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コスタリカは、南北アメリカを結ぶ地峡に位置し、北はニカラグア、南はパナマに国境を接し、日本の四国と九州を合わせたほどの広さを持つ、人口420万人の小国ですが、非常に豊かな自然に恵まれています。数字で説明すると、地球上の陸地のわずか0.034%の面積の国土に、全世界の動植物の5%もの種が生息しています。東西はカリブ海と太平洋に挟まれ、中央には山脈が走っており、多様な気候を備えています。
この様に豊かな自然に囲まれて、軍隊のない平和な国に生まれ育ったコスタリカの音楽家達が創りだす現代のコスタリカ音楽は、いまだ固有名詞はありませんが、コスタリカ独特の芸術となりつつあります。音楽を活字で表現することは容易ではありませんが、なかなか日本に届くことのないコスタリカの最近の音楽事情について紹介したいと思います。
ラテンアメリカというと、サンバ、サルサ、メレンゲ、クンビア、ソン、最近ではレゲトンといった明るく、ノリの良い、時には激しい音楽を連想される方が多いかもしれません。もちろんコスタリカ人も陽気でトロピカルな音楽が大好きです。一方でコスタリカ人が創る音には、「癒し」「安堵感」「透明感」に加え、「切なさ」「孤独さ」といった自然から派生し連想される音色が含まれています。
コスタリカ音楽の代表として国民が誇りにしているグループ「Editus(エディトゥス)」は、グラミー賞を三度受賞しています。彼らの功績は、音楽家だけでなく、国民にも大きな勇気と希望を与えました。クラシックの音色から時にはシンセサイザーを使うバイオリン、胡桃(くるみ)や鍵のすだれ、オカリナを用いて独特の音色を出すパーカション兼ドラム、タンゴ、フラメンコ、クラシックとあらゆるテクニックを使うギターの3人は、コスタリカの民族音楽をジャズやニューエージにアレンジしたり、コスタリカの静かな情景をインストゥルメンタル音楽で表現し、世代や国籍を問わず、深く心に残る作品を創っています。
最近、絶大な人気を博しているのが、Malpais(マルパイス)です。Malpaisという名前は、彼らの音楽のルーツにあるコスタリカのフォルクローレの発祥地、グアナカステ県ニコヤ半島の海岸名に由来しています。また、その美しい海岸とは正反対の意味「Mal (悪い)pais(国)」を皮肉にしています。作詞も手がけており、多くの詩が、月や水といった自然、ひとりの主人公を通じてコスタリカ人の国民性を表現するなどコスタリカ人の共感を誘っています。MalpaisのピアニストManuel Obregon(マヌエル・オブレゴン)は、漫画家・手塚治虫氏の作品「火の鳥」のモデルとなったケツアルの生息地として世界的に有名なモンテベルデ自然保護地の「自然バンド(木のせせらぎ、鳥の歌声、そよ風、飛び立つ虫の羽音等)」とアルバム『Sinbiosis(共生)』を作り上げています。
コスタリカの海岸は、絶滅の危機に瀕する、世界で最大かつ最古の亀「バウラ亀」の数少ない産卵地のひとつです。コスタリカの「浦島太郎」ともいえるギタリストFederico Miranda(フェデリコ・ミランダ)は、バウラ亀との心の会話を通じインスピレーションを受けて、コスタリカで初めてエレキギターをメインとしたインストゥルメント楽曲『Baula Project』を完成させました。CDの売上金の一部は、海洋資源を保護するNGO「Mar Viva(マル・ビバ)」を通じてバウラ亀保護のために寄付されています。
他にも多くのコスタリカのアーティスト達が音楽を通じてコスタリカから世界にメッセージを発信しようと日々新しい音楽創りに励んでいます。
コスタリカの自然を表すCDジャケット3枚です。上から、Editus(エディトゥス)の『Calle del Viento(風の道)』※画像上、Manuel Obregon(マヌエル・オブレゴン)の『Simbiosis (共生)』※画像中、そしてFederico Miranda(フェデリコ・ミランダ)の『Baula Project(バウラ・プロジェクト)』※画像下
【短信】コスタリカは、半年続いた雨季もそろそろ最終コーナーにさしかかっています。午前中は青空が広がり、ビーチに車を走らせたい!気持ち良い天候ですが、午後2、3時頃になると、空が一面グレーと化して激しい雨が降ります。雨が降ると街には赤いタクシーの数が増え、渋滞も首都サンホセの悩みの種です。ここ1年ほど、渋滞解消のために10年ぶりに鉄道が復活しました。走行距離は20kmほどで、時速も車とほぼ同様ですが、首都サンホセと近隣の街を東西に結んでいます。この鉄道、住民の足だけではなく、新たな観光スポットにもなりつつあります(9/30)
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