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各国特有の料理ってありますよね。日本なら寿司や天ぷら、タイならトムヤムクンだったり、イタリアならピザ、スイスならチーズ・フォンデュかしら。日本人はご近所のアジア諸国や比較的よく行くヨーロッパの国々のお料理を何か一つは言うことが出来ませんか? 日本から 行く人がそれほど多くない、つまりあまり注目されていないフィンランドのお料理って何でしょう? ムーミン一家の食卓には何がのぼっていたんだっけ? スイスのハイジはおじいさんと一緒に美味しそうな白パンにトロトロチーズをのせて食べていたけれど。
はっきり言って、フィンランドには固有の料理というのはないような気がします。強いて言うならトナカイのお肉を使ったスープでしょうか。でも日常的に食べている国民食というのとは全く違います。冬の時期だけ、それも一年を通して一度食べるくらいでしょう。これでは日本でのおせち料理のようです。
普段、あの人達は何を食べているかというと、日本人のご飯とみそ汁にあたるのはライ麦パンと牛乳でしょう。日本人が海外で米を恋しく思うようにフィンランド人は酸っぱくて黒いライ麦パンでなければなりません。日本のフワフワした食パンなんて、全く美味しいと思ってもらえないのですから、不思議なことです。逆に日本人でライ麦パンが大好きっていう人も少数派でしょうから、お互い様ですね。
オールフィンランドロケで完成した日本映画「かもめ食堂」をご覧になったでしょうか? 盛り上がりがない淡々としたストーリーですが、 フィンランド人の特徴やフィンランドの自然の美しさ、アラビアの食器やマリメッコの衣類等いわゆるフィンランドデザインのおしゃれ感がよく出ていて、私は購入したDVDを知人に貸し続けています。ヘルシンキの街角で保守的なフィンランド人に媚びず、日本の食堂であり続けるためにメニューを考え、おにぎりの具を鮭にするという場面がありました。これは日本人もフィンランド人も鮭が身近で大好きだからという理由でした。
しかし、これは日本人の勘違いだなぁと思いました。私もフィンランドに来る前までは、サーモンが安くてさぞかし美味しい事だろうと思っていました。物価が高い北欧にあってサーモンが安いかはともかく、美味しいのはノルウェーであり、フィンランドではありません。フィンランドで売られている鮭はノルウェー産が主流で、九分九厘「ノル・ヤンロヒ」(ノルウェーの鮭)と書かれていて、その隣に並んでいる似ている風情の魚は国産の鱒なのです。この鱒、泥臭くて日本人には馴染めません。醤油でごまかして逃げ切るか、味噌漬けにしてごまかすかしかありません。
フィンランド人のお宅に招待されると、テーブルセッティングはさりげなくお洒落で素敵だな、と思います。ナプキンの見本を一つ渡されて「後は宜しく」という感じで作らされる事が多いので、私はゲストなのに不思議だなぁと思っています。お陰で沢山のパターンのナプキンセッティングを覚えました。そして、必ずと言っていい程あの鱒の丸焼きが出て来ます。日本人が好きだと思っているのではなく、おもてなし料理の定番なのです。鱒もオーブンで焼かれた料理ですが、キャセロール料理も定番です。ほとんど生クリーム等を使ったクリーミーな味付けで、最後にデザートのケーキもありますからヘビーな会食です。普段は質素なので、バランスは取れているのかもしれません。日本人の食卓は贅沢すぎると反省する今日この頃です。
画像上:テーブルセッティング
画像中:トナカイ肉のベリーソース添え
画像下:キャセロール |