|
私が初めてインドネシアへ来た頃、日本とは違った街の様子を見てまわるのが大好きで、何でも興味津々に写真を撮ったり、食べたことのない地方の食べ物には何でも挑戦していました。その中で、飲んでみたいと思っていたけど、勇気が出ずに飲めなかった飲み物があります。それはインドネシアの伝統薬のジャムウ(jamu)です。
ジャムウとは植物の葉、幹、根などから作られた、日本で言う「漢方薬」。インドネシアの街中には数多くの行商人が物を売っていますが、ジャムウ売り(tukang jamu,mbok jamu)の女性は一般的にはジャワの伝統衣装(上着にクバヤ、腰にサロンという布)を身につけているので一際目立ちます。商売道具(秘薬が入っている大瓶5、6本)を入れた10kg近い竹篭を背負い、お得意先を歩いて回ります。たいてい、朝早く、または夕方に見かけられます。
私の住んでいる寮にも毎朝早くジャムウ売りのおばさんがやって来ます。最近、体力の低下を感じている私は、勇気を出してジャムウを飲んでみようと思いました。朝一番のジャムウは作りたてで、まだ温かさが残っていて比較的飲み易いです。私が飲んだジャムウは生姜の味が強く、体が温まる感じでした。飲み易くするために、蜂蜜やライムを加えてくれます。作る人によって異なりますが、一般的には決して美味しそうな色とは言えません。
私が今まで飲めなかったのは、「ほんまに効くのかな」という疑いの気持ちと、行商で来ているジャムウを飲むときは、彼女達が持ち歩いているコップを使いまわしするので、衛生面を考えるとかなり抵抗があったのです(一応、使用後にコップを簡単に洗う、水の入ったバケツも持ち歩いていますが、それもちょっと。。。)。
お客の症状や注文に合わせて、その場で調合してくれます。種類としては100種類以上あるそうです。風邪気味、疲れやすい、ストレスを感じる、ニキビが気になる、太りたい、痩せたい、豊胸希望、生理痛、熱冷まし、子供用、男性の精力増強など様々。地元の人にとってジャムウは不可欠な飲み物だそうです。
最近は工場で大量生産され、薬局や、市場でも簡単に入手できるカプセルや、溶かして飲める粉末のジャムウ、さらにクリームやローションなどの化粧品、シャンプーなども出てきました。また、最近ではジャムウカフェができ、ジュース感覚で飲むことができるジャムウが出てきました。本来のジャムウとはかなりかけ離れていますが、インドネシアへ来られた際は、是非お試しください。こちらのカフェ、ジャムウの老舗Nyonya Menyeerの直営店で、日頃ジャムウに慣れ親しんでいない若者や外国人でも気軽に入ることのできる、いまどきのカフェの雰囲気を感じられます。
-文中の画像-
画像右上:ジャムウを売り歩いていたおばさん。午前の商売を終えて帰宅途中の彼女にたまたま道で出会い、「ジャムウを作るところを見たい」と頼んだら、家まで連れて行ってくれました。売れ残ることはないそうです。
画像左上:商売道具とその場で飲む用に用意してくれたジャムウ(コップ一杯でRp1000=12円弱)、画像右下は主に使う材料。白い方は米でできた粉。鍋一杯沸騰させた湯に、粉、生姜やウコン、砂糖、塩などを加えればジャムウができる。
画像右下:生姜、ウコン、干した木の実。
画像左下:基本の三種類。お客は症状に合わせて、さらに別のジャムウをブレンドしてもらう。(画像左)女性におすすめ。味は甘み、生姜の味、酸味が混じって、複雑。(画像中)食欲を促す効果あり。子供にもおすすめ。生姜湯の味。(画像右)甘いのが苦手な人向け。木の実、葉を煎じてできている。効用は胃腸疲れなど多種。
 
画像左:MENEER CAFE/STC Senayan 6th Floor, Jl. Sedirman Kav.25 Jakarta 12920/Tel:021-526-7955 http://www.nyonyameneer.com/home.html/Nyonya Meneer社は創業80年以上の老舗。
画像中:ジャムウを使ったMENEER CAFEジュース。飲み物以外に、ナシゴレン(インドネシア風炒飯)、スパゲッティーなどの食事も楽しめます。
画像右:MENEER CAFE店内ではジャムウ商品の販売もしています。また、市場の中の薬局では数多くのジャムウが並べられており、家でも簡単に作れます。
【短信】先日、インドネシアのイスラム教徒は1ヶ月の断食を終え、レバランを祝いました。国民の祝日(3日間)に有給休暇を加え、約一週間の長期休暇を取る人も多く、この時期は故郷に帰省するインドネシア人で、地方に向かう交通機関は満員。逆に、首都ジャカルタの名物である「交通渋滞」は嘘のように消え、とても静か。空気も澄んでいるように感じました。(11/26)
|