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外国生活でもっとも、気をつけなければならないのは健康である。言わずと知れたことであるが、誰しも体調を崩すことはあるし、まして事故や事件に遭遇することもある。海外旅行が普通の出来事になるにつれて、そうした割合も比例して上がる。
では、怪我をしたり病気になったりした時どうするか。もちろん病院に行かなくてはならない。日本の医療サービスに慣れていると、海外でのそれは、ただただ不安と恐怖でしかない。もちろん日本語は通じない。通じるのは英語がせいぜいである。英語が分かる若い看護士や医者がいればとてもラッキーだ。
今回は私事ながら入院する羽目になった体験をもとにウクライナの病院・医療事情を伝えます。結果から言えば、病気でも何でもなく単なる疲労と摂食不良によるもので、病院に静養をしに行ったようなものである。
まず、手順から言うと、救急隊を呼ぶ。これは、治療をするというより症状について相談をする係というものである。ウクライナ人に頼めばすぐに電話してもらえる。ウクライナでは、日本の町医者と病院という二つの制度になっている。症状が軽い場合、町医者に連れて行かれる。そこでは治療の方法を一緒に考えてくれる。しかし、救急隊が直接電話してくれた場合は、担当医が見てくれるが、そうでない場合は診察時間を気にして行かなければならない。
町医者といっても建物は立派な病院クラスであるが、日帰りでする治療である。この町医者の所へ行くときは、タオル、お金、パスポートが必須である。救急隊は病院で血液検査することを勧めた。救急車内部は、あまり設備というものがなく、棚はなにやらビニールにくるまれた使われてなさそうな機材が少しあるだけであった。
ここで注意であるが、病院に行くというのは即入院である。必須携帯品として、寝巻き、草履、タオル、そして洗面具である。病院へ着くと、まず検診医が症状をみて、おおよその初診カルテを作成する。これは吐き気があるか、いつからか、といった質問によって作成される。また、心電図をとられる。ここで、言葉が出来ないとかなり心細いことになる。しかし結構いろいろ聞いてくれるので、筆談や英語でも何とか伝えられるだろう。ただし、話す気力があればの話である。
診察が終われば、「付添い人」によって病室に連れて行かれる。この「付添い人」というのは病室の掃除や、いろいろな世話を焼くひとのことである。たとえば検診があるときには、彼女(もっぱら、ウクライナでは看護婦、付添婦と、すべて女性の仕事である)が付き添って検査室に案内、各医者に説明してくれる。
病院は三食付いていて、食器やサジが無い場合には貸してくれる。コップ(お茶などの配給用)は、基本的に持参であるが、ない場合は、ジャムの瓶のようなものを貸してくれる。
わたしも正直医療設備に非常に不安があり、もしかして反対に病気になるのではと思ったりしたが、なんと病院の設備はそれほど悪くはなかった。看護婦(ウクライナ語で「医療姉妹・医療嬢」程度の意味になる)の活躍はすばらしく、ウクライナに来て初めて「サービス」産業の存在を知った。看護婦は皆若いので、最新の教育を受けているようである。英語もある程度わかり、患者の扱い、ケアはまさに慈悲と厳しさのこもったすばらしいものだった。しかし、仕事のきつさは相当なものである。
まさに簡易人間ドックのようで、検査を毎日受けた。そして毎日問診を受ける。ある日は、問診は夜中の12時であった。一人一人にかなり時間を割いて問診をするから時間がかかるのである。結局、一週間入院して、かかった費用は3,000円だった。保険無しの値段である。
画像上右:病院建物
画像上左:初めに入った病室
画像下右:病院の朝ごはん。
画像下左:夜中の回診。一人に5分以上かけて丁寧に話し合っていた。 |