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冬のように寒い日も例年は多い3月1日、ルーマニアでは春の風がふきます。3月1日はルーマニアで春をお祝いする「マルティショールMartisor」というお祭りだからです。「マルティショール」とはルーマニア語で3月を表すMartie(マルティエ)という語の指小辞(Diminutiv(英))です。簡単に説明すると、小さく・可愛いものに親愛の情を示すための「愛称」、イタリア語の〜ina を語尾につける言い方と同じです。英語で人の名前でSusanをSueと呼ぶのも指小辞のひとつです。よって3月を可愛らしく、親しみをこめ「愛しの3月/3月ちゃん!」といった感じでしょうか。長い厳しい冬がやっと終わり春を喜ぶ人々の気持ちからかもしれません(※)。
さてこのマルティショールに備え、ルーマニアの路上にたくさんの露店が並びます。マルティショールのシンボルでもある赤と白の糸(ひも)を合わせてある飾りが販売されるのです。ルーマニアの伝統の中では各季節の色があります。春は赤、夏は緑、秋は黒、冬は白、これらは陶器や民族衣装、織物に適応されますが、このマルティショールでは「冬が過ぎ、春の到来を歓迎する」として赤と白の組み合わせなのです。
このひもにマスコットやペンダント風な小物・造花など飾りをつけ、だいたい50〜100円(1.5〜3.0Lei)くらいで販売されます。これを皆で贈りあいます。女性の場合、職場や学校で男性から付けてもらえるというのも習慣、胸飾りとして3月9日まで左胸に付けるのが伝統です。その他、花やカード、詩の本など、昔からこのマルティショールに男性が愛する女性に花やプレゼントを贈る習慣があるため、最近は若い人の間で祝われている2月のバレンタインに続き、女性にはちょっと嬉しい日となります。
女性が嬉しいといえば、さらに続く3月8日のZiua Femeilor (女性の日)。こちらはInternational Women's Day (国際婦人デー)と設定されていてルーマニアにも健在なのです。日本にはないですね。3日の雛祭りは「女の子(子ども)」の日ですからね。この女性の日には、やはり男性が花やカード、思い思いのプレゼントを女性に贈らなくてはいけません。チョコレートを同僚に配るのもよく職場で見られます。日本のバレンタイン男性版?ホワイトデーのようかもしれません。もう贈り物合戦で(笑)、スカーフ、ぬいぐるみ、ピアス・・・そしてまだまだひっぱるマルティショールの飾りなど。たくさんの贈り物を3月いっぱいもらうことになります。
何ももらえない、なんてことはルーマニアという国に生きている限りありませんので、ご安心を♪(笑)。 そうそう、「キス」ももらえますよ。朝から出会う男性、ほぼ全員から「Fericitari(フェリチターリ) おめでとう!」 、そして「Te pup (テ・プップ= I kiss you) 」 チュッ!と頬キス。挨拶に頬キス習慣のあるルーマニアですが、この日はそれほど親しくない単なる知り合いの男性からも、手へのキスも含めてされることになります。
それからルーマニアでこの女性の日は「母の日」も兼ねています。子ども達は学校でお母さんへの歌を習ったり、やっぱりお花をプレゼントする子どもやお父さんが多いということ。女性にとってめでたい、楽しい行事がすべて凝縮された日なのですね。こんな風に女性に嬉しいことが続く3月。対して男性には?というと、子どもの日が6月にありますがこちらは「子ども」全体なので特に男の子と特別なわけではない・・特に男性には嬉しい日がないようです(笑)。女性を大切に!とやっぱりラテンの国なのでしょうか。なぜ??その答えを考えていると、やはりラテンだな〜という結論に行き着く『レディーファーストと男女関係』、これについては、次回にご紹介しましょう。
(※)指小辞(ししょうじ):マルティショールも語源をたどれば指小辞と意味がありますが、指小辞はルーマニア語の会話の中で非常によく使われていて、今では「マルティショール」は単語として定着しています。ルーマニア語の指小辞としては、〜sor(〜ショール)、〜ta(〜ツァ)を単語の後ろにつけるものが多いです。
画像上右:マルティショールのシンボル・赤と白の糸の飾り。カードに飾りとしてついている。
画像上左:花をプレゼントする人が多いルーマニア。
画像下右:花束は物価からすると高いことが多いから、公園や森で摘んできた花をあげることも。
画像下左:頬キスの習慣のあるルーマニア。ちなみに頬キスの数は左右1回ずつ。
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