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お待たせいたしました、エイベル・タズマン国立公園(以下AT/NP)の楽しみ方の続きをお届けします。まずトレッキングから。先月ふれたようにAT/NPには海岸線コースの「コースト・トラック」と、準山岳コースの「インランド・トラック」の二つがあります。前者がニュージーランド(以下NZ)を代表する「グレート・ウォークス」の一つに指定されている超人気コースなのに対して、後者は真夏の繁忙期でも人影まばらなルートです。
お薦めは、ずばり前者。山岳コースだったら、NZには素晴らしいトラックがいくらでもありますが、美しい海岸線沿いのコースは少ないです。もちろん日本にも海岸線トラックはほとんどありませんね。しかもNZの中でも整備状況、コースの易しさ、ともにトップクラスで、先月書いたとおりウォータータクシー便も充実しているので、どなたにでもお楽しみいただけます。
注目は、「タイダル・クロッシング・ビーチ」。このエリアは、NZでもっとも潮の干満が大きく、最大で一日に4.5mも海面が上下します。干潮時には美しい干潟が無数に現れますが、その中のいくつかが正式な「干潮ルート」として指定されているのです。これがタイダル・クロッシング。たいていのタイダル・クロッシング・ビーチには、満潮ルートも用意されていますが、オネタフティ北端とアワロアの二ヶ所は干潮待ちをしなくていけません。ヴィジターセンターなどで、事前に潮汐表を確認しておきましょう。
時間が許せば、先月画像を掲載したテ・プカテア・ベイを訪れてみてください。ここへの入り口は、アンカレッジのキャンプ場の奥にある「ピットヘッド・トラック」というサイド・ルート。メイン・ルートから外れているので比較的静かですし、展望台からの景色は息をのむほど。イチオシのスポットです。
「混雑したルートはやだ」「ちょっと他人と違うことしたい」という方は、「インランド・トラック」をどうぞ。準山岳コースとはいえ、ときおり海を見下ろす絶景も楽しめます。ただし人通りが少ないので、怪我や病気にはくれぐれもご注意を。また冬は雪が降ることも。
さて、トレッキングとならぶAT/NPの名物といえば、シーカヤック。日本でも知名度が上昇中なのでもうご存知かもしれませんが、簡単にいえば海用のカヌーのこと。AT/NPは、世界最大の商業シーカヤッキング・ゲレンデだそうで、全業者を合計すれば900名分のカヤックがあり、真夏には100名以上のガイドが常駐しているとか。かくいう僕自身がその一人で、いまや公園内でも五指に入るヴェテランガイドになってしまいました。時の経つのは早いものでございますなぁ、ここまで来るにそりゃぁいろいろ苦労もありましたとも、えぇ、思い起こせばあれは七年前……。え? お前の思い出話なんぞ聞きたくない? ゴホン、失礼しました。
この公園でのシーカヤックの目玉は、ずばり「タイダル・ラグーン」。これ、実は上でご紹介した「タイダル・クロッシング・ビーチ」と同じ場所。つまり干潮時はトレッカーが歩く場所が、満潮時は水をたたえた礁湖に姿を変え、目を疑うような美しいパドリング・スポットを提供してくれるのです。
またシーカヤックに関しても、「パーク・フォー・フォー・シーズンズ(四季を通して楽しめる国立公園)」のニックネームは伊達じゃなく、通年営業の会社が多いですから、真夏はもちろんのこと、ポカポカと暖かいネルソンの冬を、水の上でのんびり過ごすこともできます。ベタ凪の海の上って、陸上より暖かいんですよ。もともとカヤックって、北極の海でアザラシなどを獲るために作られた艇なので、防寒性能も高いですし。
とはいえ、NZはこれからどんどん暖かくなります。年末年始のお休みの旅行先を検討中の皆さん、「パーク・フォー・フォー・シーズンズ」はいかがですか?
画像上:靴を脱いで、タイダル・クロッシング中。冷たい水が爽快。
画像中:角度は違いますが、上の画像と同じ場所。信じられますか?
画像下:帆をあげて、シーカヤックでセーリング中!
【短信】実は今、二年ぶりに日本に一時帰国中。カヤックの仕事で日光中禅寺湖と日本海若狭湾を立て続けに回りましたが、どちらもAT/NPにも負けない美しさ。日本の水辺も侮れませんね!(9/16)
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