■最近目にした出来事 2006.6.6 update

先日、日曜日の朝に友人との約束の場所へ行こうと思い、タクシーに乗りジャカルタ中心部にある大通りにさしかかろうとしたところ、いやに賑やかに騒いでいるではないですか。「今度は何のデモだ??」と思い、タクシーの運転手に聞いてみると、反ポルノ法案の早期成立を求めるイスラム団体員らが、中央ジャカルタの独立記念広場などに集まり、国会議事堂に向けてデモ行進をしているのだそう。

最近、ジャカルタをはじめ、インドネシア国内ではデモや集会がよく行われます。先日数ヶ月間は労働者による、労働法改正への反対デモが行われ、国会議事堂の前で大きく騒いでいましたが、今回遭遇したのは、労働者だけではなく、敬虔なイスラム教徒が大半を占める一般市民が中心のデモ。参加者の中には数十台の車両で駆けつけたグループもあり、デモ行進が行われたジャカルタオフィス街中心地の大通りは一時車線をデモ隊に占領され交通がマヒ状態でした。日曜日の朝だったので一時的で終わったのが幸いでした。

今まであまり注意して考えたことがなかったのですが、かなり長期にわたって論議を呼んでいた、このポルノ取締法案審議。聞くところによると、1998年の二代目大統領であったスハルトの政権が崩壊後、民主化の流れの中、映像や雑誌等のメディアが氾濫したことに対してたてられた法案でしたが、逆にこの内容が個人の人権や自由を制限すると批判が出ていたそうです。

「わいせつ」といわれる基準は日本人の感覚と違い、唇のキスも含まれており、「官能的」な身体の部分にはおへそ、大腿部、腕も含まれています。ジャカルタの町中を歩く限りでは最近の若者は半袖やタンクトップのファッションを好む人も少なくないのですが。

またこの法案に対して、女性団体からは批判が寄せられているのも確かです。いや、反対派の中心は女性団体だそうです。現に3月8日の「世界婦人デー」の同日、4月21日の「カルティニ(※)の日」の翌日には、多数の女性団体の代表や著名人がジャカルタ中心部のロータリーに集まり、「ポルノ取締法案は女性の性的権利を無視している。」と主張。

インドネシア33州ある中で州によってはイスラム教でもなく、習慣として衣服を身につけていない地域もあります。例えば代表的な州でいうとバリ州です。大半がヒンズー教で、伝統的にも開放的な服装が許容されているという事実があり、地元住民や、著名文化人によると、「このポルノ取締法案は市民の創造性を制限する他、バリ島の観光産業に悪影響をもたらす」と述べられ、反対する立場をとっています。その他、ファッション業界からも強く反対する立場をとっています。「この取締法案はファッション、アクセサリーや広告などの業界の創造性を規制している」と。

大半の日本人にとって生活の中の一部に宗教があるのとは反対に、宗教の中に生活があるこの国の人にとっては今後も重要な問題として扱われる事でしょう。経過を見届けたいと思います。

(※):カルティニ(Raden Adjeng Kartini:1879-1904):民族主義運動および婦人運動の先駆者。経済的にも自立した女性の育成を目指す職業教育も構想。4月21日は彼女の誕生日であり、祝賀行事が行われる。

-文中の画像-
画像右上:インドネシアの人気ダンドゥット歌手INULがプロデュースするファミリーカラオケ。彼女の過激な衣装と腰を振る踊りは一般大衆にとっては人気があるが、敬虔なイスラム教徒にとっては悩みの種。先日のデモには店にも押し入ったそう。
画像左上:ジャカルタ大通りを占領し、国会議事堂まで行進している一般市民。
画像右中:トラックやバイクで乗りつける人も多い。
画像左下・画像右下:女性も多数参加。

4月上旬に発売されたインドネシア初版「プレイボーイ(PLAYBOY)」誌。表紙を隠すために内側から覆えるように長い紙が付いていた(画像左)。携帯電話雑誌の表紙に早変わり(画像中)。中身はいたって普通。女性のヌード写真は一枚もない(画像右)。
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論争を招いた月刊誌「プレイボーイ」の第2号が6/7に販売された。AP通信によると、企業広告は掲載されていないとのこと(ワールドバザール21事務局)


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