■雨漏り症候群対策 2007.9.4 update

過去三回分の短信に、自宅建築のことを書きました。先日内壁を貼り終え、ようやく仕上げ作業にこぎつけました。ここまでは大工さんと僕の共同作業で建ててきたのですが、仕上げは完全に分業です。大工さんには風呂場を作ってもらい、僕は台所や洗面所の担当。あと二週間で引っ越しを完了したいので、焦っています。

ともかく、自分で実際に家を建ててみると、プロにまかせっきりにしているだけじゃ分からないようなことを見聞できて、なかなか面白いもんです。そんな中で、今回は最近のニュージーランド(以下NZ)の住宅にまつわる問題をお届けいたします。

今世紀に入ってから、NZは突然不動産バブルに襲われました。中古住宅の売買もものすごく盛んで、5年ほど前には売り物件が底をつき、売り出される物件も一両日中に売れてしまうような状態でした。中古住宅を購入した人は、たいてい改築します。大工さん大忙し。もちろん新築ラッシュも同時に起こっていました。新たに住宅地がどんどん開発・分譲され、新しい家が国中にどんどん建ちました。ますます大工さん大忙し。不動産価格急騰。そしてNZ経済も活性化してNZドルの値上がり。それにともなって全体的に物価が上昇。これがここ数年の傾向です。

話を広げすぎると僕の手にはあまるので、また住宅に話を戻しますが、建築ラッシュのせいで、建材も労働力も足りなくなってきました。材料費や大工さんの手間賃が値上がりして高くつくようになったのは、頭の痛いところです。でももっと大きな問題も浮上してきたんです。タイトルの「雨漏り症候群」です。

ブームにつけこんでヤッツケ仕事をする業者が出てきちゃったんですね。乾燥が不十分の材木が出荷されたり、大工さん自身がいい加減な仕事をしたりして、改築・新築したばかりなのに激しい雨漏りをする家が、今まででは考えられないほどの頻度で続出し始めたのです。

NZは小さな国ですので、こういうときの対応はとてつもなく速いんです。問題になり始めた直後の2004年には、対策法案が通過しました。建築許可基準や検査官のチェック基準を引き上げると同時に、施工の段階でもかずかずの雨漏り対策を義務づけたのです。

そして、まさに僕らが家を建て始めた今年が、ちょうどその導入直後にあたる時期でした。そのせいで、我が家は最新の雨漏り対策がほどこされているのですが、大工さん達にとっても、実際に施工するのは初めての工法が目白押し、現場は困惑、困惑、また困惑の連続でした。

大工さんたちさえ困惑しながら施工した、我が家の「雨漏り症候群対策」をご紹介します。詳しくは画像をごらんいただきたいのですが、特に念入りに防水対策を施す必要があったのは、窓枠まわりです。最初にフレームに防水テープを貼り、窓枠の上に雨切り板をとりつけ、内側からフレームと窓枠の間に細いフォーム材をつっこみ、さらにその上からスプレー発泡フォームを吹きこむという念のいれよう。僕はひょっとして船を造ってるのだろうかと思ったほど。ちょっと前までは、この四つの防水処理は不要で、窓のとりつけは非常に簡単だったそうなんです。

大工さんは、「こんなもの使わない従来通りの工法だって、ちゃんと施工すれば水一滴漏れやしないのに」とブツブツ。僕ら施主にとっても、余計なモノを買わされ、その施工のために大工さんにも余計な手間賃を払う必要があるので、経済的負担もバカになりませんし、当然工期もその分伸びます。一部の心ない業者のてきとうな仕事のおかげで、多くの人がずいぶんと迷惑をこうむってますが、僕もその被害者の一人です。

というわけで、これからNZで家を建てたり改築する方、お覚悟を。ちなみにここでご紹介したのは我が家の構造で必要だった設備で、別の構造の家ではまた違った設備が要求されるかもしれませんので、その点はご了承ください。

画像上右:窓が入るところには、フレームの角にフラッシング・テープという高価な防水テープを貼る。
画像上左:窓のサッシのすぐ上には、ヘッド・フラッシングという雨切り板をとりつける。
画像中右:フレームと窓枠のあいだには、まず細いフォーム材をつっこむ。
画像中左その上から、スプレー式発泡フォームを吹きこむ。
画像下右: 屋根の端っこにも、新規格の雨切り板が義務づけられた。
画像下左 ベニヤ板は最長2.7mなので、それより高い壁は継ぎ足さねばならない。つい先日までそのまま継いでよかったが、今はZフラッシングという雨切り板が必要。

【短信】本文に書いたように、自宅の仕上げ作業に没頭する毎日。この号がアップされる頃には、新居に引っ越しずみのはずなのですが。でも引っ越したあとも、洗面台、本棚、娘たちのベッド、自分や妻のデスク、ベランダ、ガレージなど、作らなきゃいけないものは山積み。楽しいのやら、苦しいのやら(笑)。(8/19)

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