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先日、フィンランド人の知人の息子さんからメールが届きました。もうかれこれ6年くらい会っていないので懐かしく、またウキウキしながらメールを読みました。そこには6年前と変わらない家族の近況が書かれていました。
初めて彼らの自宅を訪ねたのは今から8年前。夫の赴任でフィンランドに住むことになった私は「初めての海外生活」で完全に舞い上がっていました。燦々と輝く太陽と鮮やかな草花と共にこの森と湖の国が私を迎えてくれてから一週間後、夫に連れられて週末の夕食会に出かけました。この夕食会を開いてくれたのは夫の職場での取引先のひとつで、個人で製材所をやっている人であり、同時に私達が借りているアパートの大家さんでもありました。
白樺とホワイトウッドの森を抜け、到着したのは喧噪とは全く無縁の自然のまん中にポツンと建つエンジ色のこじんまりした小さな家。どんな人たちが住んでいるんだろうと、とても緊張したのを覚えています。ドアを開けると小柄で人の良さそうなおじさん・レイヨ(Reijo)と、まんまるで優しそうなおばさん・マイヤ(Maija)が、「テルベ・トゥロア(ようこそ、いらっしゃい!)」と言って迎え入れてくれました。その時の彼らの満面の笑みを今でも忘れることができません。
家の中にはイケメン息子のヤニ(Jani)がいて、恥ずかしそうに握手を求めて来ました。夫もまだフィンランドの生活が浅かったので、ほとんどフィンランド語が出来ず、ヤニが英語で通訳をしてくれて、なんとかレイヨとコミュニケーションを取ることが出来る始末。もっと話したい事、もっと聞きたい事があるのにそのニュアンスが伝えられないもどかしさに、帰途についた途端どっと疲れが出たのを覚えています。
それから毎週のように自宅に招いてくれ、こちらも甘えて図々しくお邪魔させていただくようになりました。そのうち私達のフィンランド語もだんだん上達し、息子のヤニがいなくてもレイヨとマイヤとフィンランド語で会話出来るようになっていきました。
フィンランド料理というのは、日本人にとってお世辞にもおいしいとは言えないですが、マイヤの作る家庭料理はいつも手が込んでいて美味しく、そのすばらしい食事の後は、自宅のすぐ近くのコテージのサウナで沢山汗を流し、目の前の湖に飛び込む、という楽しい時間を過ごしました。私達と付き合うことによって、何のメリットがあるわけでもないにも拘らず、日本という遠い国から来た私達のことをフィンランド滞在中、ずっと気にかけてくれました。
それから3年が経ち、夫が日本に帰任することになり、それを告げるために最後の訪問をしました。いつも通りマイヤの美味しい料理の食卓を囲み、最後に「日本に帰ることになりました。今まで本当にありがとう」夫がそう言い終わると、レイヨとマイヤの目からみるみる涙が流れ出ました。
去年、私がプンカハリュの学校の寮に住んでいた時、彼らが突然訪ねて来てくれた事があります。住所だけを頼りに来た彼らが到着した時、私は外出していたのですが、外で時間を潰して再度訪問してくれて懐かしい再会を果たしました。日本人より情が厚い人たちだと改めて思いました。
画像上:エンジ色が特徴の、フィンランドの伝統的木造家屋。材料は松の木で、虫除け効果があるということで農村や漁村ではいまだに多く使われています。
画像中:フィンランド料理の一例。
画像下:フィンランドの自宅用サウナ。フィンランド人にサウナは欠かせません。
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