■教育事情(2) 大学受験とその後 2008.2.5 update

先月休載していたため、新年のご挨拶が遅れてしまいました。昨年もルーマニアにご興味を持ってくださった方々、個人的にお便りを下さった方々、大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。皆さんにとっても2008年が輝かしい、ルーマニアで出会うようなたくさんの笑顔にあふれた1年となりますように!

さて、日本は受験のシーズン真っ最中ですね。センター試験も終わったとかで、これからいよいよ戦いの本番。日本の大学は「卒業するよりも、入学が難しい」というヨーロッパではなかなか考えられない制度、そして少子化・全員入学時代といえども、やはり人気のある大学では「重箱の隅をつつくような入試問題」で振るい分けられるため、塾競争もまた一段とエスカレートしているとか。

今回はルーマニアの教育事情続編として、高校から大学受験事情、そして大学、その後の就職事情をご紹介します。

のびのび、しかし、しっかり教育が受けられるルーマニアの小学校・中学校ですが、その後の高校ではある程度専門が決められ厳しくなっていきます。特に美術や音楽など芸術系、科学やITなど技術系が強い高校など、地域により異なりますがその質は高く、高校生になると皆「勉強が忙しい」が口癖になることも。というのもその後大学へ進学する時には、専門プラス、全国共通の一斉試験(Bacalaureat)があるからです。

秋の卒業の前、6〜7月に行われるこちらの試験では、5つか6つの試験を受けるというもの。科目は(1)ルーマニア語(筆記)、(2)ルーマニア語(口頭試験)、(3)数学、(4)ルーマニアの歴史、そして(5)〜(6)高校での専門、が基本的、哲学や地理が出てくることもあるそうです。この試験の結果で大学進学ができるかできないか決まります。センター試験のようですね。評価は10段階制で、全ての教科で5以上の評価、平均が6以上必要で、その後大学によっては更に試験があります。

ちなみにこちらの試験に通らないと大学進学はできないため、万が一合格ラインに達しなかった場合、高校卒業後に高校後教育(post Liceala)という名目で専門学校のようなところで勉強をし、再度試験を受け志望校を目指すそうです。日本の予備校のようですが、大学には行きたくないけれど勉強を続けたい人の学びの場ともなっているそうです。そんなわけでともかく大学へ入る前にハードな勉強が必要なことは日本と同じで、塾ではありませんが、家庭教師をつけて夜遅くまで勉強をしている高校生がたくさんいます。

ただ日本と違うのは、大学に入った後も卒業するのは難しいことです。ルーマニアの大学カリキュラムはEUに加盟したため現在3年間、その後、マスター(修士)が2年、博士課程へと進む学生も多くいますが、必修科目を落とすと進級ができなかったり、卒業試験で苦労をする話は本当に多いです。しかしそれは「正式な」ルートで、なかには教授や大学に賄賂を渡すような形で免除を試みる人もいる、ということは大きな声ではいえませんが、筆者も実例を耳にしたことのある事実です…。

またいずれの方法かで卒業したとしても、その後の就職難もルーマニアの問題です。良い就職先を見つけるのに必要なものは学位よりも、コネとお金、という話を聞くと辛いです。また学生が満足できるだけの環境があまり多くない就職事情に関してはこれからのルーマニアの発展に期待することですが、本当はそのために必要な優秀な学生たちを各国の外資系企業が家付き、車付きで連れていってしまうというのは悲しい現実です。

なんだか悪いイメージになってしまったかもしれませんが、もちろんそれはあくまで一例! ルーマニアの未来のために、ルーマニアをより良くしていこう!と学生時代から起業をする人たち、経済界で注目されている若手実業家もたくさんいます。ルーマニアがそんな若者たちに支えられ、年々活発に、明るくなってくるのを見るのはとても嬉しいこと、私もそんな彼らに協力をしていこうと思っています。いつかそんな若者たちの取材もしたいと思いますので、ご興味ある分野・こんな人の声を聞いてみたい、などありましたら是非お便りお待ちしておりますね!

画像上:北の街・ヤシの大学はITに強い。大学校舎は昔格式のある病院だった。
画像中:高校生・大学生共に、授業、授業外の課外教育などに熱心。
画像下:大学卒業式の様子


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