■マンゴーの季節がやってきた 2008.4.22 update

カンボジアには日本のように明確な四季はなく、1年は雨季(5月下旬頃から10月下旬頃)と乾季(11月上旬頃から5月中旬頃)の大きく二つの季節に分けられています。さらにカンボジア人の間では、乾季の2月上旬〜5月中旬は「暑季」と位置づけられています。なかでも4月、5月は最も暑い季節で、気温が40℃を越えることもあります。

うだるように暑いという意味で、個人的にこの季節は1年のなかで最も憂鬱な季節ですが、嬉しい側面もあります。マンゴーです。3月から4月にかけて、こちらカンボジアではマンゴーのおいしい季節になるのです。市場にはよく熟れたマンゴーや山積みになって売られ、地方からバイクにマンゴーを積んでやって来るマンゴー売りの姿もよく見かけるようになります。芳醇な甘味をたっぷり含んだマンゴーは、お気に入りのひとつです。

首都プノンペンでは、安い時で1ダース4,000リエル(約100円)、高いときでも250円と大変親しみやすいお値段ですし、知り合いの方の庭に生えているマンゴーの木からおすそわけを頂くこともあるため、ここ数日は毎日のようにマンゴーを食べています。

カンボジアでもマンゴーはとても人気のある果物で、国内でたくさん生産されています。カンボジア語でマンゴーのことを「スヴァーイ」というのですが、「スヴァーリエン」「スヴァーイチュム」「コンポンスヴァーイ」など、この「スヴァーイ」を冠した地名が国内のいたるところにあることからも、この国の人々とマンゴーとの関係の深さの一端が窺い知れます。

日本ではマンゴーといえば、熟したものを果物として味わうものですが、こちらカンボジアでは、熟していない青いマンゴーを野菜のようにして食べることもあります。青マンゴーの食べ方はいくつかあるのですが、おやつとして広く親しまれているのが青いマンゴーにオンベルマテッ(塩とトウガラシを混ぜたもの)をつけて味わう食べ方です。カリッシャクッとした食感のなかに甘酸っぱさが潜み、その味をトウガラシと塩が引き立ててくれます。もうひとつがニョアムという食べ方です。こちらは、青いマンゴーを千切りにし、干し魚や魚醤、ミントやバジルといった各種ハーブと和えて食べるサラダのような一品です。青マンゴーのさわやかさとハーブの香りが食欲をそそります。

ところで、マンゴーと言っても市場に出回っているマンゴーを見ると、形や色が微妙に異なることに気づきます。パッと見た感じでは同じように見えるマンゴーですが、じつはいろいろな種類があるのです。なかでも、甘味が強くよい香りがするということで人気のあるマンゴーが、「スヴァーイカエウチェン」「スヴァーイクティヒ」と呼ばれるマンゴーです。手でつるつると皮が剥けるくらいまで熟したものはとろけるような甘味があり、自然の恵みに改めて感謝したくなる気持ちになります。「スヴァーイカエウチェン」だけを使ったマンゴーシェークを自宅で作って飲むと、そこらのマンゴーシェークが霞んで見えるようになります。

日本に留学したことのあるカンボジア人がよく、「日本の桃やリンゴはとてもおいしいけれど、マンゴーはカンボジアのほうがおいしい」と言います。正確に言えば、彼らが食べているのはフィリピンなどから輸入されたマンゴーであって、日本のマンゴーではないのですが、それはさておき、カンボジアのマンゴーの味を知ってしまうと、確かに日本のスーパーで売られているフィリピン産のマンゴーは見劣りしてしまうというのが正直なところです。

とはいえ、フィリピンのマンゴー農家の名誉のために付け加えておきますと、フィリピンにもいろいろな種類のマンゴーがあるはずですし、日本に輸入されていないというだけで、かの国にもカンボジアのマンゴーに匹敵するような味のマンゴーがあるかもしれません。機会があれば、カンボジア以外の国のマンゴーをいろいろと味わってみたいものです。

画像上右:市場の果物売場に積み上げられたマンゴー。
画像上左:マンゴーの木。マンゴーの季節になると熟した実で枝がいっぱいになる。
画像下右:市場や路上にあるフルーツシェークの屋台。マンゴーの季節になるとマンゴーシェークが楽しめる。
画像下左:各種果物を切り売りする屋台。青いマンゴーも扱う。


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