■カンボジア北東部のラタナキリへ 2006.6.20 update

カンボジア北東部に位置し、北はラオス、東はベトナムと国境を接するラタナキリ州へ行ってきました。深い森の残るラタナキリ州では、カンボジアの人口の大半を占めるクマエ(クメール)とは異なる文化(独自の言語を含む)を持つ、いわゆる「少数民族」といわれる人々が多く住んでいます。具体的には、ジャライ、トンプーン、クルンなどと呼ばれる集団です。「少数民族」といっても、ここラタナキリでは、全人口に占めるクマエの割合は低く、25%程度だといわれています。

ラタナキリでは彼らの生活をのぞかせてもらったり、象に乗ってトレッキングをしたり、バンルンの郊外にある滝や火口湖のヤックロム湖を見たり、カンボジアの北東端に広がるヴィラチェイ国立公園を散策したりするのが観光客に人気です。首都プノンペンからラタナキリ州の州都バンルンまでの直通バスはまだ走っていないため、まずラオスと国境を接するストゥントレン州までバスに乗って進みます。移動時間は10時間程度。ストゥントレンからバンルンまでは、市場のそばから出発するピックアップトラックか乗り合いタクシーを利用します。

ピックアップトラックや乗り合いタクシーは乗客を詰め込む(通常、セダンで大人7人乗り)ため、経済的にゆとりがある方はタクシーを1台借り切ってしまうと移動が楽です。乾季の場合、バンルンまでは3時間かかりません。時間があまり取れない方は、プノンペンから国内線の飛行機を利用すれば、バンルンまで1時間以内で着きます。バンルンには複数のゲストハウスやホテルがあり、それぞれトレッキングや「少数民族」の村を訪れるツアー、タクシーやバイクのチャーターなどのサービスを提供してるので、賢く利用したいものです。

周囲約2.5キロの円形をしたヤックロム湖は、バンルンから約5キロのところに広がる美しい湖です。周囲は緑の濃い森林で囲まれており、カンボジアの湖にしては水の透明度が高く、「海のようにきれいだ」と評するカンボジア人もいます。ただし、水の透明度や色は時間帯や訪問者の数によって変わって見える可能性があることを覚えておいたほうがいいでしょう。地元では70万年前に形成されたと信じられている湖で、周辺で暮らすトンプーン族が神聖視する場所でもあります。

とはいえ、水遊び好きのカンボジア人にとっては格好の遊び場です。平日でも近所の子どもたちが湖に少しせり出した木造のテラスを飛び込み台のように使って飛び込んだり、ゴムの浮き輪を借りて泳いだりして遊んでいます。試しに真似をしてテラスの手すりの上に乗り、そこから上に軽くジャンプして湖に飛び込んでみたところ、足が湖の底に届かず、その深さに驚きました。ガイドブックには、最も深いところで50メートルほどあると書かれています。地元の人によると、カンボジア正月などの連休の際には、プノンペンからやって来た多くの観光客がここヤックロム湖を訪れるそうです。

あとで知人に聞いたのですが、ヤックロム湖はトンプーンにとって聖なる場所であるため、決して泳いではいけないとのこと。知らなかったとはいえ、トンプーンの人たちの聖なる場所を汚してしまい、申し訳ないことをしたと反省しています。泳いでしまった日の夜、激しい頭痛と下痢に見舞われたのですが、それはトンプーンの人たちの逆鱗に触れてしまったからかもしれません。

湖のそばには小さなビジターズセンターがあります。ここでは、トンプーンの人たちの生活用具や農具、楽器などが展示されており、また、彼らの工芸品も売られています。トンプーンの人々の生活に興味のある方にはおすすめです。入館料は湖の入場料(外国人は4,000リエル)に含まれています。ヤックロム湖以外にも豊かな観光資源が眠るラタナキリ州。アンコール遺跡群以外のカンボジアにふれてみたい方は、ぜひ訪れてみてください。きっとカンボジアの新しい魅力を発見できると思います。

※為替レート:1米ドル=4,000リエル前後

画像上:ボートに乗って少数民族の村を訪れる
画像中:トンプーン族の墓地
画像下:ヤックロム湖で泳ぐ子供たち。ただし、本文でも書いたが、聖なる場所なので泳いではいけない。


<<もどる