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仕事でカンボジア北部のシェムリアップ州へ行ってきました。州の中心部から外れたところは、数年前とほとんど景色が変わらないのですが、中心部や国道6号線沿いは観光開発がどんどん進み、雨後のタケノコのようにホテルやゲストハウスが次々と建設されています。訪れる度に姿を変えていくこの町を見ていると、期待と不安の入り交じった複雑な気分になります。
中心部のオールドマーケット周辺は、タイの首都バンコクにあるカオサン通りを小さくしたような雰囲気になり、夜になると外国人観光客や彼らを相手に商売をするトゥクトゥク、バイクタクシーでいっぱいです。この外国人観光客のなかで最近目立つようになってきたのが韓国人です。
数年前まで、カンボジアを訪れる旅行者の数は日本人がトップでしたが、韓国系企業や宣教師の数と比例するかのように韓国人旅行者数がどんどん増加してきました。ハングル文字で表記された看板を見かけることは珍しくなくなり、韓国資本のマッサージ店やカラオケ点、韓国料理店、韓国食材店などが次々と開店しています。それとあわせて、ガイドや韓国系企業での就職を目指したカンボジア人の韓国語学習熱も上がり、"Korean Speaking Contest"なるものも開催されるようになりました。日本人の僕が町を歩いていると、韓国人だと間違われ(つまりそれほど増加が著しい)、韓国語で挨拶されることもあります。
カンボジア政府観光省の統計によると、カンボジアを訪れた外国人のなかで韓国人の数が最も多く、年間28万5,353人(2006年)となっています(日本人は15万8,353人で第2位)。近年、縫製工場のカンボジア進出が目立ちますが、韓国資本の工場は2006年現在、15社ほど確認されています(初鹿野直美「カンボジアの工業化」2006年)。
この韓国人、カンボジアではどのように受け止められているのかと気になっていたところ、旅行関係の仕事をしているある日本人から次のような話を聞きました。「韓国人の評判はよくないみたいですね。お土産物販売店やホテル、レストランなどでマナーの悪さが目立つのがその一因みたいです」と。
また、車の運転手をしているあるカンボジア人はこう言います。「韓国人は韓国の旅行会社を通してカンボジアへ来て、韓国資本のお土産物屋で買いものをし、韓国人の経営しているマッサージ店でマッサージをして、韓国資本のホテルに泊まるだよ。つまり、カンボジアにお金がほとんど落ちないんだ。車を運転している時もぜんぜん道を譲ろうとしないし」。
道を譲らないのは君たちカンボジア人も同じようなもんじゃないか、と思いましたが、そこはまず置いておいて、「地元にお金が落ちない」ということについて、少し突っ込んでみました。というのも、この運転手は日本が好きだと言っていたからです。「それじゃあさ、日本人も同じじゃない? 日本人だって日本の旅行会社を通してカンボジアに来て、日本人がやっているお土産物屋で買い物をして、日本人経営のマッサージ店でマッサージをして、日系資本のホテルに泊まるよね。韓国人と同じじゃないか」。すると、彼はやや困惑したような表情を浮かべながらこう答えました。「あなたは日本人だから、あなたの前でそんなこと(日本人の悪口)を言う勇気がないんだ」。正直なヤツだなあ。
画像上:韓国食材を売る店の看板(シェムリアップ市)
画像中:Korean Speaking Contestのポスター
画像下:トゥクトゥク(オート三輪タクシー)に取付けられた韓国語の広告 |