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ルーマニアという国に皆さんはどんなイメージを持っているでしょうか。具体的なイメージが浮かばない、という人も多くいるのですが(苦笑)。今日はルーマニアの観光旅行イメージによく使われるマラムレシュ地方についてご紹介します。
素朴さ、ゆったりさが売りであるルーマニアの中で、特に昔ながらの生活を続けている国内北部に位置するマラムレシュ(Maramure?)地方。北のウクライナとの国境に接する部分で、地理上ハンガリー人が多い町です。ここはルーマニアの自然・歴史・伝統・習慣の全て残っていると言われている場所なのです。順番に見てみましょう。
まず自然、マラムレシュ地方は山に囲まれた村々で標高が高いところも多く、たくさんの小川が流れています。そんな小川の流れを天然の洗濯機として利用する村もあります。森林地帯でもあるためマラムレシュならではの木の文明も発達しました。最古のものは14世紀に建設された世界遺産になっている木の教会やこの地域独特の木の門は、樫(かし)や樅(もみ)の木から作られています。装飾だけでなく、台所用品や家具など日用品もほとんどが木製、自然が人々の生活の中で欠かせないものとなっているのです。
羊との生活も昔からの特徴です。マラムレシュの羊のチーズは伝統料理にも必須、羊の毛皮から作るコートも寒い冬のお決まりです。帽子や靴まで、伝統衣装も羊から。羊の毛を糸にして絨毯や壁掛けを女性が集まりおしゃべりをしながら手作業を作っているほのぼのした風景もマラムレシュ独特です。女性が集まればどこでも賑やかなもの、そんな賑やかさを反映したかのように、マラムレシュの羊の毛製品は色鮮やかなものが多いのです。
伝統衣装は村により色合いや柄が異なるそうですが、女性が既婚か独身か分かるようにデザインされているとか。気になる娘がいたらこっそりチェック・・・いや、こっそりしなくても、年頃の娘が独身であれば村中皆で相手を探す親や老人たち、いい意味でのおせっかい文化、みんなが面倒見合う文化がマラムレシュにはあるのです。昔の日本のようかもしれませんね。
祝い事は盛大に、というのも伝統であり習慣です。例えば結婚式は村中の人を招き、かなり前もって準備に臨みます。衣装から料理から、音楽、会場装飾、とにかく盛大なのです。踊り続けの結婚式はルーマニアどこでも見られますが、マラムレシュ地方ではそれこそ三日三晩お祭り続き、他とは比べ物にならないほどです。12月のクリスマスの時期には、街に集まりそれぞれ伝統衣装を着てのパレードが行われます。このパレードではいろいろな仮面を被った人たちが登場し、観光客にも楽しいイベントとなっています。ちょっと不気味な仮面は魔除けの意味もあるそうです。
こんな風に環境に適応しながら歴史や伝統を守るマラムレシュ地方。ルーマニアでも売りの観光スポットなのですが、観光地としての機能がなく不便に思うことがあります。しかし、だからこそ『そのままのルーマニアンライフ』が見られる素晴らしい場所なのです。たくさんの日本人に、このマラムレシュに着て欲しいと願いつつも、観光化されない「そのままの生活」であることがこの地方の魅力なので、あまり観光的になってほしくない、、、複雑な気持ちがいつも交錯します。
ただこんな昔ながらの山奥のマラムレシュでも、一部の地域では伝統離れ、伝統が維持できなくなっている現状もあるそうです。なんだか寂しい・・・シンプルながら、彩りのある、豊かな生活をする人たち、そんな豊かさは彼らの表情から伺えます。助け合い、支えあい、共に喜び、共に泣き、歌い、踊り、街では忘れかけている人間同士のつながりが強すぎるほど感じられるのです。これこそルーマニアのイメージにぴったり! スローライフと特別とりたてなくても、スローで優しい生活が今も変わらずここにはあるのです。
画像上右:自然に囲まれ、のどかな風景なマラムレシュ
画像上左:木の門。自然や歴史を継承した文明・文化が人々の生活を支えている
画像下右:この地域の伝統衣装。羊の毛の衣装はかなり重いのに、踊るときは皆軽々だ!
画像下左:12月に行われる伝統行事では、それぞれの町や村が独特の衣装を着て参加する。不気味な仮面には魔除けの意味がある
【追記】町での結婚式の様子は、各国いまどき報告「眠れない結婚式で花嫁誘拐!」 (06年7月)を参照してください。
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