサイクルそのまま。だから市場中のスタンドが苺だらけ、キャベツだらけ、スイカだらけ、という光景はお馴染みです。こんなに誰が消費するの?と思う量ですが、フルーツはジャムやシロップ煮、そして強い食膳酒に。野菜はスイカの皮の部分も含めてピクルスにするなど、ルーマニアでは何も無駄にしません。日本では野菜を作りすぎて潰すことがあると話したらびっくりされてしまいました。もちろん最近は輸入製品も入ってきているので以前のように冬はジャガイモと玉ねぎしかないということはありませんが、それでも「旬の味」が楽しめる、すべてのモノの「旬の季節」にしか味わえない美味しさがどれだけ貴重か、ルーマニアの野菜から学びました。
そんな野菜の美味しさはルーマニア人の誇り、「ルーマニアの野菜は世界一!」と彼らは自信を持っていいます。でもなぜルーマニアの野菜は美味しいのでしょうか。
まずは化学薬品を使わない、有機栽培をしているからです。日本だと有機野菜は高いですが、ルーマニアの市場のほぼ全てが有機野菜、だからお値段はお安いです。田舎では動物と一緒の暮らしは必須だから肥料で一番良いといわれている動物の糞だってもちろん自家製(笑)
そして有機野菜の質に一番影響を与える土壌の質。自然の雄大さが最大の魅力で、山・丘・野原・川、全て揃い、太陽の光りが強いルーマニアで良い土が育たないわけがありません。ルーマニアの土壌はロシア語で「黒色土」という意味のチェルノーゼム、肥沃な黒土地帯が広がります。この土壌は小麦を始めとする穀物や、ルーマニアの主食代わりであるママリガの素であるトウモロコシ、そしてワインのためのブドウなど、多くの農作物に理想的なのです。
それからルーマニア人が「最大の秘密!」と笑って言う、まるで何百年前のような機械に頼らない人の手と動物と一緒の農作業の在り方。これだけ広い農地を人の手で耕すのは不可能でしょう?とよく思います。でも生産量を気にしすぎずのんびりゆったり農業を営む人たちを見て、こういうゆとりが野菜にもゆとりを与えて美味しく育つのかな、と思わなくもありません。
さてこんな風に市場に出てくる美味しい野菜たち、今一番懸念されているのがEU加盟により品種が管理・統一化されルーマニアならではの美味しい野菜が減るということです。自己流で見かけは悪くてもとびっきり美味しい野菜を作る田舎の生産者達はもちろん、ルーマニアならの品種、例えば「牛の心臓(inima de bou)」という品種の大きなトマト、これもEUに入ったら市場には出てこないそうです。そんな真の野菜の美味しさがなくならないよう、私もなんとかしたいと思うくらい美味しい野菜たち。ルーマニアへ来たら是非市場へ、野菜不足になりがちな旅で「旬」のビタミンを補給していって下さい!
画像右上:他の国の市場では崩れやすい苺はパックに小分けにされているが、ルーマニアではそのまま!
画像左上:今の時期が旬の赤カブ大根。8~10個ずつの束で、小さい実の束は5レイ(約20円)、大きい実の束10レイ(約40円)
画像右中:広大な農地を耕す人たち。一面に広がるトウモロコシ畑や小麦畑は人の手で管理できるのか、自然が管理しているのか・・
画像左下:見るからに栄養たっぷりのルーマニアの野菜たち。おやつに野菜はここでは常識。
画像右下:色取り取りの花も市場の主役
|