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カンボジアでビーチリゾートといえば、 南部のシハヌークビル市が最も有名です。美しい砂浜と澄んだ海水が広がり、まだ静けさの残るシハヌークビルのビーチでは、デッキチェアの上で旅の疲れを癒す外国人旅行者や、新鮮なシーフードに舌鼓を鳴らしたり、水遊びに興じたりしているカンボジア人観光客の姿を見かけます。
さて、今回はもうひとつのビーチリゾートをご紹介したいと思います。シハヌークビルの東、ベトナム国境から約49キロのところに位置する小さな町ケップ市(人口約40,00人、2006年現在)です。
シハヌークビルの開発が進む前、カンボジアで海といえばケップで、週末には首都プノンペン(プノンペン?ケップ間は約172キロ)からやってくる人々で賑わったと聞きます。現在でも、カンボジア人の間では、ビーチ沿いに建ち並ぶ簡素な造りの涼み小屋でカニやエビなどのシーフードを食べるというのが、ケップ滞在の定番の過ごし方となっています。
ここケップは、海沿いに発展した町で、小高い丘を取り囲むようにビーチが広がり、ビーチ沿いを走る道路には、約6キロに渡ってヤシの街路樹が続きます。シハヌーク前国王が好んだ町のひとつと言われ、丘の上には1990年代初頭に建てられた王宮(現在は廃墟)が残っています。
ビーチの美しさだけで比較すると、 白い鳴き砂の広がるシハヌークビルに軍配が上がると思いますが、シハヌークビルと比べるとケップは訪れる外国人観光客が少なく、開発も進んでいないため、静かで穏やかなカンボジアの空気に浸りながら、のんびりと過ごすことができるのが魅力と言えるでしょう。
丘の上には、コテージを持つ複数のゲストハウスが建ち、その多くはビーチを臨む部屋やベランダを備えています。ベランダに置かれたハンモックに揺られながらビールにほろ酔いしたり、南国の緩い風に吹かれながら読書をしたり、そんなぜいたくな時間に身をゆだねてみると、アンコール遺跡観光からは知ることのできない、もうひとつのカンボジアの姿を感じることができると思います。遺跡観光に疲れたら、ケップで穏やかなカンボジアを感じてみてはいかがでしょうか。
なお、ケップへは、首都プノンペンからHua Lian(ファーレン)社が1日2便の直通バスを運行しています。料金は1万リエル(約2.5ドル)、所要約5時間です(2006年現在)。また、ケップに隣接するカンポート州からバイクタクシーを利用することもできます。カンポート州にはカンボジア最大の保護区を有するボコー国立公園があり、公園内の山上(1,080メートル)には、フランス植民地時代(1863年?1953年)にフランス当局によって避暑地として開発されたボコー・ヒルステーョン(現在は廃墟)があり、多くの観光客を魅了しています。ボコー観光とケップでの滞在を組み合せてみると、カンボジア南部の表情がより立体的に浮かび上がってくるかもしれません。
VietNam Net Bridgeの報道(2007年9月13日)によると、ケップにベトナムからの観光客を誘致するため、投資額370万ドルの開発計画があるそうです。同報道によれば、カンボジアと国境を接するベトナムの町ハーティエンとケップを航路でつなぎ、増加するベトナム人観光客の需要に応えるとのことです。
近い将来、ケップは今とは違った顔を見せる町に姿を変えているかもしれません。そうなる前に、現在の閑静なケップの町を記録しておきたいと思っています。
※ケップ市:カンボジア南部に位置し、州と同格の特別市である。タイランド湾に面し、三方をカンポート州に囲まれる。
画像上右:ケップのビーチと丘
画像上左:ビーチ沿いに建つ涼み小屋
画像中:ケップといえばシーフード。ということで、ビーチ近くに立つカニの像の前で記念撮影をするカンボジア人観光客たち
画像下左:丘の上に立つゲストハウスのテラス。コーヒーを飲みながら優雅な朝食の時間を過ごした
画像下右:ゲストハウスのテラスからの眺め |