■空地の露天市 2005.5.16 update

ポルトガルでは露天市が全国各地で開かれ、私の住む町の周辺でも4箇所でそれぞれ月に一回、日曜日に開かれます。その内のひとつ、ピニャル・ノボの露天市は毎月第二日曜日。なにしろ規模が大きく、全部見て回ると2時間以上はかかるので日ごろの運動不足を解消するのにはもってこいです。

野菜、果物はもちろん、日用雑貨、衣類や靴、カーテンにじゅうたん、犬猫小鳥、アヒルやニワトリ、時には七面鳥や白鳥まで、とにかくありとあらゆる物が並び、周辺の町や村から人々が続々と詰めかけます。

土曜日の午後から日曜日は宗教的に「安息日」で町の商店街はほとんどの店が休みなので、そのかわりに露天市が空地に出現します。町の商店よりもずいぶん安い値段で売っていて、今流行の服や靴、CDなどもちょっと遅れて店先に並びます。でも時には半端ものや傷物などもあるので、買う時はじっくりと品定めが必要です。あれやこれやとひっくり返して品物を選んでも、店の人は「当たり前だ」という顔で全然気にしないので、気楽に選べます。

時には同じ物をお客同士で引っ張りあいになり、どちらかが無念の涙を飲んで引き下がることにもなります。なにしろ半端ものとかが並んでいるので、ワンセットしかない場合が多いのです。私も上等のシーツを見つけて、そろいの枕カバーなどを探していたところ、別の人も同じ物を手に取っていて、泣く泣くその人に譲ったことがありました。その後、そんな値打ち物は二度と出なかったので、今思い出しても残念!

露店は数百軒もあり、出ていないのは郵便局と銀行と市役所ぐらいのもの…というとちょっと大袈裟ですが。警官の詰め所はあるし、スリもいないし、安全なものです。

露天市の一角には屋台の食堂も30軒ほど出て、ドラム缶で作った炭火焼のコンロでフランゴ(チキン)やエントレメアーダ(豚の三枚肉)を焼いています。その他にもこってり煮込んだソッパ(スープ)やポルトゲーサ(ポルトガルキャベツなどの野菜と豚肉、豚足、チョリソなどをじっくり煮込んだ料理)、バカリャウ(塩ダラ)とビコ豆の煮込みなどがあります。ちょっと小腹が空いたなら三枚肉の炭火焼をパンに挟んだサンドウィッチ、かなり空腹ならフランゴや煮込みを一皿。フランゴはバタータフリット(ポテトフライ)とご飯が一緒に盛られて皿からはみ出しそう。

飲物は樽仕込みのビニョチント(赤ワイン)やビニョブランコ(白)。コップ一杯、70円ほど。値段が安いのにけっこう美味しいのです。他にもインペリアル(生ビール)やアグアデンテ(ブドウの絞り粕から作った蒸留酒)やスモ(ジュース)など。時には「ワインのビール割り」を注文するセニョールも見かけます。

食事の後はビッカ(エスプレッソコーヒー)。サンサンと降りそそぐ太陽を浴びながら食事をするのはいいものです。ただし、足元は紙くずだらけ。これは慣れてきたら平気になるのが自分でも恐ろしい!

日曜日は安息日なので、家庭の主婦も休日。ということは一家そろって外食をする日なのです。そこで町のレストランや露店の食堂はお客が詰めかけて、昼時はいつも空席待ちの状態です。毎月一度開かれる露天市は近在の町や村の人々にとって、買物や外食の楽しみがいっぱいの場所です。この数年間で大型ショッピングセンターがあちこちにできて、どの店も繁盛していますが、露天市はお客が減るどころか益々にぎわっています。やはり太陽と青空の下でぶらぶらと歩き回るのは気分がすっきりしていい気持なのですね。

画像右上:手前にあるのは、カラコイシュ(かたつむり)の5キロ入り袋。ハーブと一緒に茹でたものをビールのつまみにして食べる。
画像左上:三本足の鉄鍋は、暖炉の火の脇に置いておくとスープや煮込み料理がじっくりできあがる。
画像右中:素焼きの陶器を売る店。手前にあるのは子豚の丸焼きを盛る皿。
画像左中:金物雑貨屋。この膨大な品物を朝飾り付けて、夕方にはすっかり片付けてしまう。
画像右下:露天市の一角には炭火焼の屋台がずらりと出る。
画像左下:羊や山羊のチーズが強烈な匂いを発している。

【短信】日本はいよいよ桜が咲き始めたそうですね。ポルトガルも急に暖かくなって、先日は28℃にもなりました。家の庭先や道端は少しばかりの雨の恵みで、いっせいに花が咲き始めました。こうなると家にじっとしているのがもったいなくて、どこかへ出かけたくなります。ところで、私たちは4月18日から帰国して、7月4日にポルトガルに戻ってくる予定です。(4/2)


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