日に日に寒くなり、日照時間も短くなりました。10月28日から、ようやく冬時間に切り替わりました。フィンランドの秋を過ごすのは、フィンランド人でさえ大変な季節です。なぜなら、寒くて、暗くて、天気が悪い・・・とネガティブな事ばかりだからです。気温は5℃前後で、夜は氷点下に下がり、日照時間は短くなる上に天気が悪く、一日中灰色の空なのです。だから、この時期になると憂鬱になる人が増えるとか。・・・と、話題の滑り出しは暗いですが、内容は明るい話題です。
丁度、3年前の9月から、クオピオの町にあるカルチャーセンター(日本で言う市民センターのような所)で、日本語を教え始めました。カルチャーセンターでは、語学を始め、絵画、音楽、手作り教室など、多彩な講座が用意され、参加者も子どもから大人までと、様々です。
当初、日本語の基本コースを1クラス持つ予定でした。私自身は、「こんな北の国でいったい日本語を誰が勉強したいのかしら?申込者も少なくて開講されないんじゃ・・・?」などと、思っていました。が、なんと!予想を遥かに超え、希望者が殺到したんです。結局2クラス増えて、合計3クラスで基本コースがスタート。人数にして約90人弱。驚きました。しかも、申込者の年齢は10代の若者達ばかり。理由は聞くまでもなく、彼らの装いがそれを物語っていました(笑)
授業を始める前に、「どうして日本語を勉強したいのか?」と聞くと、6割以上は「マンガ・アニメ」の影響。そして残りは、「武道関係」を趣味としている人。「音楽・映画に興味がある」や、「近いうちに日本へ留学・旅行・仕事で日本へ行く。もしくは、観光する」という人達です。
マンガやアニメの影響で来ている若者達は、コスプレに近い服装で授業に来ることもしばしば。髪の毛だって、メイクだって色とりどり。そんな彼らは授業中だって、絵を描いています。それが、また上手なんです。
そして、日本の音楽が好きという子達のジャンルは、ビジュアル系ロックバンドやゴスロリ(Gothic & Lolita)系で、主にヨーロッパで活躍されている日本人のバンドのようです。最初のうちは、私も驚いてばかりいましたが、3年目ともなると、私自身も勉強をして話の話題に乗っかったりしてみると、彼らも熱く語ってくれます。
日本語を教えるに当たり、平仮名、カタカナ、漢字を教えるべきかどうか悩みました。けれども、そんな心配もなんのその、ほぼ全員が自ら勉強したいと手を上げてくれました。基本コースでは平仮名・カタカナだけを教えていますが、基本コースが終わった次のコースでは少しずつ漢字を勉強するようにしています。カタカナで自分の名前が書けることにとても喜んでいますし、漢字にはより意欲的です。
現在は基本、初級、中級コースと3つのクラスを教えています。3年前に基本コースにいた学生達の約1割が今でも勉強を続け、彼らは現在一番上のクラス(中級)で日本語の勉強を続けています。このコースでは日本語だけで教えるようにしているので、 3年前から考えると、随分成長しました。だって、日本語で会話ができるんですもの! そして、3年も日本語の勉強を続けるだけあって、ものすごく勉強熱心です。フィンランドに住んでいるのに、フィンランド語のレベルが上がらない私が見習わなければならないぐらいです。
この日本語ブームは、いつまで続くのか分りませんが、日本人として日本語を勉強したいと思う人たちの手助けになれれば、と思っています。そのためには、私はアニメおタクににも、ビジュアル系やゴスロリ系の勉強にだって励みますよ!
画像上:クオピオのカルチャーセンター。この建物は戦時中、軍隊の為に使われていた建物です。レンガ造りのどっしりした建物です(昨年の冬に撮影したもので、現在はまだ雪は積もってません)。
画像中:語学の棟の教室。OHP(overhead projector)やプロジェクター等、必要な設備は揃っています。
画像下:料理教室の部屋。電気コンロに電気オーブンに流し台、と、こちらも申し分ない設備です。 |