■海上自衛隊の練習艦隊がやって来た 2005.10.17 update

4月9日、海上自衛遠洋練習航海(155日間、総航程約5万5000キロ)のために東京港から出航した海上自衛隊の練習艦隊が、9月6日から9日までの4日間、カンボジア南部のシハヌークヴィル港に寄港しました。寄港した艦は「かしま」「むらさめ」「ゆうぎり」の3隻です。

9月7日(水)には、遠洋練習航海部隊のために特別に編成された20名(うち女性3名)からなる音楽隊がカンボジア市民との交流を図るため、首都プノムペンの北部に位置する寺ワットプノムの屋外ステージで演奏会を行いました。今回の演奏会のプログラムは「サリカカエウ(九官鳥)」、「錨をあげて」、「エスパニア・カーニ」、「トロンボ・ナンザ」、「荒城の月」、「ハロードーリー」、「踊り明かそう」、「木陰の散歩道」、「恋のカーニバル」の9曲で、カンボジアで人気のある曲が盛り込まれているところが特徴です。

演奏会当日はやや曇っていて蒸し暑かったのですが、ワットプノムの屋外ステージには地元の人々やカンボジア在住の日本人などが多数集まり、地元メディア(テレビ局のTVK)の取材があるなか、上下純白の制服に身を包んだ音楽隊員たちの演奏を楽しんでいました。演奏会では在カンボジア日本大使館の職員の方が司会進行を務め、演奏のほかにトロンボーンやクラリネット、フルートといったそれぞれの楽器の名前と音をカンボジア語で紹介するなど、親しみやすい内容となっていました。

午前11時から12時までの演奏を楽しんだ後、「シハヌークヴィル港に寄港中の練習艦隊の練習艦を見学させてもらえる」と聞き、プノムペンからバスに乗ってシハヌークヴィルに向かいました。シハヌークヴィルはカンボジア随一のビーチリゾートとして知られ、外国人を含む多くの観光客が訪れるところですが、それと同時にカンボジアの海上輸送を担う港町でもあります。プノムペンからはバスに乗って国道を4、5時間ほど走ると着きます。

僕たちは午後のバスでシハヌークヴィルへ向かったため、当地に着いたのは午後6時ごろ。バス乗り場でモトドップ(バイクタクシー)を雇ってその日の宿となるゲストハウスまでお願いすると、「日本の船を見に来たのか?」と聞かれました。シハヌークヴィルの人たちの間で大きな話題となっているようで、ゲストハウスに向かう途中の道では、日本の国旗や「海上自衛隊のみなさま、シハヌークヴィルへようこそ」という横断幕を掲げたレストランや商店などを見かけました。

翌日の午前中、モトドップ(バイクタクシー)に乗って練習艦の停泊しているシハヌークヴィル港を目指しました。港に着き、門番のカンボジア人に「船を見に来た」と告げてゲートをくぐると、正面向かって左手に大きな艦があるのが視界に入りました。一般公開の対象となっている艦のひとつ、護衛艦の「ゆうぎり(基準排水量3500トン)」です。

港と艦を結ぶタラップを登って艦内に入り、隊員の方の案内にしたがって進んで行きました。仮設の案内所のようなところでパンフレットを受け取り、艦のまわりをぐるりと回って行くと、あちこちに魚雷やミサイルなどが装備されているのを確認できます。練習艦とはいえ、「ゆうぎり」は立派な自衛艦なのです。説明板が置かれているため、それぞれの装備がどんな役割を果たすのかを知ることができます。艦内も見学させてもらったのですが、狭い通路の両脇に理容店や歯科医院、自動販売機、食堂、医務室、隊員の部屋などが並び、小さな地下街のような景観です。

途中で会ったある自衛官の方にお話を伺ったところ、航海中は限られた空間の中で何日間も過ごさなければならないため、ストレスがたまるそうです。同じ方に「一番の楽しみは何ですか」と聞くと、「寄港地で酒を飲むことです」という答えが返ってきました。ストレスの解消になるのでしょう。

艦上から沖のほうへ視線を向けると、三隻の艦のなかで最も大きい護衛艦の「むらさめ(基準排水量4550トン)」を護衛するカンボジア海軍の艦が見えました。シハヌークヴィル港付近の水深が十分でないため、「むらさめ」は接岸することができず、港からやや離れたところで錨を沈めて停泊しているとのことでした。

画像左上:音を出しながら、それぞれの楽器の紹介行われた。
画像右上:演奏を聴きに来たオリガミ学校の子供たち。
画像左中:練習艦「かしま(基準排水量4050 トン)」を見学するカンボジア人。
画像右下:艦内も見学することができた。画像は電気系統を管理する部屋。
画像左下:三連装短魚雷発射管など、護衛艦「ゆうぎり」のさまざまな装備を間近で見ることができる。


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