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タイの首都バンコクにゲストハウスや外国人向けのレストラン、バー、お土産物屋、旅行会社、両替所などが集まるカオサン通りという道があります。世界各地から旅行者が集まるところとして知られ、夜遅くまでにぎわっています。そのカオサンを小さくしたような通りが、カンボジアの首都プノムペンにもあります。プノムペン北部、コック湖(Boeung Kak)とモニヴォン通りの間、プノムペンホテルの裏を走る93番通りがそこです。
93番通りにはカオサン通りと同様に旅行者を狙って商売をする店が集まり、そこを大きなバックパックを背負った白人旅行者が往来しています。韓国語や日本語で「ようこそ」と書かれた看板も見かけますが、アジア人旅行者の姿はあまり見かけません。アジア人旅行者には、プノムペン中部に位置するオルセイ市場周辺のゲストハウスが人気のようです。
93番通りには、英語の通じるレストランやバー、インターネットカフェが建ち並び、都市間(プノムペンーシェムリアプ間、プノムペンーベトナムのホーチミン間など)をつなぐバスのチケット手配、隣国ベトナムやラオスのビザ手配サービスを行う旅行代理店のオフィス、両替所、お土産屋などもあるため、旅行者のおもなニーズはほぼすべて満たされます。
レストランも、味はともかくとして西洋料理、インド料理、ベトナム料理、中華料理など、さまざまな国の味を楽しむことができます。ほとんどのバーではHappy Hour(19時くらいまで)が設定されているので、観光を早めに切り上げ、通常より安い料金で渇いた喉にビールを流し込むのもいいでしょう。通りにはバイクタクシーやトゥクトゥクが客待ちをしているので、市場や王宮、国立博物館、チューンアエクのキリングフィールドなどへ行きたいとき、困ることはありません。
とはいえ、これだけだとタイのカオサンと何ら変わらないじゃないか、と思われるかもしれませんが、大きな違いがひとつあります。「コック湖」の存在です。コック湖付近のゲストハウスには、湖面にせり出すようにして建てられたテラスがあり、そこで湖から流れて来るそよ風を浴びながら食事やお酒を味わうことができるのです。テラスにはハンモックが吊るされているので、コック湖に沈む夕日を眺めながらハンモックに揺られ、旅の疲れを癒すというのも優雅な時間の過ごし方ではないでしょうか。ここではプノムペンの埃は舞っていません。
93番通りのもうひとつの楽しみ方は、地元の人の生活を覗けるところにあります。93番通りはバンコクのカオサンほど開発されていないため、周辺には観光業とは直接関係のない人々の生活の場があります。制服に身を包み学校から帰ってきた子供たち、アイスクリームを売る移動屋台、天秤棒を担いでヌムバンチョック(米から作られる麺にスープをかけて食べる料理)を売る人、縁台でくつろぎながらおしゃべりに花を咲かせているおばさんたち……。このようなカンボジアの日常のなかに観光客向けの施設がとけ込んだのが、93番通りなのです。
この道沿いには、プノムペン最大のモスク(イスラム教の礼拝所)もあるので、プノムペンにある寺院の訪問と併せて観光してみるのも楽しいでしょう。ただし、イスラム教徒でないと原則としてモスク内に入ることはできません(敷地内に入ることはできます)。ちょっと違ったプノムペンを楽しむために、93番通りを訪れてみてはいかがでしょう。
画像右上:93番通りの両替所ではトラベラーズチェックの換金も可能。
画像左上:テラスに吊るされたハンモックでくつろぐ旅行者。
画像右下:テラスの上からはコック湖に沈む美しい夕日を鑑賞できる。
画像左下:一歩、路地へ入れば、地元の人たちの生活が見られる。
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