■冬の楽しみ方 2007.12.4 update

今年のウクライナの冬はすこし早い。11月なのに雪が降り出して、もう積もっている。例年なら12月になってからなのだが。何年か前のように、何十年ぶりにか氷点下30℃にもなる冬がやってくるのか。あまり想像したくないものである。

冬は、通常マイナス10℃前後である。もちろん道は雪で覆われる。道で遊ぶことはできない。しかし、人々は夏とおなじく公園へ行く。雪かきされた公園をひたすら散歩するのである。まさに散策である。こうした光景は夜中までつづく。こうした寒い季節の楽しみとしての最大は、演劇である。大小多くの劇場がキエフにはある。もう、演劇のシーズンが始まってだいぶ経つが、これは来年の6月頃までつづく。この間、ほぼ毎日劇場では演目がある。オペラ、演劇、コメディ、人形劇、コンサートなどなど、それぞれの劇場では毎夜催し物がある。

日本では、演劇一回見ると何千円、オペラ数万円ということがる。こうなるとなんども行けない。しかし、ウクライナでは演劇やオペラなどというものは、特別にお金をかけて見に行くものではない。せいぜい、1,000円までである。先日も見に行ったが、一番有名な劇場で、500円程度であった。キエフの人々にとって演劇鑑賞や、コンサートはテレビの連続ドラマを見るようなものである。お目当ての作品をさがしたり、好きな演者をみつけたりして、足繁く通う。チケットは街角の切符売り場や、劇場の窓口で買える。早めに買うと席も指定できる。演目はだいぶ前から決まっている。

劇場には、みんなすこし着飾ってくる。華やかなものである。学生や若い人たちはラフな服装でくるが、カップルなどは男がエスコートしてくることもある。劇場に入ると、まずチケットをみせてコートなど上着を預けるコーナーへといく。そこで服や荷物をあずける。ここでは、オペラグラスを借りることが出来る。有料で100円程度である。

開幕まで時間があれば、建物内にあるバーで一杯飲むことも可能だ。というか、こちらで開始前や幕の途中でワインやブランデー、シャンパンなどを飲むのが普通である。もちろんジュースやコーヒーもある。幕の合間ですこし飲んで、そして次の幕の内容についていろいろと話を咲かせる。人々は本当に演劇を楽しもうとしている。お酒も手伝って、観客は演劇の盛り上がりに一役買うのである。役者のすばらしい台詞や演技に拍手を惜しまない。時には大声で笑い、掛け声もでる。

なにか、日本では畏まって、静かに聴くように教わりがちだが、コンサートではないので、みんな劇の中に入り込もうとする。もちろんウクライナ語やロシア語での芝居なので、ある程度言葉を知らないと劇の内容がわかりづらい。しかし、コメディは分かりやすいものが多いのでおすすめだ。ウクライナでは演劇大学あり、そこを出た若い人たちが往年の名役者とともに、劇を創っていく。演劇は生ものなので、同じ演目でも毎回演者によって異なるし、劇場によっても異なる。

映画とはまたちがった、役者が直に、観客に言葉と身体で訴えかけるこのすばらしい空間に毎日浸っていると、冬の雪に埋まった閉鎖感が返って、とてもよい真理的な効果をあげているような気になる。

□以下のサイトで、キエフの各劇場の演目などがわかります。
http://www.kartka.com.ua/dovidnik/kultura/teatr

画像上:キエフ国立フィルハーモニー交響楽団の建物。年代モノの建築である。
画像中:ウクライナ語の演劇場としてはもっとも有名なイワン・フランコ記念国立芸術ドラマ劇場。
画像下:ウクライナ国立歌劇場。


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