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キエフにある有名な公園といえば、町の中心地にあるタラス・シエフチェンコ公園や、ウクライナ国会の横にあるマリンスキー公園が有名です。これらの公園は、歴史的に由緒あるもので、それを偲ばす銅像や記念碑を見る事ができます。
以前も書いたとおり、ウクライナ人は公園を使うのが非常に好きです。喫茶店に行くよりも公園で会って話したり、休んだり、時間を潰したりするのが好まれます。公園の整備も進んでいて、非常に綺麗です。この季節になると、公園の植物の植えなおしがおこなわれ、小さな耕運機や鋤鍬をもった整備員たちが一日中公園の土をひっくり返したり、種をまいたりしています。
自動スプリンクラーも整備されていて、ベンチで昼寝していると突然の放水にずぶ濡れになることもあります。しかし、ウクライナ人はちょっと濡れたぐらいでは平気で、時にはその放水の中に突入する若者も多いです。もちろんそれは男だけに限りません。噴水があれば、人々は中に入り水を浴びたり、掛け合ったりすることもしばしばです。こうしたところは、日本ではあまり見かけないことかもしれません。日本では、公園・噴水共に一種飾り的なところもあり、中で何かするということはあまりないですが、こちらの人はとにかく楽しもうとします。もっとも水に濡れることを恐れないのは、乾燥する気候であることから、すぐに乾いてしまう事にあるからだとおもいます。女性がそれで、スケスケになっていても、ちっちゃな事に気にせずへっちゃらで堂々としたものです。
さて、こうした街中の公園とちがって、キエフ市の周辺に行くともっと大きな公園があります。色んなガイドブックにも載っているのですが、野外ウクライナ民俗・建築博物館といわれるものです。はじめて来た人には、バスを乗り継いで行くのはなかなか難しいかもしれません。しかし、その公園はウクライナ中の家や教会などを集めて展示してあり、それぞれの地域のその特徴が良くわかるようになっています。敷地も広大で、貸し自転車みたいな便利なものはないので、公園内は歩きになります。丘に立つ風車小屋、かつての村をイメージした家屋群、17世紀の木造の教会、かつての校舎などがあります。公園内にはレストランやショップもあります。教会は今も活動していて、街中にある石造りのものとはちがって、かつて村人の信仰のすべてを集めていた場所を訪れることができます。
この公園では、春から秋に掛けていろいろな民俗芸能や儀礼のイベントがあります。多くは日曜日にありますが、教会の祭日にもおこなわれることがあります。基本的に無休です。バスで行く時には、ピロギフ博物館と書いてあることがあります。これはこの博物館がピロギフという村にあるからです。この博物館は、キエフの人の憩いの場になっています。お弁当をもって若いカップルがここにやって来ます。広い野原に寝そべってゆっくりした時間をすごしています。最近入場料が少し上がり、200円程度になっています。こうした、巨大な野外博物館としての公園は、ソ連時代の文化政策のたまものです。リヴィフ(ウクライナ西部の都市で、リヴィフ州の州都)にも同様のものがあります。
しかし、こうした憩いの場にも経済的・政治的な混乱が押し寄せています。この博物公園のまわりは環境保護地区で森が残っているのですが、ソ連時代にとくに決められた証明書や公文書がなく、これを逆手にとって開発を手がけようとする企業が後を絶ちません。すでに、保護区の30パーセントが企業の手に渡ってしまいました。こうした動きに研究者や市民が抗議に動いていますが、法の整備が遅れに遅れて成すすべがありません。本当に残念な事です。
画像上:有名なアニメに出てきた家にそっくりな民家。中はレストランになっている。
画像中:馬車もあるので、これですこし遠くまでいける。
画像下:カルパチア地域(ウクライナ西南端)の教会。ここだけは独特の形をしている。 |