|
ウクライナといえば、農業を想像する人が多いと思います。今でも、ウクライナに広がる肥沃な黒土地帯では、小麦や、テンサイ、ひまわりの栽培が盛んです。
帝政時代からウクライナは「ヨーロッパのパン籠」とよばれていました。18世紀末以来、南ウクライナに広がるステップ地帯で、貴族や資本家達によって大規模に開墾され、輸出を目的に「アグロビジネス(農業関連産業)」が行われていたからです。黒海沿岸にある港町のオデッサ港から大規模に輸出されていました。第二次世界大戦下では、深刻な食料不足改善のためにウクライナに進入したナチス・ドイツ軍がウクライナから徴発した食糧の量は、ソ連占領地域から徴発した量の85%に及んでいます。なんと貨車で黒土を持って帰ろうとしたそうです。
スターリンが1930年代行なった農業集化によって、ウクライナでタイヘンな飢饉がおこりました。1930年、ウクライナの穀物生産は2100万トンと良好でしたが、集団化のためウクライナ国内が混乱し、翌年には1400万トンにまで落ち込んだ。モスクワの党・政府は、飢えている農村地帯から力ずくで穀物や農作物を奪い取った。300万人から600万人の餓死者が出た。都市部ではなく農村部の住民が飢え、穀物生産が少ないロシアで餓死する者がなく、穀物生産地帯のウクライナで大量餓死者が出たのはタイヘンな皮肉だと思います。
もう一つ、ウクライナで忘れてならないのが、カルパチア山脈を中心に西ウクライナ地方に広がる森林地帯です。森林地帯ではブルーベリーを中心にベリー類、秋にはヨーロッパでもっとも美味しいとされそしてイタリア料理に欠かすことができない「ポルチーニ」が収穫されます。ブルーベリーはヨーロッパ最大の産地で、オランダやフィンランドなどの主なヨーロッパでブルーベリーの産地とされているところに輸出されています。日本で食べられているブルーベリーもウクライナ産かもしれませんね。
アメリカ産のワイルドブルーベリー日本で有名だとおもいますが、ウクライナ産のブルーベリーは完全天然物で、化学肥料や農薬が使われておらず、アメリカ産のものよりも安心していただけます。実は、あまりにも山の中に生えているので、肥料やりたくてもやれないそうです。「ポルチーニ」も、イタリアに輸出されています。
このように農業国家のウクライナは、これからどんどん注目されると思います。もしかしたら、日本のマーケットにたくさんのウクライナの農作物が入っているかもしれません。
画像上:ウクライナ産のボルチーニ茸
画像下:ウクライナ産のブルーベリー
|