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長女の幼稚園に、新しい「顔」がやってきました。と、幼稚園の話をはじめたら、2006年3月号「幼稚園3歳児コース編」で、4歳児コース編の予告をしたのを思い出す方もいらっしゃるかもしれませんね。ヤブヘビに噛まれる前にいいわけしちゃいます。えっとですね、年長組って思ったほど年少組と差がなかったんです。年少はまだ協調性がないので個々に勝手に遊ばせている感じ、対する年長はグループでルールのある遊びをやらせる機会が増えます。でもそんなの日本の幼稚園だって同じだよなぁ、もっとユニークなネタはないかなぁなどと思ってるうちに、4歳児コース編を書きそびれてました……。
あっそうそう、一つ面白いなと思ったことがありました。年長組には遠足がひんぱんにあるのですが、中でもよく出かける先が、なんと隣の幼稚園。先方の園児といっしょに遊ぶだけなんですけど、こんな遠足、日本にもあります???
閑話休題、本題の「新しい顔」です。もともと幼稚園のゲートは、色気も素っ気もないメタル扉だったんですが、つい先ごろ先住民マオリの意匠をほどこした木製彫刻ゲートがお目見えしました。なんでも立案から足かけ6年の宿願だったそうで、長女の在園中に実現しただけでもラッキーなのに、彼女は除幕係にも選ばれちゃいました。でも当日朝いきなりのご指名で、事前に親に知らせるとか、前日にリハーサルをやるとか、そういう段取りなんてまったくなしいかにもニュージーランド(以下NZ)らしいのんきさです。さらにこの除幕式の様子がローカル新聞のトップをカラー写真入りで飾ってしまうのが、さすがニュースの乏しい平和なNZのド田舎といった感じです。
それはさておきこのゲート、マオリ語でポウポウ(poupou)といいます。彫ってあるのは単なる飾りじゃなくて、色んな意味がこめてあるんだそうです。まず真ん中には園児たちを象徴した顔が彫ってあります。これは分かりやすいんですが、両サイドのいろんな模様は何のことやらサッパリ。一番下の模様から見ていきましょう。
中央の顔のほっぺたの両脇に円いものがあって、そこから4本のラインが両端に向かってのびていますね。これはマオリ語でフェケ、なんとタコだそうです。そういわれれば吸盤がついてます。こういうモニュメントにタコってミスマッチな気がしますが、柔軟性と知的好奇心の象徴だときくと、なるほど幼稚園にふさわしい意味だなと納得。でもタコがでてくるなんて、やっぱり異文化です。
さてタコの上には、からみあった2本のラインが彫ってあります。これは近所を流れるモトゥエカ川。さらにその上は、オグロシギ(チドリ目シギ科)、マオリ語でコアコが並んでいます。コアコは繁殖のために、このあたりの海岸に毎年渡ってきます。園児が3歳の誕生日から5歳の誕生日までの2年間を幼稚園ですごすことを、コアコの渡りになぞらえて表現したんだとか。
最後に一番上ですが、幼稚園の庭にそびえるオークの大木の葉っぱと、幼稚園から見えるカフランギ国立公園の山脈が交互に並んでいます。三角テントみたいなのが山です。幼稚園の名前の由来が庭のオークの大木なので、一番上の列に幼稚園をみまもる山脈とともにオークの葉っぱが並んだということです。こんな小さな彫刻一つで幼稚園の表情がガラリと変わり、何やら立派な感じになってしまいました。長い歴史を持つ文化の威力は、やっぱりスゴイですね。
ところでこの号がアップされる直前に、長女は卒園そして小学校入学です。日本だったら幼稚園に入ったばかりという頃合いなのですけどね。NZでは5歳の誕生日が幼稚園最後の日、その翌日から小学生というのが一般的。ですから幼稚園の入園、卒園そして小学校の入学は個々バラバラで、みんなそろってのセレモニーは小学校の卒業式が最初です。小学校の様子はまたの機会にお届けしたいと思いますが、さてどうなりますことやら。
画像説明文
画像上右:「キウィバード」、「ひつじ」など女性的なイメージの強いNZだが、こうした力強いポリネシア文化も、まぎれもないNZのもう一つの姿。
画像上左:除幕式。向かって右が不肖の長女。
画像中:幕が引かれて……、ポウポウのお目見え。マオリの古式に則り、グラディス・タナフエ司祭がマオリ語で祈りを捧げている。
画像下右:祈祷が終わったら、いよいよ園児たちが新しい門をくぐって園内へ。
画像下左:左は司祭、右の男性がポウポウを作った彫刻家ティム・レイト氏。
【短信】世界一の商業シーカヤック・フィールドは、イースター休暇の大混雑のピークをやっと終えて、少し落ち着いてきました。いよいよ観光オフシーズンです。半年の激務の疲れがどっと出てきています。いやはや。(4/19) |