■自然のお茶であたたまる 2007.12.4 update

年々暖冬になっているといわれていたルーマニアですが、今年は10月に初雪が降った地域もあり、朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。そんな寒い冬に暖まる飲み物と言えば、まずは果物からの強い蒸留酒・ツイカ、そしてペッパーを隠し味に使ったホットワイン、どちらも心の底からぽかぽかになります。温まるため、という口実でますます「飲ん兵衛」になるルーマニア人たちですが、いつもアルコールばかり飲んでいるわけではありません(笑)

冬に欠かせないもうひとつの飲み物は「お茶(Ciai:チャイ)」。ルーマニア人はコーヒー派かお茶派か、と言われると悩みます。食後にはコーヒーを飲む人が多いですし、職場や訪問先でも出されるのはコーヒー(もしくはお酒)です。ただ寒い日の朝ごはん、どんな田舎のおばあちゃんたちの台所にも必ずあるもの、そして風邪をひきそうになったり体調が悪いと勧められるのはお茶。ルーマニア人の日常の生活により根付いているのはお茶のような気がします。どんなお茶が飲まれているかというと…

市販でメジャーなのはフルーツティーです。「森のフルーツ」であるベリー系のフレーバーティーがスーパーではずらり。乾燥させたフルーツがそのまま入ったパックはかわいらしくお土産にも喜ばれました。リプトンの緑茶がヨーロッパで大ブームになったのは知られるところで、そんな緑茶ブームはルーマニアでも健在、ルーマニア航空の機内食で「お茶」と言うと緑茶が出てきたのには驚きました。ただ緑茶なのに「レモンフレーバー」や「森のフルーツ風味」と書かれた謎の商品もあり、さらにルーマニア人は緑茶にも砂糖を入れるようで、どのくらい緑茶の飲み方が浸透しているかは疑問です。

と、ここまでは他の国のお茶文化と変わらないよう、やはりルーマニアらしいお茶と言えば「自然のお茶」でしょう! 市場で見かける花や葉っぱの山、実はお茶用なのです。何も説明書きがないことが多くお店のおばちゃんに尋ねながら欲しいだけ袋に詰めて買うシステムが主です。

いくつかご紹介しますと、まずはニワトコ(soc)のお茶。ルーマニアではニワトコをジュースにして飲むシーズンがあります。うす〜い味の洋梨ジュースのような味がしましたが、お茶にしてもやはり同じ。伝統料理サルマーレにも使われる菩提樹(Tei)の葉もお茶として知られており、気分を落ち着かせたりリラックスの効果があるそうです。

日本でもおなじみカモミール(Musetel)も自然の花から、そのほか肝臓や女性機能にも良いといわれている黄色い花(Garbenele)も。特に名前は知られていなくても昔からの知恵なのか、習慣なのか、ほんとうにたくさんの自然のお茶があるのです。コーヒーにはたっぷり砂糖派の人も、お茶にはハチミツ使用が定番、菩提樹やアカシアのハチミツなどその種類も豊富です。

より薬用な使い方がされているのはトウモロコシのお茶です。秋に茹でトウモロコシを販売している屋台でトウモロコシを漬け込んでいる赤茶色の液体を見かけるのですが、これと同じでトウモロコシの頭についている毛を煮出したもの。頭痛や関節の痛みにきくそうで、やはりハチミツやレモンを入れれば飲みやすく、田舎でよく飲まれます。

手軽なティーバックのお茶は便利ですが、自然のお茶と比べると味は貧弱です。野性的でなんだか青臭いところがあっても、だからこそねっとり味の濃いハチミツでいただく自然のお茶の甘みはほっとするもの、すっと体になじみあたたまる…今日もまたご近所で煮出したお茶を頂きながら思ったのでした。

画像上右:緑茶メーカーは国内外のものを含め多いが、葉の緑茶はまだない
画像上左:花や葉っぱを煮詰めるお茶
画像下右:トウモロコシの毛の汁からのエキスは薬用ティーに
画像下左:自然のお茶にはたっぷりと濃いハチミツで

【短信】冷え込みは厳しいですが、ここ数日(11月半ば)は青空が広がり、過ごしやすいです。12月から一気に冬が来ると言われています。(11/23)


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