■ルーマニア日本語事情 2007.5.15 update

日本語を少なからず知っているというルーマニア人が少しずつ増えている気がします。ルーマニア人が日本語を学ぶ理由のうち、実際に日本へ行きたい・行くためというのは他の国に比べまだまだ少ないようです。というのも日本留学のほとんどは国費留学ですし、旅行で日本へ行くことができる層も経済面から考えとても少ないからです。それなのになぜ?と尋ねると、「日本が好きだから」「日本について知りたいから」という答えが返ってきます。

その背景のひとつでよくあがるものは、日本の漫画(MANGA)の影響です。英語に翻訳された漫画本や映画のDVDを海外のamazonで取り寄せる熱狂的なファンから、事実ネット上での海賊版も出回っているため、中学生から大人まで漫画で日本語を覚えた、という人がたくさんいるのです。また小説『SHOGUN(将軍) 』(James Clavell著) から日本に興味を持ったため、日本のイメージはいまだその当時のもの、知っている単語が「SAMURAI(侍)、HARAKIRI(腹切り)、GEISYA(芸者)」ということも(笑)

また日本文化から日本語へ関心が向くことも多く、お茶やお華はルーマニアでよく知られており、生け花に関しては「IKEBANE(いけば“ね”)」と、勝手に複数形単語(*)がありますし、武道を習う人も多く、そんな各々の興味分野から数や表現を日本語で知っている人たちがいるのです。現地製品でも日本語が表記された商品が以前よりもずっと目につくようになってきて、お茶やお菓子や店名、またTシャツや帽子などにも、おかしな日本語も含め日本語が浸透しています。

日本語熱が高まってくると、「日本語を勉強しよう!」という人も増えます。ルーマニアでの日本語教育は89年の革命前はたった2大学のみでしたが、今では地方都市にも副専攻でも日本語を学べる大学があります。大学間の交換留学制度を実施もあり学生にとってもとても魅力的なよう。また教育相管轄の各地方にある無料教育機関では、課外授業や市民講座として日本語コースを設けているところがあります。最近では日本人が運営する日本語学校も出てきたとか。

そんな講座では子どもと大人が混じって日本語を真剣に学ぶ姿が見られ、とても励まされます。各機関の日本語を学ぶ生徒から選出された出場者が毎年主催されるスピーチコンテストで健闘したり、日本語能力試験も数年前から首都ブカレストで受験可能になり受験者数は200人以上! 日本語を勉強した学生のその後(就職)の問題はあるにせよ、ルーマニアでの日本語教育事情も少しずつ整ってきているようです。

日本人でルーマニア語を知る人はどれだけいるでしょうか。ルーマニア語ができて役に立つか否かはさておき、なんでも言語を知っていると世界が広がるもの。日本にもルーマニア人がたくさんいます。たった一言のコミュニケーションから何かが始まるかもしれません。ルーマニア人から日本語で知りたいとよく聞かれるのは「愛してる」。彼女の名前と一緒に書いて欲しい、とお願いされることも多くさすがラテンの国だ!と感心します(笑)

では私たち日本人もルーマニア語を少し覚えましょうか! Buna ziua(ブナ ジウア)!こんにちは。そしてルーマニア人に対抗して、Te iubesc(テ ユベスク)愛してる=あなたを愛してます。是非使ってみてくださいね!

註(*):女性名詞の語尾[a]が、複数形では[e]に変化。

画像説明文
画像上右:当地発売の日本語教材一例:会話集や漢字専門テキストもある。
画像上左:お茶袋に記載された漢字「清涼お茶」のうち、「涼」の部首が「さんずい」ではなく「にすい」になっている。また、「おでん、ビール、空手」と表記されたお茶箱もあった。
画像下右:店名「NIPPON」の電気屋さん。日本製品ばかり扱っているわけではない(笑)。電化製品の日本ブランド名はルーマニアでも有名だ。
画像下左:スピーチコンテストの様子。着物を着ている司会も日本留学経験があるルーマニア人。


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