|
ポルトガルで車を買うと、新車なら4年間はそのまま何もしないで乗れる。4年を過ぎると、2年ごとに車検を受けなければならないのだが、さていったいどこで手続きをしたらよいのだろうか? 役所から「車検を受けなさい」という通知がくるわけでもなし、そうかといってそのままほっておいたら運悪く検問に引っかかって「罰金」を払うはめになる。
日本だったら「車検代行業者」に頼むと、たいてい一日でできてくる。料金は高いが自分でしなくてよいからすごく手軽だ。ところがポルトガルではそんな業者はなさそう。そこで、4年前に車を買ったセールスマンに尋ねたら、「ああ、もう4年経ったの、早いね?。この際買い替えたらどうかな?」なんて軽く言う。「いいや、このクルマを乗り潰す」、「そうか、残念! それじゃ車検を受けるのなら、IPOというのがあるからそこに朝早く行って、予約を取ったらいいよ。でもセトゥーバルは混むから、どこか周辺の町のIPOに行く方が早くできるよ」と教えてくれた。
彼のお勧めは車で20分ほど離れたピニャル・ノヴォ(Pinhal Novo)という町。私たちは月に一度、露店市が開かれる時に行く町だが、IPOがどこにあるのか知らないので地図を描いてもらった。次の朝、8時に家を出てピニャルノヴォに向かった。地図によると町のずっと手前にあるらしい。そのあたりに行くと、すぐにIPOの看板を見つけた。それに従って左折してだいぶ走ってもそれらしき建物はなく、大きな通りにぶつかった。
これは変だ! 元に引き返すことにした。そのあたりは工業団地用の広い敷地がある所で、すでに半分ほどの面積にいろいろな工場が建っている。そこの右側にIPOの次の看板を見つけた。反対向きに看板が取り付けられているので、さっきは看板の裏側を見て通り過ぎてしまったのだ。分らないはずだ。ポルトガルの標識には時々迷わされる。
IPOに着くともうすでに数台の車が順番待ちで一列に並んでいた。修理工場のような建物の前に車検を受ける車の持主たちが立っている。その中の一人が建物の横のドアを指差して、「あそこの事務所でまず車検代の支払いをするんだよ」と教えてくれた。それからしばらく待つと車検の係員が現れて、一番目の車は車検場に入るようにと手招きをした。その車の持主は自分で運転して中に入り、係員の指示に従ってライトを点けたり消したり…。私は日本で実際に車検というものを体験したことがないので、ポルトガルの車検とはいったいどういうものかと、興味津々。でも他人の車検中にあまり奥には入れないので詳しいことはよく分らない。
やがて私たちの順番がきた。夫が運転して、私は外で見守りと観察をすることにした。検査官が外に立っていろいろと指示をする。専門用語などポルトガル語では解らないので、運転席の夫は不安そうだし、検査官もなんだか戸惑っている様子。まず、右のライト、左のライト、そして指示器のランプが点灯するかどうか、ワイパーの作動など。
次に前に進むと、タイヤの検査。くぼみにタイヤがはまり、空回りを始めた。空気圧、バランスなどを検査している。そして、マフラーにホースを繋いで排気ガス。検査官は時々パソコンの画面を見ながら、次の指示をする。前に移動すると、今度は床がぽっかり開いた上に車を止める。別の技術者が下に入り、車の下回りを点検。金槌を持ってコンコンと叩いて、異常がないかを音で判断するようだ。
この車検を受ける前に、念のためシトロエンの工場で定期点検を受け、そこでタイヤのちょっとしたふくらみが見つかったのだが、シトロエンではタイヤの修理はできないというので、別のタイヤ専門店に行って点検と取り替えをしてもらった。前もってそうしていたので、初めての車検は何の問題もなく無事に合格。すべて終ると、検査官が合格のステッカーを持ってきて、「フロントガラスの右側にこれを貼りなさい。車検は2年間有効だから、2年後にまた来て車検を受けてください」と言った。
車検の料金は25ユーロ。日本円で4千円ほど。検査時間も待ち時間を入れても2時間ほどだったし。ポルトガルの車検は思っていたよりずっと手軽で、気楽に受けられた。
画像上右:工場団地の中の素朴な車検場。
画像上左:車検を受ける前に、事務所で自分の車の書類を見せて、料金を支払う。
画像中右:検査官がエンジンを調べる。
画像中左:ここでタイヤの検査
画像下右:車検は二列のレーンで行なわれる。
画像下左:この地下に入って車体の下を点検する。
【短信】こちらは急に秋、というより雨季が始まりました。といっても毎日雨ではなく、2日か3日降って翌日は晴れるという天候です。でも気温は低くなり、長袖の上着が一枚必要です。(10/1)
|