■NZの不動産≒日本の車!? 2006.9.5 update

謎かけめいた変なタイトルですが、両国の感性の違いを不動産や自動車を切り口に見てみようというお話です。比較文化論? いえいえ、そんなたいそうなもんじゃござんせん、お気軽にお読みくださいまし。

日本では不動産は一大財産、庶民にゃ一生に一度売買するのが関の山という感じでしょうか。一方、自動車は特に調子が悪くなくてもだいたい5年目とか7年目、せいぜい9年目の車検で買いかえてしまうパターンが多いですね。そんなこと、わざわざ言われるまでもない常識ですよねぇ。

ところが日本の常識は世界のなんとやら。NZの場合は不動産の売買はものすごく盛んで、何度も家の売買する庶民は決して珍しくありません。土地転がしじゃないですよ、あくまでも自宅用物件です。NZには勤続ウン十年を尊ぶ気風はまぁ〜ったくなくて、むしろ数年ごとに職場をかえるのがポピュラー。職種そのものをコロコロかえる人も珍しくありません。

40歳をすぎて大学や職業訓練校に入って未経験分野の勉強をしなおして転職する人も少なくないですし、「もう5年も同じ仕事してるな。そろそろ気分を変えたいから、今度はどっかもっと暖かいとこに引っ越して、適当に仕事探そっか」なんのもよくあるパターン。

独身者なら驚きませんが、NZでは妻子持ちでも同じです。国民総フリーターというと叱られるかもしれませんけど、とにかく日本人とはまったく職業観が違うんです。そういう数年ごとの転職&引っ越しのたびに、キウィ(=NZ人)は家を売買してしまうケースが多いのです。まるで日本人が自動車を買いかえる感覚とそっくり。

さらに驚くのは、NZは農家だって例外じゃないということ。「飽きたなぁ」といって農地を全部売ってどこか遠くの農地を買って引っ越してしまう。「飽きたなぁ」といって農地を全部処分してまったく違う仕事に転職する。「飽きたなぁ」といって全財産を売っぱらって、どこか季候のいいとこに小さな家を買って(建てて)隠居する。どれもときどき耳にする話です。先祖代々の土地でずっと農業っていう家もありますが、もともと歴史の浅い移民の国ですから、むしろそちらの方が少数派かもしれません。

一方の自動車、人口の多い北島はわりと新しい車が多いようですが、僕の住む南島のド田舎なんてかなりスゴイですよ。10年、15年落ちはごく普通、ダットサン・チェリー、トヨタ・パブリカ、マツダ・コスモなどの往年の名車もまだときおり見かけますし、もっと古い1960年代製英国車もけっこう下駄がわりです。掲載した画像は20歳を超える妙齢の日本車ですが、この程度ならそこらじゅうにゴロゴロしていて、現にこれらは5分以内に次々にカメラにおさめたものです。

日本の不動産売買にたとえるとさすがに大げさですけど、でもおしなべてキウィは日本人より同じ車を長く使うようです。古いモノを大切にし、使い捨てをいさめる英国譲りの文化を継承しているのも理由の一つですし、車検費用をはじめとする維持費が安く、高年式の中古車でもそれなりの値段で売れてしまうというのも大きな理由です。

ためしに手元のローカル新聞を見てみますと、「1993年(平成5年)式ホンダ・シビック、オートマ、69,900km走行」の価格がNZ$16,500、2006年8月現在の為替レートで約120万円!あれ?んなわきゃないな。あっ、こりゃ隣のBMWでした、失礼。13年落ちシビックはNZ$6,500(約47万円)です。

けっこうなお値段でしょ? まだどこも具合が悪くなってないのに10年落ちになって下取り価格が安くなる前に買いかえなきゃ、なんていう心配はいらないんです。え? NZに我が家の車を売りに行こうかな、ですって? う〜ん、高く売れるかもしれませんが、僕は保証できませんからね、あしからず。


画像右上:つい先日まで馬が十頭ほどいたのに、急に売りに出た近所の農地。「売地 5エーカー」の看板が出ています。5エーカーは約2ヘクタール(20,000平方メートル)です。
画像左上:1982年(昭和57年)生まれのホンダ・シティ嬢、御歳24歳哉
画像右上:1984年(昭和59年)生まれのトヨタ・スターレット嬢、御歳22歳哉。
画像左中:1981年(昭和56年)生まれの三菱・ランサー嬢、御歳25歳哉。
画像右下:1984年(昭和59年)生まれのトヨタ・コロナCX嬢、御歳22歳哉。
画像左下:1981年(昭和56年)生まれのダットサン・パルサー嬢、御歳25歳哉。。

【短信】例年になく冬の訪れが早く、しかも冷え込みがやたら厳しかったかわりに、春の訪れもやたらに早い今年。8月初頭には庭の木々がどんどん花をつけ始めて、暖冬だった昨年と良い勝負。いささかビックリしつつも、厳冬を覚悟していたので大喜び。(8/17)


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