■子どもに願いをこめて 2005.7.4 update

昨年、数組のインドネシア人カップルの結婚式に出席しレポートを書きましたが(2004年6月)、その初々しいカップルもとうとう親になる時期がやって参りました。先日、5月初めに出産をした友人から、「子どもの髪の毛を切る行事をするから見においで」と誘われ、行って来ました。

インドネシアの結婚式と同様、地域によって形式も異なりますが、こちらはジャワ式に沿って行われました。こちら、インドネシアでは生後36日目(35日目というところもある)に、子どもの名前をつける行事(もちろん、この時にはすでに赤ちゃんには名前はあります)が行われ、近所の女性(既婚で、出産経験のある女性)が集まり、生まれてきた赤ちゃんの健康を願い、祈りを捧げ、その後に出席した人が少しずつ赤ちゃんの髪の毛を切ります。何のために髪の毛を切るのか、友人に聞くと、髪の毛に付いた不浄なものを取り去るため、また、健康な髪の毛が多くなるようにという意味があるそうです。

用意される物は主に水、ハサミ、バラ、ジャスミンなどの花びら、ハチミツまたは砂糖、そして香水です。ハチミツは何のために用意されているのかというと、たくさんの女性が集まり、行事を行っている途中でたくさんの人に囲まれた赤ちゃんがびっくりして泣かないようになめさせるためだそうです。水は祈りを捧げた後に飲むためと、切った髪の毛を入れるために用意されます。香水は行事が終了したサインとして、出席者に振りまかれます。

この儀式の行われた後は、出席者に対し、お礼としてお弁当等のお土産を渡します(中には赤ちゃんの名前が書かれた紙と食べ物が入っています)。生後40日目には、今まで家の中で過ごしていた赤ちゃんが「外へ出ても良いですよ」という、外へ連れ出す行事も行われるそうです。これはPintu Keluar ピントゥ・クルアールと呼ばれ、Pintu はドア、Keluarは外という意味があります。そして、1歳になると、お誕生日のお祝いをします。この時もたくさんの人が集まり、伝統的な食べ物を用意し盛大に祝うそうです。

また、時はさかのぼりますが、赤ちゃんが生まれる前にも儀式が行われます。お母さんのお腹の中にいる時には、妊娠7ヶ月目に水浴びの儀式が行われます。この儀式のときも、遠路はるばる親戚や、近所の女性が集まり、祈りを捧げ、健康で丈夫な赤ちゃんが産まれることを願います。2時間ほどお祈りをした後に、数名が交代で妊婦に花びらたっぷりのお水を浴びせます。またヤシの実を鉈で半分に切り、左右どちらに実がついているかで、女の子、男の子が産まれるか占います。ヤシの果汁は親になる夫婦が飲みます。

これはジャワの人たちの伝統的な行事です。宗教関係なく行われます。先ほども書きましたが、インドネシアでは、地方によって行事も異なります。行われる日付けも正確にはジャワの暦があり、その暦に合わせて行事を行います。最近は人が集まりやすいように、暦に近い、土、日に行われることが多いそうです。

色々な行事に参加する度に感じるのは、インドネシアの人々は家族、親戚の絆が強く、何か行事がある度にどこからでも駆けつけます。現在、忙しく生活している日本人には見られないものがたくさんあります。少し羨ましく感じました。

画像右上:今回の主人公です。何も知らずに寝ています。
画像左上:髪の毛を切る儀式に使う道具(水、花びら、砂糖、香水等)。
画像右下:近所の人が集まり、赤ちゃんの健やかな成長を願います。
画像左下:少し見えにくいですが、髪の毛を切ってもらっているところです。切られた髪の毛の行き先は、胎盤を埋めた所と同じ所に埋められるか、髪の毛の重さを同じ金に変えられ、ピアス等の装飾品を作ったり、恵まれない子どもに与えるそうです。この行事は第一子にのみ行われます。


画像左:妊娠7ヶ月の時期に行われる水浴びの行事。
画像右:父親になる人が、生まれてくる子どもが男の子か女の子か占います。


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