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多くの観光客がセブ島に訪れる理由のひとつは「海」。スクーバダイバー垂涎のダイビングスポットがたくさんあります。もちろんダイバーでなくてもマスクとスノーケルをつけて簡単に海の中を覗くことができます。魚類の発祥はフィリピンの周りの海からではないかと海洋生物学上いわれているそうで、確かに海の中には魚の図鑑に載っていない魚もたくさんいます(たぶん種類が多すぎて載せきれないのでしょう)。
私のお気に入りのダイビングスポットのひとつに“ヒルトゥガン島”というところがあります。ここは国際空港のあるマクタン島から30〜40分、海の保護区“マリンサンクチュアリ”が目の前にある小さな島です。この島のサンクチュアリは海洋生物の採取が禁止されており、違反すると罰金もしくは懲役という厳しい処罰が課せられます。また、ダイバーも手を保護するためのグローブの着用が認められていません。これは安易に海中で生物に触るのを防ぐためです。
実は以前この島の周りは違法な漁により壊滅状態でした。ダイナマイト漁と呼ばれるこの漁は、清涼飲料水の空き瓶にダイナマイトを詰めて着火し、水面から海に投げ込みます。それが水中で爆発すると魚たちが気絶して一斉に水面に浮き上がってきたところをすべて採ってしまうというものです。ダイナマイトの爆発で珊瑚も壊れてしまいますし、幼魚も採られてしまいますから漁場にはすぐに魚がいなくなってしまいます。すると漁師は次の漁場へ移動しそこでも同じ事を繰り返すわけですから海はすぐに荒れ放題、そして漁場もすぐになくなってしまいます。ダイビング中に何度もダイナマイトが爆発する音を聞いたことがありますが、水中では音が陸上より早く伝わるためまるで自分の背負っているタンクが爆発したかのような激音で、私まで気絶してしまいそうでした。10年ほど前から政府がこの取締りを強化し、島の行政も見張りを置くなどして現在に至っています。
さて、そんなよみがえってきた島のサンクチュアリにスクーバ器材を装着して海に潜るとそこはもうまさに竜宮城の世界。色とりどりの珊瑚と様々な種類の魚に出会うことが出来ます。一面に広がる珊瑚の中を覗くと、小さな魚たちが身を寄せ合って生活しています。私たちが近づくと一斉にさんごの中へ隠れてしまいますが暫くじっとしているとやがてそのかわいい姿を再び現してくれます。砂地の岩場には30センチほどの魚が群れをなして泳いでいます。群れていると他の魚からは一匹の大きな魚に見えるので襲われにくいからだそうです。みんな外敵から身を守る術を生まれながらにして身につけているというわけですね。
また、海の中で聞く様々な音も興味深いものがあります。陸上で普段自分が呼吸する音など聞くことは先ずありませんが、自分の呼吸音が水の中では聞こえてきます。それを聞いていると、“う〜ん、生きているんだな”などと思ってしまうのは私だけでしょうか(笑)。また、クマノミが外敵から身を守るために発する舌打ちのような音、ふぐの歯軋り、ロウニンアジの群れが向きを変えるときに聞こえる“ブン!”という音など日常聞こえない音をたくさん聞くことが出来ます。
ダイビングは難しそうだと思われがちですが、これが意外と簡単です。10歳以上の既往症の無い健康な方なら誰でも挑戦することが出来ます。セブ島内の殆どのダイビングショップではライセンスを取らなくても潜ることの出来る“体験ダイビング”というお試しダイビングのコースがあるのです。インストラクターのちょっとした説明と、プールでの練習のあとすぐに海に潜りに行くことができます。もちろんインストラクターのガイドつきなので見どころも逃すことなく海中散歩を楽しむことが出来ます。ご家族、カップル、お友達同士はもちろん、1人でも参加OKですのでぜひ挑戦してみてください。陸上では味わえない無重力の浮遊感と素晴らしい景観、浦島太郎が時を忘れて竜宮城に留まっていたのが理解できるような気がします。
画像上:珊瑚の中に棲むスズメダイとその仲間
画像中:群れを成すニセクロホシフエダイ
画像下:体験ダイビングで誰でも簡単に海中散歩
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