■ウクライナ住宅事情(リハウス篇) 2008.2.5 update

ウクライナの「家」は、アパート住まいが中心である。もちろん、町の中心を離れると、一戸建てもおおい。

このアパートだが、日本では「団地」やマンションといったものである。鉄筋コンクリート作りで、基本的にエレベータが完備されている。旧ソ連時代のフルシチョフ首相時代の政策によって建設されたというアパートは、5階建てで、基本的にレンガ造りである。しかし、エレベータがなく、間取りも狭く、現在では建て直しの是非がでている。

建て直しとなると、その人たちに部屋をあてがわなくてはならず、また現在では部屋の値段が考えられないほど上昇して、一般の人が購入できる代物ではなくなっている。

現在、キエフの都市部では、部屋の売値は、東京都のそれとあまり変わらない。中間層の平均収入がやっとこ400ドルに届こうかというのに全くもって以上である。ソ連時代ではアパートの部屋は国から支給だったので、支給された部屋が現在とても好条件の物件ならば、外国人に貸したり、売ったりして、ひと財産を築こうという人がたくさんいる。

さて、残念ながらウクライナのアパート群は、建築技術の「質」がまったくなっていない。5年も経てば30年物の「公団住宅」みたいに見える。現在、最新のデザイナーによるアパートが雨後の竹の子のように生えてきたが、外面は斬新でも内部の設備や建付けレベルは「ソ連」である。このあたり、現在ではかなり一般的になった外国旅行やテレビや雑誌程度の情報ぐらいでは、改革が訪れることはないようだ。

まともなレモント(リハウス)をすると、数百万かかるといわれる。よってお父さんがたは日曜大工に精をだす。ウクライナではこれが「お父さん」の役目の一つである。資材市場に足しげく通い、お好みの柄の壁紙、パネル、タイルを探す。もっともその選定権は奥さんに専用。何日も通って見つかれば注文する。もちろんそのまえにレモントの構図は頭に叩き込んであり、壁の寸法や家具の配置、日差しの具合、色調和すべてが計算尽くされている。さらには、四季それぞれの雰囲気も考えられている。こうしたことから分かるように、ウクライナ人は日ごろから自分の家(部屋)について、熟知しているのである。

以前はデリバリーという感覚が育っておらず自分ですべて手配し運ぶか、店がトラックで運んでくれても、家の入り口までという有様だったが、最近では家のなかまで運んでもらえるように、「資本主義化」した。工人を雇うか否かは、ご主人の腕次第というところ。工人は、工事をするだけである。基本的に材料は発注荷主がすべてそろえるのである。

この方式は新築の部屋を買ってもそうで、家の値段には、内装費は含まれないどころか、便器、蛇口までもない。まさにハコだけである。そこから持ち主になった人が、すべて自分の好みにレモントするのである。

知り合いには、すべて自分でする主義で、工具一式もっている。お風呂のタイルの張替えに半年、取り替えた窓の枠の整備に半年・・・・というように年がら年中どこかを「修理・整備」している。部屋にいると、かならずドリルやトンカチなどの音が隣近所からする。

ある友人は「1階上の住人は、ここ4年間ずっとレモントしてて、おそらく4年前に直したところがそろそろ壊れるころだろうから、またスタートへもどるだね」と渋い顔をしていた。自分の家は自分で自分の好みにする。ウクライナでは、家に招待が最高のもてなしである。家に入るとすべてを案内して見せてくれる。家族とその家は人生の誇りそのものなのである。

画像上:買ってきた陶器タイルと壁紙。壁紙はドイツ製が、タイルはベロルーシやイタリア製がよいという。この床をタイル張りにするとのこと。このあたりも自分で試行錯誤しながらの実践らしい。
画像中:注文した窓を設置してもらい、あとは自分でセメントで埋める。ついでに壁紙も変更予定らしい。この後、石膏を塗って整える。
画像下:半年かかってやり遂げたというタイル張り。素人としては上出来。レモン(リハウス)とは完成まで、自己の都合や職人の都合で一年がかりもざらである。職人も個人契約が多い。


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