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日本の標準語は明治期に作られた人造語ですが、今ではすっかり定着してます。そのせいか「英語にも標準語がある」ってのが、日本人にありがちな思い込み。世界各国からの観光客を相手にしている僕も、世界共通標準英語があるといいのになぁと常々感じています。無いんですね、そういう便利なモノ。日本で習うのは「米国語」で、「英国語」とは発音はもとより、「center」と「centre」のように綴り、あるいは「fall」と「autumn」のように単語そのものが違うなど、東京弁と関西弁くらい差があります。じゃぁどっちが「標準」かと問われれば、それぞれに「オラんとこのが正しい英語だべ」と主張するに決まってます。ってなわけで、今回は「僕にとっての正しい英語」であるニュージーランド(以下NZ)の方言、キウィ・イングリッシュをご紹介します。
語弊を承知で、まずはキウィ英語とは何ぞやってのを乱暴にご説明しましょう。キウィ英語は英国系の言葉ですが、上品なクィーンズ・イングリッシュ系というよりは、むしろロンドン下町弁「コックニー(Cockney)」系のようです。NZ独特のスラングといわれているものも、実は英国方言由来がほとんどのようで、NZ生まれの純粋キウィ・スラングというのはわずかのようです。ここでは純粋キウィ英語だけじゃなく、お隣の豪州や英国(のどこか)でもよく使われるものをひっくるめて、日本人にはあまり馴染みのない(つまり米国人にも通じにくい)面白いものをピックアップしてみます。
まず訛りの話をしましょう。前に書いたとおり全体的には英国系に近くて、米国のように「R」を大げさな巻き舌にしませんし、母音はローマ字読みに近い発音なので、日本人にはむしろ取っつきやすいのですが、二重母音「エイ」が「アイ」に変化するのが大きな特徴です。また短母音「ア」が「エ」、「エ」が「イ」に変化します。ですから、たとえば「May I have that pen?」は「マイ・アイ・へヴ・ゼッ・ピン?」ってな感じに聞こえ、米国人がキョトンとすることもしばしば。お子様をNZに語学留学させようと考えていらっしゃる親御さん、考え直すなら今です。え、もうすでにNZ留学中? ありゃまぁ、そりゃ早まりましたね。
単語や表現にうつりましょう。すでに何度も出てきている「kiwi」という単語は、もともとは飛べない鳥(NZ固有種)の名前です。フルーツの名前にも流用されていますが、でもNZで使われる「kiwi」という単語は、そのほとんどが「NZ人」や「NZ」という意味のスラングです。
挨拶も独特です。「G'day, mate!」(= Hello friends!)ってのは有名ですね。豪州も同じ挨拶を使いますが、シドニーオリンピックの開会スピーチを、IOCサマランチ会長(当時)が「グッダイ、メイト」で始めて大喝采を浴びた一幕は、まだご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。でも氏の発音はちと甘いですね、「ギライ、マイッ!」がこちら風。
「How are you?」もこっちでは「How's it going?(ハウズ・ゴーイン?)」、“ありがとう”は「Cheers(チアズ)」、“どういたしまして”は「That's OK」や「No, worries(ノゥ・ウォリィズ)」。“ありがとう”を「ta(タァ)」、“さよなら”を「tata(タタァ)、またはtara(タラァ)」という人もときどきいますが、これらはもともと英国の幼児語。「Cheers」を“さよなら”のニュアンスで使うこともあります。先住民のマオリ語もかなり浸透していて、「Hello」の意味の「Kia ora(キオラ)」はポピュラー。特に観光業ではよく使われるので、NZ旅行するとよく耳にすると思います。
紙面がつきました、来月に続きます。Ka kite ano(=See you again)!
画像上:「kiwi」といえば、もともとはこの鳥の名前(そもそもはマオリ語)。
画像中:世界的には、「kiwi」といえばNZ名物のこのフルーツを思い浮かべる人が多いはず。でも原産国は、実は中国!
画像下:でも本場NZで「kiwi」といえば、「G'day, how's it going, mate!?」、「Cheers, mate!」などを連発する陽気な連中を意味する言葉。彼らは自分たちのことを「New Zealander」とは呼ばない。
【短信】二ヶ月弱の日本滞在を終え、まだ完成していない新居に戻ってきました。未完成の家では引っ越し荷物の荷ほどきもなかなかままならず、不便な暮らしをしていますが、それでも狭い借家と比べると天国です。(11/19)
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