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5月になれば、やはり5月25日の話をせずにはいられない。それぐらいアルゼンチンにとって重要な五月革命。しかしながら、日本で五月革命といえば、世界の学生運動に影響を及ぼしたフランスのそれ(1968年5月21日)が有名だが、実はそれよりも、もっと前の1810年、五月革命を起こしている国がアルゼンチンなのである。
当時、現在のアルゼンチン一帯はスペインの支配下にあった。人も文化も大西洋を渡ってヨーロッパから船によって運ばれる時代、広大なラプラタ地域はラプラタ副王領として、スペイン国王に指名された副王によって支配されていた。
すでに、アルゼンチン生まれのヨーロッパ系世代(クリオージョ)が増える中、1808年ナポレオンがスペインに侵攻し、スペイン王フェルナンド七世を幽閉してしまうというニュースが、船によってもたらされる。愛国心溢れるクリオージョ達が、副王領の下、運営されていたカビルド(市議会)に結集し、初めての議会を持ち、独立をすることを決定したのである。
こんな重要な歴史を、学校行事(後述)で、イメージがわき易い簡単な絵を書きながら、3歳から5歳までの幼稚園児にわかりやすく説明してくれた先生に拍手!
長女は130年の歴史があるブエノスアイレス市立第一学校の一年生、次女は幼稚園の年長組と、二人とも本格的な学校生活を3月に開始して初めての本格的な学校行事が、5月25日の祝日の1日前に行われた。幼稚部は年長組、小学部は一年生が歴史扮装と寸劇を担当する。それに見事に娘二人とも当たってしまった。
長女はスペイン風旧貴婦人(ダマ・アンティグア)、次女は農村の女性(パイサナ)に扮すべく衣装を準備しなければならない。パイサナは、あり合わせで幼稚園にそのまま連れて行ったが、ダマ・アンティグアは特別に衣装や髪飾りを買い、学校の勉強を終えてから行事であった(実は幼稚園の式典が終わってから、ということであった)。アルゼンチンでの生活は16年と慣れている私でも、うちのお手伝いさんがアシストしてくれるからこそ子育て日常生活は何とかやっていけている。今回扮装するときは二人の髪のセット、そのまま式典参加の次女の着付けはお手伝いさん作である。
幼稚園が終わるやいなや、教室に迎えに行きトイレで着替えさせるときの母親たちの念の入れ方ったらない。貴婦人の化粧はもちろん、他に、カンドンベーラ役(奴隷としてつれてこられた黒人発祥の音楽カンドンベに合わせて踊る子供)は顔を黒く塗らなければならない。。。
偶然、これまた大学院時代のクラスメイトに会ってしまった。ただ、お互いにトイレで娘達への世話を焼いているとなっては、ブエノスアイレスの醍醐味である、“いつも思わぬところで知り合いに出会って始まる”立ち話さえもできない状態であった。残念に思いながら教室に戻ると、娘にみとれて、もうため息をつく弱冠6歳の男子の横を通り過ぎながら、ひとり悦に入ってしまった。
さらに式典が始まり、例のごとくアルゼンチンの国旗が入場、国家斉唱はすがすがしく、特に小学校の行事のときは国家斉唱をしながら、本当に神聖な感じがした。ここまで大きくなった娘への思いと、こんなに愛国心溢れるアルゼンチンに住んでいるのだという幸せな思いが交錯して、思わず泣いてしまった。後で「ママ、どうして泣いていたの!」と、写真を撮りながら娘の姿を追っていた私を壇上で見張っていた成長した娘にしかられてしまった。
-文中の画像-
画像上右:国旗は優等生の7年生のおにいさん、おねえさんが運んできます。とても立派です。
画像上左:国歌斉唱で、音楽の先生が指揮。とてもおごそかで、泣いてしまった。
画像中:最初に先生が、この日(5月25日)のいわれを、絵を使って説明。
画像下左:「5月25日、おめでとう」と子供たちが国旗を掲げる。背景はカビルト(市議会)。昔はもっと横に長かったらしい。
画像下右:どこの親も、劇が始まる前に子供の写真を撮ります。。。。
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□歴史寸劇(五月革命を祝う学校行事から)
  
画像左:発表会前の緊張の面持ち、左が長女・希光(6歳)。手に持つのは、扇ではなく扇子(せんす)ですが、ちょうどアルゼンチン国旗カラーでしたので利用してみました。文化融合を目指して!
画像中:農村の娘は、パイサナのほかに、チーナとも呼ばれます。また、チーナには、カウボーイのガウチョの奥さん、愛しい人、という意味があります。右は、“本物”のチーナ(「東洋人」という意味もあり)の次女・亜海(5歳)。お友達と一緒に。
画像右:当時、貴婦人たちは直接言葉ではなく、扇を使い意志表示しました。扇を前から後ろに持ってこようとする行為で「あなたとお話したい」、パンと扇を閉じれば「嫉妬しています」、頭にかざせば「私を忘れないでね」というふうに。これらを5歳児が演じてとってもかわいかったです。
  
画像左:昔の写真を再現してフレーム(枠)が出来ています。小学生の方が凝ってはいます。インディオもカンドンベーラもいます。
画像中:当時の生活を再現。湿気の多いブエノスアイレスで、男性が羽織っていたマントを水溜りに敷き、貴婦人が濡れずに渡れるよう配慮。さあ、お手をどうぞ!
画像右:恋人同士のマテ茶は、熱くして飲む。。。
  
画像左:ミニガウチョ、お腹をさする演技もなかなか。
画像中:ミヌエというダンスを踊ります。男性はシルクハット、女性はふわっとしたドレス。。。
画像右:最後はみんなで! カンドンベーラ(男性)、カンドンベーロ(女性)もガウチョ(牧童)も一緒に。 |