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アルゼンチンは今年、選挙の年となりました。アルゼンチンでは選挙は「義務」、すなわち行かなければならないのです。そのため、前の晩、お酒は販売禁止になります。スーパーもそのエリアだけ、規制テープが張り巡らされ、レストランやバーでさえも、アルゼンチンでは定番のワインが飲めないのです。
さらに、集会禁止という注意事項があります。以前、日系団体に勤めていて、日本人移住者の皆さんは選挙に関係ないので、気にしなかったのですが、やはりNGだということで、同日のイベントは急遽禁止になったことがあります。
この義務を管理するために、国民身分証明書DNI(Documento Nacional de Identidad)が活躍します。この番号によって、自分の投票をする場所を調べて、そこに出向くことになります。この調べが面倒であり、前回投票した場所に行くと違うところに変わっていたりして、選挙難民が毎年でます。近頃はインターネットで比較的簡単にできるようになったとはいえ、アルゼンチン国民の多くの人がアクセスできるわけではなく、また自分では調べきれない人もあるので、検索代理人というミニ商売も発生します。
さて、めでたく投票場所がわかりましたら、公立の小学校などの会場(日曜が投票日なので、後片付けのため月曜の午前中は休講になります)にて身分証明書を見せて、確認してもらい、投票済みの記載をしてもらいます。なお、この身分証明書がきちんとしていなければ(汚くてもダメ、紛失ももちろんダメです)ならないので、再発行手続きした人達用に選挙前は週末も受け渡し窓口が開いています。
この義務は選挙該当場所に住民登録することで生じ、その場所から500キロ以上離れてたところにいたという証明なしにはその義務を免れることができません。さらに、その義務を怠っていると、出国手続き中にDNIの提示から義務を遂行していないと分かってしまい、そのため出国許可が下りない、もしくは罰金を科される場合があるのです。
さて、6月3日は、ブエノスアイレス市長選でした。過熱気味の選挙運動合戦がウソのような静かな朝でしたが、午後6時の投票終了。1時間後からニュースでは選挙速報合戦が繰り広げられ、それぞれの陣営の「祝賀会会場」に報道陣が押し寄せました。左上の画像は上位三人の立候補者の画像です。左からマクリ氏。彼は当地の財閥御曹司で、アルゼンチンで人気を二分するサッカークラブチーム「ボカ・ジュニオルズ」の会長です。2001年の経済危機以降、企業家だけでなく、政治家としても活躍中でしたが、今回、二度目の挑戦です。真ん中が現市長のテレルマン氏で、そして右が現教育大臣のフィルムス氏です。
大統領は自分の大臣であるフィルムス氏を後押ししました。ちょうど私はブエノスアイレス市立大学の教師なので(名簿があるのでしょう)、フィルムス氏から投票を呼びかけるメイルが来ました。なかでもおもしろかったのは後援者の文化人、科学者、スポーツ選手の顔ぶれ。歌手もタンゴ、オペラ、ロックとバラエティに富んでいたのはさすが現教育大臣で、実は文化大臣でもあるからでしょう。なお、マクリ氏からも電話が自動的にダイアルする選挙コールがありましたが、テレルマン氏からは何のアプローチもなかったです。。。
さて、結果は、マクリ氏が45.3%で、次点のフィルムス氏(24.46%)を大きく引き離しましたが、過半数にわずかに満たないため、6月24決選投票になりました。そして、結果、マクリ氏が大勝し、現在、テレルマン現市長から12月10日、ブエノスアイレスを引き継ぐために準備中です。しかしながら、10月28日は大統領選でもありますし、その前後にはアルゼンチンの各州の地方選挙が行われますので、今年は本当に政治的に落ち着かないことになりそうです。
画像上右:ブエノスアイレスの中心地にそびえるオベリスコという白い塔。
画像上左:三人の上位候補者。左が新市長となったマクリ氏。
画像中:一回目の投票で一位に輝いて喜ぶマクリ氏。同じ陣営のミチェティ副市長候補のほっぺにキス。喜ぶのはいいんでしょうが、これをインドでやれば、公衆の面前でインド人女優のほっぺにキスして風紀を乱したと訴えられたリチャード・ギアの二の舞になりそうですが、アルゼンチンではほっぺのキスは、挨拶や喜び、御礼を表します。
画像下左:選挙で勝利のスピーチを行うマクリ氏。「市民は改革に投票したんだ!」という勝利スピーチはさすがでしたが、だから結局勝ったのかも。
画像下右:新市長となったマクリ氏と筆者。。。2年前のものです。訪問先の玄関でお話しているのを週刊誌「GENTE」のカメラマンが撮影、見開き記事でこの写真が掲載されました。
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二種類の国民身分証明書DNI(Documento Nacional de Identidad)。左の画像が、外国人用DNI、つまり私のです。色は茶色で、EXTRANJEROEは外国人という意味。右の画像は、アルゼンチン人である娘たちのもの。色は緑色。二つを並べてみると、長女のもの(右)が微妙に小さいことが発覚! こんな規格ものすら大きさが違ってしまうのは当地では普通です。なぜパパの身分証明書を撮らなかったかと言うと、、、実は前の週、洗濯機の餌食になったからです。。。 |