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「Sahur!!Sahur!!Bangun!!Bangun!!(朝食の時間です!! 起きてください!!)」、住んでいる寮の近くにあるモスクのスピーカーから、こんな声が聞こえてきます。しかも朝の2時前。。今年もやってきました、断食月(ラマダン)。今回はインドネシアの断食月についてお話します。
断食月とはイスラム暦の9番目の月(*)の名で、この1ヶ月間はイスラム教徒にとって一年の中でもっとも大事な月になります。今年は10月15日から1ヶ月間、イスラム教徒は毎日、日の出から日没まで一切の欲を絶ち、飲食などをせず、清らかな心で過ごすよう努めます。この期間中はディスコやカラオケ、ライブハウス等の娯楽施設の営業時間が制限されます。
(*):9月が、ムハマンドに初めて神の啓示があった聖なる月。イスラム教徒はラマダンに断食を行うことにより空腹に耐え、貧困と飢えの苦痛を経験すると共に、神からの賜り物を大切にする気持ちを養います。ラマダンは自己修行をする時期でもあります。ただし、老人、病人、妊婦、月経中の女性、子供、旅行者、従軍中の者は免除されるが、後日、未達分を埋め合わさなければいけません。
この断食月に入る一ヶ月ほど前から直前まで、彼らは先祖や家族の墓参りをし、親類の家を訪問し、断食を始める挨拶をします。断食月の1ヵ月間、毎朝午前2時頃に起き、4時前には朝食(サフールsahur)を済ませ、午後6時の日没のお祈り(マグリブmagrib)と共にその日一日の断食明けを迎えます。日によってmagribの時間が違うので、毎夕テレビで流れる礼拝の呼びかけや、断食月前に配られる一ヶ月のタイムスケジュール、新聞の一面に載っている「今日のMagribの時間」が書いてある表を見て、その日の断食明けに備えます。
インドネシアは9割の国民がイスラム教徒。もちろん私の周りの友達には敬虔なイスラム教徒、ヒンズー教徒、仏教徒、キリスト教徒がおりますが、中でもイスラム教徒の友達が圧倒的に多いです。去年、私は彼らと共にこの時間を過ごしたいと思い、1ヶ月の断食(プアサpuasa)を経験しました。
小さい頃からこの時期は食べないということを少しずつ慣らしてきた彼らとは違い、私はいきなり断食を始めたので、初めはとても苦痛でした。なんといってもいつもより5時間も早く起きるので、学校の授業が始まる頃には睡魔に襲われ、勉強に集中ができません。インドネシアで働いている日本人の知り合いが言っていました。「この時期になると、インドネシア人の仕事のペースがさらに落ちるんだよね」と。。。確かにその気持ち、分かります。
夕方の日没前には断食を明ける用意をするためにソワソワしてみんな落ち着きがありません。この時期だけは、夕食が待ち遠しいです。断食明けに、急に物をたくさん食べると胃を刺激するので、まずは水、甘い飲み物、果物、お菓子などでお腹を慣らします。特に家庭ではクルマ(kurma、ナツメヤシの実の砂糖漬け、アラビアからの輸入品)、コラン・カリン(kolang-kaling、色は白っぽく、半透明でナタデココに似ている)のシロップ漬け、瓜(ティムン・スリtimun suri、大きさは大小あるが、形はパパイヤに似ている)の果肉をくり抜いてシロップ漬けにした物と様々。
スーパーなどの店頭にもこのような断食月の食べ物がズラッと並べられ、お客で賑わっています。また、レストランではいつもより多くの人が押し寄せます。家族、同僚などで席を予約して、多くの人と共に断食明けを迎えます。中には一時間も前から席に座ってこの時間を待っている人もいます。「今日の断食明け一緒にしようよ!!」っと声をかけてくれる友人もいます。
ちなみに、私は今年の断食には参加しておりません。
-文中の画像-
画像右上、左上:断食月前の墓地。多くの家族連れがお墓周りをきれいにし、お参りします。周りでは花や聖水が売られています。
画像右下:日没の礼拝時間を記している新聞。タイムスケジュール。
画像左下:店の中には断食明けに飲むジュースの原液(水に薄めて飲みます)がズラッと並んでいます。
 
画像左:クルマ(ナツメヤシの砂糖漬け)。預言者ムハマンドがナツメヤシを食べて断食を明けたという言い伝えがある。大人の親指ぐらいの大きさで、味は日本の干し柿と似ています。糖分、鉄分、ビタミンを多量に含んでいます。
画像中:コラン・カリンkolang-kaling。シロップ甘さがこの果肉に合います。
画像右:ティムン・スリtimun suri。シロップに漬けて冷やして食べると美味しいそうです。
【短信】今年の4月に始まった総選挙から長いプロセスを経て、今月20日、国軍改革派出身のスシロ・バンバン・ユドヨノ氏(通称SBY)がインドネシア第6代大統領に就任しました。インドネシア史上初の国民からの直接大統領選挙で選ばれたユドヨノ大統領、国民の期待が高まります。(10/23)
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